りょうさかさんと

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R4年度全国学力学習状況調査(小学校)は教員へのメッセージ


どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。

2022年4月19日に全国学力・学習状況調査がありましたね。

この学力テストの小学校の調査問題について見てきましょう。

わたしは「調査問題が教員へのメッセージ」だと受け取りましたよ!

国語 自由記述と対話

国語の問題は問1の4から自由記述が出題されています。

(引用)令和4年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

普段から「書いてまとめる」という授業をしているか試されている感じがしますね。

また問3の2では、自分が書いた文章について感想を伝え合い、そこから「自分の文章の良さ」を書く問題が出題されています。

(引用)令和4年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

60字から100字以内の分量で、元の文章の言葉や文を取り上げて書くという内容です。

こちらについても、そもそも普段からただ文章を書かせるだけではなく、共有して意見を言い合ったり、それを振り返る作業をしているかどうかを試すような問題ですよね。

もちろん学力が高い児童はそういう経験がなくても解ける内容だと思います。

ただ中位から苦手な児童にとっては日ごろの経験によっては、問題のハードルが変わってきそうです。

算数 プログラミングによる多角形の作図

算数については多角形の作図についてプログラムを用いた問題です。

(引用)令和4年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

「えっ!? これ算数の問題?」

そんな風に思った方もいるかもしれません。

指導要領ではプログラミング教育について「単元等で実施するもの」として以下の3つが挙げられています。

  1. 算数 小5「正多角形の作図」
  2. 理科 小6「電気の性質や働き」
  3. 総合的な学習の時間 「情報に関する探究的な学習」

そのうちの一つである小5「正多角形の作図」にちなんだ問題なんですね。

コレ、わたしは文部科学省から「指導要領通り、正多角形の作図をプログラミングで授業している???」という教員へのメッセージだと思いましたよ。

また全国学テでは問題の前提だけで2ページ(1)の問題だけで2ページという分量の説明があります。

この問4だけで問題・選択肢に合計9ページも使われています。

もちろん選択肢の関係で文字や図がびっしりというわけではありませんが、日ごろから文字を読んで考えるという体験、プログラミング体験をしていないと子どもには負荷の大きい問題だと思います。

理科 意見交換と図・グラフからの読み取り

理科の全国学力テストは、平成30年度以来の4年ぶりに実施されました。

理科ではGIGAスクール構想を意識したように場面設定のいくつかに「タブレット端末」が用いられています。

(引用)令和4年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
理科については算数のように「プログラミング」に絡んだ問題は出題されていません。

これは小6の4月時点では「電気の性質や働き」まで学習していないからでしょう。

一方で4年前と同様に会話形式の問題、図やグラフから読み取る問題が出題されています。

つまり「実験を行い、友達と会話して実験を見直し、グラフから考察する」といった日ごろの授業の流れに沿った問題構成なんですね。

R4年度全国学力学習状況調査(小学校)は教員へのメッセージ

今回の全国学力テストは、子どもの学力を測るという意味だけではなく、「教員へのメッセージ」という側面が前年までよりも大きかったと思います。

タブレット端末やプログラミング教育をしっかり取り組んでいるのか?

対話的な学びを実践できているのか?

そんなことを問いかけるような出題だったように感じます。

当然ですが、全国学力テストのために先生が授業し、子どもが学んでいるわけではありません。

ただ出されたメッセージを受け取ることは大切なことです。

R4年度から高校では「情報Ⅰ」が必修化され、教科書によってはプログラミング言語も扱われます。

小学校からの体験の積み重ねが子どもたちの未来にも影響するわけです。

わたしたち保護者も「プログラミングなんてどうでもいいから」と思わずに、これからの子どもたちが学ぶ内容を意識して接していきましょう。

それでは、また。

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