今回はちきりんさんの「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」(著・ちきりん)についての書評です。
賃貸派ゆえ一軒家にもリノベにも興味のないわたし。そんなわたしが読んで気付いたことも含めて書いていきましょう。
本書の内容
この本は、一言でいえば「ブロガー・文筆家のちきりんさんのリノベーション体験談本」です。
「リフォームとリノベ―ションの違い」「見積書の見方」「自宅をリノベ中の住まい」などなど、言われてみれば確かに戸惑うよね、ということを中心に徹底的に顧客目線から書かれています。
またちきりんさんが実際に行ったリノベーションのビフォー・アフターの写真が掲載されていて「こんな家に住みたい!!」と憧れること間違いなし!(笑)
これからリノベを始める方は当然参考になるし、リノベ業者の方も顧客はこう感じるのかということの参考になると思います。
しかし、わたしのような賃貸派はそもそも「リノベ」とは無縁です。そんな人にとってどうなのか。結論から言うと、2つの点で得るものがあります。
1点目は、仕事に対する「捉え方」です。
2点目は、家具の配置です。
仕事に対する「捉え方」について
わたしが書籍を読む際に感動を覚えることが多い場面の一つに「自分が既に持っているモヤモヤとした部分に名前を付けてもらう」ということがあります。
今回のリノベ本では、「等価値交換の取引」と「共同プロジェクト型の取引」についての言及部分です。
「等価値交換の取引」とは、日常的なお買い物のことです。例えば、売り手の500円のお弁当と買い手の500円分の現金と交換する、という場合の取引のことです。
「共同プロジェクト型の取引」についての説明は本書から引用させていただきましょう。
売り手と買い手が共同して価値を生み出し、生み出された価値を両者で分け合うという取引があります。典型的なのは医療です。(中略)
スポーツジムや英会話学校に通うのも同じです。「英検1級の英語力ください」「20万円になります」みたいな、等価値交換型の取引ではありません。
(本書p.34より引用)
共同プロジェクト型の特徴は、どちらも協力し合わなければ目的を達成できないという点です。
英会話学校にただ通うだけでは英語を話せるようにはなりません。自分の英語力をキチンと伝えることも大事ですし、自宅学習もしなければ目標の英語力には到達しませんよね。
プロフィール欄にあるようにわたしは教育関係会社員です。わたしが勤める会社の仕事にも「等価値交換型の取引」もあれば「共同プロジェクト型の取引」もあるわけです。
なんとなく「Aという仕事とBという仕事は種類が全く違う」と認識していたんですが、その2つの何が違うのか言語化できていませんでした。
その違いがモヤモヤとなっていました。今回のそのモヤモヤに「等価値交換の取引」と「共同プロジェクト型の取引」という名前を付けてもらった、と感じています。
わかっていることをしっかり言語化することはとても大事です。名前をつけて言語化することで、今起きていること、これから起きることを類型化し、意識的に自分の行動を変化させることができるからです。
「そんな言葉でわざわざ名前を付けなくても、知ってるよ」と思う方もいるかもしれません。でも言われてみれば知っていると思っているだけで、案外区別が曖昧になっていたりしませんか? もし心当たりが少しでもあれば、本書を読むことでスッキリすると思いますよ。
家具の配置について
さて、続いては2点目の家具の配置についてです。
本書では、ちきりんさんのリノベーション後の写真とともに「どうしてコレがココにあるのか」ということを紹介しています。
象徴的なのは、玄関です。
リノベ後の玄関は、段差のないフラットなスペースになっています。そして、玄関内に収納スペースを設け、キャリーケースやマリン用具などが収納されています。
その理由は、「キャリーケースを使う際に広げやすいから」「マリン用具は旅行先で使うものだから」というものです。使いやすい場所・使う場所に収納すべきという考えの元にそれぞれの部屋にモノが収納されたり、配置されたりしています。
本書内の言葉を使えば動線を意識して家具を配置するということです。
例えば、わたしの家でも似たようなことをしています。例えば、お風呂場の前の収納棚にバスタオルと下着とパジャマを入れておく、というようなことです。
ご家庭によってはバスタオルと下着とパジャマは別収納ということもあると思います。しかし、ほとんど毎日入るお風呂の際に毎回お風呂場まで持っていくよりも、洗濯モノを収納する時にお風呂場まで運んでしまう方が楽ですよね。
各家庭の間取りやライフスタイルによって何が最適かというのは変わると思います。動線をシンプルに出来ないか、もっと短くできないか考えてみることをオススメします。
トイレに行くのすら面倒くさがるのが我々人間です。家事の動線も短ければ短いほど、シンプルであればシンプルなほど快適に感じるはずですよ。
まとめ
ちきりんさんの「リノベ本」を読んで良かったことはまとめると以下の2点です。
・「等価値交換の取引」と「共同プロジェクト型の取引」
・動線を意識して家具を配置する
そして、副産物として賃貸派のわたしも少しだけ持ち家が魅力的に見えてきましたwww
さて、最後に「メモの魔力」的抽象化にトライしたいと思います。(「転用」は、このブログをどうするかという視点で考えています。)
ファクト:リノベーションの体験談を徹底的に顧客目線から書かれている。このことによって同じ顧客はもちろん、販売側も参考になる書籍になっている。
抽象化:丁寧にスタンスを決めた意見は、反対側の立場の人にとっても参考になる。
転用:意見やスタンスを鮮明にして記事を構成する。
それでは、また。 「メモの魔力」を未読の方は↓からどうぞ。