りょうさかさんと

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【書評】「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」ティーチングからコーチングへ


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どうも、りょうさかさんです

今回は「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」(坪田信貴/SBクリエイティブ)についてです。 

「「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない」とは

「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」は、「ビリギャル」で有名になった坪田信貴さんの新書です。

心理学をベースに子育ての声かけについて書かれた書籍になっています。

例えば「フィア・アピールではなく、興味を持たせるような声かけをしよう」といった風な内容です。

ちなみにフィア・アピールとは、例えば「勉強しないと将来困るよ」というように脅すことで、相手を動かす手法のことを指します。

この手法、かなり強力なので、ついつい使ってしまいますが、こういう文言を使うと自主的な選択でなくなるため「やらされ感」が強くなり、結果的に相手の自己肯定感が下がってしまうこともあるそうです。

ここまで説明して、気付いた方もいると思うんですが…

本書のタイトル「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」も典型的な「フィア・アピール」になっています。

わたしは、作者からの「ほら、このタイトルでドキッとしたでしょ。でも、だからこそ安易に子どもに使ってはいけないよ」というメッセージだと受け取りました。

こんな感じで、本書のタイトルである「『人に迷惑をかけるな』と言ってはいけない」以外にも「『ほめられて調子にのるな』と言ってはいけない」等の具体例が28パターンも掲載されていますよ。

親の価値観を押し付けず、子どもにできること

何度も何度もこのブログで書いていますが、わたしは子どもに対して親の価値観を押し付けることを非常に警戒しています。

 それについて、この本ではとっても明快な提案をしています。

それは「ティーチングからコーチングへ変えよう」という趣旨です。

その理由は、グローバル化、AI化が急速に進む世界では、そもそも誰もティーチングできないからと述べます。

だから「ティーチング(教える)」ではなく、「コーチング(気付きを与える)」に切り替えた関わり方をして、子どもが自分で選択できるようにサポートしていきましょう、ということです。

わたしは本書がメインとしている「ある種のテクニック的な声かけ」よりも、「親はコーチング的なスタンスでいるべきだ」という方が余程重要だと思いました。

もちろん本書内のテクニック面も参考になると思うので、気になる方はぜひ本書を読んでみてください。

それでは、また。