どうも、りょうさかさんです。
本年度、2021年からGIGAスクール構想の前倒しによって全国の小中学校の子どもたちに1人1台端末が配布されました。
そのGIGAスクール構想の1人1台端末について、MM総研さんから驚きのレポートが出されました。
GIGAスクール端末の授業、小中学生で63%普及 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
今回はこのレポートについて見ていきましょう。
利用していない38%
何とこのレポートの最初に目に飛び込んで来るのが、このグラフです。
(引用)GIGAスクール端末の授業、小中学生で63%普及 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
配られたが、利用していない 2%
配られていない 36%
合計38%!!!
何やってんの?!?!
思わず、取り乱してしまいました。
…ふぅ、ちょっと冷静になりましょう。
「そもそもまだ納入されてない」ケースだってあるはず。
文部科学省の調べによると、2021年3月末で9割以上の教育委員会が端末納品を終えていると回答している
9割の教育委員会が、納品を終えている…だと。
なんじゃこりゃあああああ!!!!
38%の理由を考える
改めて冷静になって、考えてみたいと思います。
まずその前に「端末を配って、利用している63%」、素晴らしい学校・先生方ですよね。
先生だって、タブレット端末・PC・ITリテラシーに長けたばかりではありません。
むしろ苦手な先生だって沢山いたはず。
不安や苦手を乗り越えて新しいことにチャレンジしている先生の姿は、まさに児童・生徒のお手本として相応しいと思います。
次に「配られたが利用していない 2%」「配られていない 36%」についてです。
このレポートの研究手法を見てみるとこのような注釈が書かれています。
※調査対象の児童・生徒1万人については、その保護者が同席のもとWebアンケートに回答してもらっている。
※1 調査概要
調査対象:全国の小中学生およびその保護者
回収件数:小中学生:10,000人、保護者10,000人
調査方法:Webアンケート
調査期間:2021年8月2日~2021年8月6日
(引用)GIGAスクール端末の授業、小中学生で63%普及 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
本調査の詳細は、市場分析レポートとして発売されるそうなので、現時点でこれ以上のことはわかりません。
つまり回答者の学年・地域の分布が全くわからないんです。
「学年がわからないこと」の何が問題かというと、数字の解釈が変わってくるからです。
例えば「配られたが利用していない 2%」について、このアンケート回答をした層の多くが小学1・2年生というケースは考えられないでしょうか?
「小学校低学年なので、最初に配ってユーザー登録などは済ませたけれど本格的に使用するのは2学期以降」という判断をした可能性があります。
もしこういった要素があれば、その学校判断が大きく非難されるほどのことではないでしょう。
またどこか特定の地域が偏っている可能性もあります。
そういう意味では「配られていない 36%」の方が問題をはらんだ数字だと言えます。
「9割の教育委員会が、端末納品を終えている」と文部科学省に返答しているのに、どうして36%の地域で配られていないのでしょうか?
配られていない理由
では、「配られていない理由」を考えてみましょう。
わたしが思いついたのは、大きく分けて3つのケースです。
まず考えられるのは「教育委員会が誤った返答をしているケース」です。
例えば、こんな妄想ができます。
2021年度3月末、文科省から教育委員会にアンケートがきます。
まだ納入が完了していなかったが「業者から3月末納入予定と聞いているし」と教育委員会は、「完了済」でアンケートに返答する。
その後、業者から納入遅れの連絡が来て、実際には4月上~中旬に学校に納品される。
学校現場は、春休み中に端末の初期設定をする予定が崩れてしまい、夏休み中に初期設定をすることに方針変更。
結果、端末は導入されるが児童生徒には「配られていない」というケースです。
次に「端末の管理を学校側がしすぎたために「児童生徒」が自分の端末だという認識を持っていないケース」も考えられます。
小学生の子どもを持つ親戚に1人1台端末は何を使っているのか尋ねたことがあるんですが、その親は1人1台端末が導入されていることを知らなかったんですよね。
夏休みに家に持ち帰ることもなかったようで、学校便りなどに書かれていても読み飛ばしてしまったり、忘れてしまうケースもあるのでしょう。
保護者と一緒にアンケートに回答していても、誤って「配られていない」と回答するケースがあっても不思議ではありません。
そして、「本当に学校が端末を配っていないケース」です。
たぶん「配られていない36%」はこれらの要素が組み合わさって、出てきた数字なんじゃないかと思います。
費用は税金
ただ比率としてはこの3つの要素の中だと「本当に学校が端末を配っていないケース」が多くなりそうです。
当たり前ですが、GIGAスクール構想は税金です。
予算案ではその額、2,318億円!
1人1台端末は、1台あたり4.5万円の補助を国が出しています。
詳しくはこちらをどうぞ⇒
もし本当に学校が配っていないケースの学校があるとして、当該の校長、先生には思い出してほしいです。
タブレット端末って税金だよ。
それを使うためにしたWifiの工事費用、どれだけかかってるか知っているの?
使わない理由があったら教えて欲しい。
「苦手だから使いたくない」
「新しいことに挑戦するのが怖い」
それ、児童生徒が同じことを言った時、あなたはどう声をかけているの?
同じことを言った児童生徒の「主体性の評価」、Aにしていますか?
ぜひ、児童生徒の模範としての「学ぶ姿勢」「自己調整機能」を見せて欲しいと思います。
それでは、また