引っ越しや進路の際、そもそもどこに住むか、という要因は大切ですよね。地区毎の教育方針だけでなく、実際の学力も気になるところだと思います。
2018年7月に行われた東京都の学力テストの結果が発表されていました。
そこで、遅まきながらこの公開された資料を見て、学力の高い地区を確認していきたいと思います。
特に参考となる資料はこちら。(どちらもPDFです)
平成30年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」正答数分布(都全体)
では、教科毎に地区でどのような違いがあるのか見ていきましょう。
グラフの形が平均とどう違うのか
小学校国語から見ていきますが、その前に資料のご紹介。公表されているグラフを引用すると以下のようになっています。
赤線が取得目標値、黒線が平均正答率、青線が到達目標値という形です。
ちなみに東京都の資料では地区毎教科毎のグラフは紹介されていますが、ハッキリと数字がわかるような形ではありません。これはそこに住む保護者、児童への配慮だと思います。
ただ保護者としては、住む場所を決める際には利便性や家賃などの要素と並んで学力が重要なファクターを締めると思います。
かなり時間を取って分析すれば地区毎の順位を出すことも出来るかもしれませんが、あまり順位に意味はないような感じもします。
例えば、上の小学校国語のグラフの都全体、千代田区、中央区、港区、新宿区を見てください。
この4地区は平均正答率である黒線よりも右側に長いグラフが固まっています。つまりこの4地区の学力が高いことが読み取れるわけです。一方で、4地区の中の順位を仮に中央区1位、港区4位みたいにしたとしても港区の価値は下がらないような気がするのです。(メチャメチャこだわるのなら別ですが…)
一方で、地区毎のグラフを見ていくと真ん中が大きい山形のグラフになっている地区があります。
このように比較していくと大よそ、その地区の学力が読み取れるのではないでしょうか。
ちなみに例にあげた小学校国語は都全体でも右側よりのグラフですが、他教科では都全体でも真ん中が大きい山形のグラフになっているケースもありますよ。
引っ越しなどの際は、このグラフ資料を参考に消去法的に避けていく使い方の方が現実的だと思います。
中学校から私立や都立の中等教育学校に進学するケースも考えていると思います。住む場所を決める際は、それら学校へのアクセスも検討する必要がありますからね。あくまで参考の一つとしてご活用ください。
では、前置きが長くなりましたが、都の平均正答率、都全体のグラフの形がポイントだとご理解いただいた上で資料を見ていきましょう。
小学校国語
国語に関しては、もう一度先ほどのグラフを引用します。
国語は、このように都全体でも右側に長いグラフが寄っています。一方で各地区毎のグラフを見ていくと右側よりではなく、真ん中が一番高い山型のグラフを描く地区もあります。
そこで、都の平均と同じ右側よりのグラフの形をしていて、一番長い棒グラフが黒線より右側の地区を列挙していきましょう。
…と言いたいところですが都全体で23区26市の49地区あるうち、該当する地区は37地区もありました。
該当しない地区を列挙するが早いんですが、それはそこにお住まいの方を配慮いたしましてグラフが特に右側に偏っている地区を抜粋したいと思います。(また該当しない地区も基本的にグラフが右よりか真ん中が高い形をしています。)
ちなみに順序は、グラフ掲載順なので成績順位とは関係ございません。
特に右側よりな地区…千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、世田谷区、武蔵野市、三鷹市。
小学校社会
小学校社会の都全体のグラフはこんな感じです。
こちらも小学校国語と同じようなグラフの形になっています。国語と同じような基準で全23区26市を見たところ、このグラフと形が違う(真ん中が高いor長方形)地区はたった3地区でした。
上のグラフにあるように目標値達成の児童が47.1%ですから、東京都の子どもの半分近くが社会をしっかり学習できているのは素晴らしいですね。
国語の時と同様に、特に右側に偏っている地区を抜粋したいと思います。
特に右側よりな地区…中央区、文京区、武蔵野市。
小学校算数
小学校算数の都全体のグラフはこんな感じです。
国語、社会とグラフの形が大きく違うのがお分かりいただけると思います。グラフの形は、真ん中を中心に左右に広がる山型をしています。
到達目標値を達成した児童も14.5%と国語、社会よりも低い数字となっています。それでも都全体の横のグラフの地区のように右側よりの地区もいくつか存在します。(一方、都全体では左側よりの地区もあります。)
そこで右側に偏っている地区を列挙したいと思います。
右側よりの地区…千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、目黒区、世田谷区、武蔵野市。
小学校理科
小学校理科の都全体のグラフはこんな感じです。
算数とは違って、国語、社会と同じ右側よりのグラフ。到達目標値達成の児童はなんと53.2%と半分以上の児童が達成!
中学になると理科嫌いになる子が大きいけど小学校の時はみんな大好きだもんね。
国語・社会と同じような基準で全23区26市を見たところ、このグラフと形が違う(真ん中が高い)地区はたった3地区でした。
国語の時と同様に、特に右側に偏っている地区を抜粋したいと思います。
特に右側よりな地区…千代田区、中央区、新宿区、文京区、武蔵野市、三鷹市。
まとめ
・特にグラフが良い地区は、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、武蔵野市、三鷹市。
・社会・理科は、東京都全体で到達目標値を達成している児童が40%を超えている。
・算数は真ん中が高い山型をしていて、地区の差が出やすい。
次回は、中学校編を予定しています。では、また。