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教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

STEAM教育とは


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今回はSTEAM教育について解説したいと思います。

聞き慣れない方もいれば、なんとなく知っているという方もいるでしょう。

今後の教育業界の流れになると考えられているSTEAM教育について知っておけば、文科省の方針や狙いも理解しやすくなので、ぜひ抑えておきましょう。

STEAM教育とは

STEAM教育とはなんでしょうか。S・T・E・A・Mを頭文字にもつ単語を抑えておくとわかりやすいです。

S・T・E・A・Mとはそれぞれ

Science(科学)

Technology(技術)

Engineering(工学)

Art(芸術)

Mathematics(数学)

を意味します。

つまり科学・技術・工学・芸術・数学を様々な教育分野を横断的に学ぶ教育手法のことです。

元々はSTEM教育というものがあり、そこにArt(芸術)が加わった経緯がありました。

Wikipedeiaでは、以下のような学習計画だと書かれています。

STEAM教育の学習計画では、生徒児童の数学的、科学的な基礎を育成しながら、彼らが批判的に考え(批判的思考)、技術や工学を応用して、想像的・創造的なアプローチで、現実社会に存在する問題に取り組むように指導する。

(引用)STEAM教育 - Wikipedia

具体的に何をするのかピンと来ますかね? 百聞は一見に如かず、実際に取り組まれている例を見てみましょう。

STEAM教育の例

経済産業省の資料で「21世紀の教育・学習」という資料を見ることができます。

そこで紹介される具体例は、

「数学×芸術」

「音楽×数学×プログラミング」

「スポーツ×STEM」などなど。

(参考)「21世紀の教育・学習」

特に「総合STEAMS (STEM + Art + Sports) 教育Project 例」として紹介されている項目がわかりやすいと思います。

企業から課題をもらって解決するというアプローチなんですが、課題を見るだけでもイメージが膨らむものになっていますよ。

例えば「満員電車を解消する方法」です。

「満員電車を解消する方法」は、まさにSTEAM教育の要素が必要な要素がギッチリ詰まっています。

満員電車を「通勤ラッシュ」が原因だと仮定するのなら、駅の利用者数と車両の定員、運行本数といった数学の分野での計算が必要になります。

他にも「車両数を増やす」「1車両の定員を増やす」というアプローチも考えられるでしょう。

車両数を単純に増やそうと思っても既存のホームの長さが決まっていますよね。1車両の定員を増やす際にも既存の車両とは違う設計が必要になります。そこには科学・技術・工学の知識が必要になるでしょう。

また電車はただ人を運ぶだけではありません。

最近もコンセント付きの車両が登場したように快適性を求めたり、乗客を不快にさせない為にテレビモニターでCMを流すような工夫がなされています。

いかに快適な車内環境を実現するか、これは芸術やデザインという分野になります。

このように現実の諸課題を解決するためには、様々なアプローチと知識が必要です。その接続としてのSTEAM教育というわけです。

小池百合子都知事が、満員電車対策に「地下鉄の車両を2階建てにする」とか思いつきで言ったことがありましたよね。

小池都知事には人気取りの発言をするよりもSTEAM教育を推進する方が良いとアドバイスしておきますwww

満員電車ゼロ、2階建て車両で小池都知事の公約は実現可能か- 記事詳細|Infoseekニュース

文理の区別がなくなる

さて、このSTEAM教育を進めていくために忘れてはならないのは国語の力です。

国語の力、つまり言語力は個人で思考する際にも、また異なる専門分野の人とコミュニケーションする際にも基盤となるものです。

また社会学的な力も必要です。わかりやすいので、もう一度「満員電車を解消する方法」で例えましょう。

満員電車が発生する原因を「一斉出社」だと仮定すれば社会の仕組みの分野になります。「運行会社を増やす」という発想になると地理的な条件や歴史的な背景も議論の際に必要となりますし、法律的な知識も必要となります。

つまりSTEAMの頭文字に象徴される理科・数学・芸術に加えて、国語も社会も必要な能力となってきます。

このように現実の課題を解決するためには「文理でわける」のはナンセンスだとご理解いただけるのではないでしょうか。

実際、文部科学省の「Society 5.0 に向けた人材育成 ~ 社会が変わる、学びが変わる ~」(平成 30 年 6 月 5 日)という資料では「今後の方向性」について以下のように書かれています。 

③文理分断からの脱却
高等学校や大学において文系・理系に分かれ、特定の教科や分野について十分に学習しない傾向にある実態を改め、文理両方を学ぶ人材を育成するよう、高等学校改革と大学改革、高等学校と大学をつなぐ高大接続改革を進める必要がある。

高等学校においては、文理両方を学び個々の資質・能力を伸ばすとともに、地域の良さを学びコミュニティを支える人材の育成を進めていくことが必要である。

(引用)「Society 5.0 に向けた人材育成 ~ 社会が変わる、学びが変わる ~」(平成 30 年 6 月 5 日) 

ちなみに今後の方向性の①と②はこちら。

①「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供

②基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得

この資料について深く語るのはやめますが、文科省の今後の方向性として「読解力、数学的思考を基礎として、文理で考えるのをやめる」というのがあるのがお分かりいただけると思います,

この方向性の先にSTEAM教育があるとわかると納得できるのではないでしょうか。

どの時間で学習するのか

先生も保護者も生徒も気になるのがどこの時間で学習するか? ということだと思います。

STEAM教育は、あくまで教育方法なので既存の教育方法に取り入れていくというスタイルになると想定されます。

もし明確に時間を取るとするとおそらく「総合的な時間」「総合的な探求の時間」や「探求課題・課題研究」の内容がSTEAM教育的に移り変わるでしょう。

そして、おそらく今、例にあげた時間を先進的に取り組んでいる学校からすると「今やっていることとそんなに変わらないかも」と思うかもしれません。

EdTechでも同様の提言が出されています。こちらは経済産業省の資料で、どうして教育に経済産業省が? という感じですが説明しはじめると長くなるので割愛w

「経済産業省「未来の教室」と EdTech 研究会第1次提言」(2018年6月)という資料では以下のように書かれていますよ。

④探究プロジェクト(STEAM(S))で文理融合の知を使い、社会課題や身近な課題の解決を試行錯誤する
・ STEAM の”A”が「デザイン・芸術」だけでなく、広く「人文・社会」として捉えられ、末尾にもうひとつの”S”(身体性・スポーツ)を加えた STEAM(S)としてデザインされれば、部活動や体育も入り口にした間口の広い探究が可能になり、より多くの人の好奇心や情熱を喚起できるのではないか。(中略)

・ 単なる体験に終わらせない、英国数理社などの教科やその先にある様々な専門分野の学びにもつながっていく接続が工夫されていると、探究と勉強が切り離されないし、学校の授業でも使いやすくなる。(中略)

学校における「総合的な学習の時間」「体育」「音楽」「美術」や「部活動」は STEAM(S)の宝庫となるだろう。「速く走る方法」や「相手に倒されなくなる方法」を考えるため理科や算数・数学の知識をベースにさらに深い科学に導かれる。

 (引用)「経済産業省「未来の教室」と EdTech 研究会第1次提言」(2018年6月)

まとめ

・STEAM教育とは、理科(科学・技術・工学)・数学・芸術の教科横断的な教育手法。

・文理の区別をなくそうという方向性がある。

・昨今、取り組みが拡大している「探求活動」と繋がりがある。

少しでも参考になれば幸いです。それでは、また。 

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