前回に続いて今回は東京都の中学校の学力調査を見ていきたいと思います。
小学校と違い中学校の数字を見る際の留意点は、小学校での成績上位者が私立中学校や都立の中高一貫校に抜けてしまっているという点です。
では、同様に東京都の下記資料を参考にしていきたいと思います
(参考)30年度児童・生徒の学力向上を図るための調査等の結果|東京都
中学校国語
中学校国語のグラフはこんな感じです。
中学校国語のグラフは右側に山が出来ている形状です。到達目標値を達成した生徒も33.5%となっています。
23区26市のそれぞれのグラフを見てみると、全ての地区で同様の右側に山がある形状をしています。
特にその中でも右側に寄った顕著な地区を列挙していきましょう。
右側によった地区:千代田区、中央区、文京区、武蔵野市、三鷹市、小金井市。
中学校社会
中学校社会のグラフを見てみましょう。
中学校社会の東京都全体のグラフの形状は平均より少し右側を中心に緩やかな山なりになっています。小学校社会では右側に寄っていたことを思い出すと、小学校と中学校の難易度の違いが浮き彫りになりますね。
それぞれの地区を見てみても、都全体のグラフの形状と同じ地区がほとんどです。それでも千代田区のように右側に寄っている地区もあります。
右側に寄っている地区…千代田区、文京区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、小金井市、西東京市。
中学校数学
中学校数学のグラフを見てみましょう。
数学も社会に似た形状をしています。少し残念なのは、平均よりわずか左側に一番長い棒グラフがあるところです。
到達目標値達成の生徒も15.1%。算数も山なりでしたが、中学校数学ではさらに難しいと感じた生徒が増えていることがわかります。
そんな中でもやはり平均を示す黒線よりも右側にグラフが寄っている地区もあります。
右側よりの地区…千代田区、文京区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、小金井市。
中学校理科
中学校理科のグラフを見てみましょう。
中学校理科のグラフの形状は平均を示す黒線を頂点にこんもりとした山形をしています。平均前後の生徒が多く、習得目標値未満の生徒も3.3%と少なくなっています。
反面、到達目標値を達成している生徒の割合も10.2%と少ない状況です。それでも地区によっては右側にグラフが寄っている地区もあります。
右側よりの地区…千代田区、文京区、杉並区、武蔵野市、三鷹市。
中学校英語
中学校英語のグラフを見てみましょう。
英語も真ん中が高く、両端に向かうにつれて緩やかに下がっていくグラフをしています。同じようなグラフの形をしている社会、数学、理科との違いは到達目標値の達成率です。
到達目標値の達成率は、社会は17.4%、数学は15.1%、理科は10.2%とそれぞれ10%台です。英語は21.5%ですから、英語の方がやや上位層が多いという傾向でしょうか。
他教科と同様に右側にグラフが寄っている地区を見ていきましょう。
右側よりの地区…千代田区、港区、文京区、目黒区、世田谷区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、小金井市、国分寺市
まとめ
・中学校は上位層が私立、都立の中等教育学校(中高一貫子校)に進学し、抜けている可能性を留意しましょう。
・教科毎に見ると国語と他教科では分布が全く違う。
・どの教科も成績が良いとみられる地区は、千代田区、文京区、武蔵野市、三鷹市。
・小学校の時との違いは、杉並区や小金井市の良さが目立つ。小学校の成績も悪くないが他が良すぎて小学校時点では目立たなかったと考えられる。
少しでも参考になれば幸いです。では、また。