今回はこれから受験勉強を始める現高校1年生、現高校2年生に向けて模試・過去問の活用の仕方についてです。
要点だけを先に書くと…
・分析資料を見てざっくり把握しよう
・解ける問題、解けない問題をしっかり区別しよう
・優先順位をつけて勉強しよう
・2度、解き直そう
模試や過去問は練習試合
『大学の2次試験が、サッカーワールドカップの本戦なら、センター試験はアジア予選みたいなものだ。』
これは、ある先生がわたしに語ってくれた例え話です。この例えを広げると予備校の模試や志望校の過去問は、練習試合という位置付けになります。
では、何のために練習試合をするのでしょうか?
折角の機会なので改めて考えてみて下さい。
スポーツなら試合に慣れるため、対戦相手の傾向を知るため、自信をつけるため…などなど、色々思い浮かぶと思います。
これは、スポーツでも勉強も同じことですよね。
模試や過去問に置き換えると…「試験の雰囲気や時間制限に慣れる」「出題傾向を知る」みたいな感じになると思います。
スポーツも勉強も共通して大事なのは今の自分を把握することです。
この自分を把握するという意味は自分の長所、短所を確認するだけでなく、課題をみつけることでもあります。
サッカーの例えに戻れば、自分に足りないものを考える作業になります。シュート、パス、それともドリブルなのか。ポジショニングや、フィジカルかもしれません。
このように必要な要素である課題を見付けることです。
模試で簡単な分析をみよう
スポーツと違い、勉強は比較的、正解か不正解かどうかを見つめなおすことで課題が見つかりやすいものです。模試の結果が返却されたら付随する分析の資料を読んで、ざっくりとした課題を見付けてみましょう。
多くの場合、表やグラフで得意不得意が一目でわかるように工夫されているはずです。ざっくりどの分野が苦手なのか、得意なのか把握することが出来ますよね。
英語なら「文法」は得意だけど「長文」は苦手だなー、くらいでも構いません。
ただ選択問題は仮に正解していても、マグレの可能性もあります。また間違いの問題もケアレスミスや時間が足りなかっただけといった場合もありますよね。
面倒くさいですが問題文を見直して「何度やっても解ける問題」「全くわからなかった問題」「ケアレスミスで間違えた問題」「時間が足りなかった問題」の区別を大雑把にしておくといいでしょう。
問題用紙にこういうメモを付けても良いと思います。
◎…何度やっても解ける問題
△…ケアレスミスで間違えた問題
▲…時間が足りなかった問題
×…全くわからなかった問題
こうやって時間が経った後に見返しても、一目でこの問題が自分がどうだったのかわかるようにしておきましょう。
課題克服の優先順位をつける
課題を見つけて、次にすることは優先順位をつけることです。
受験生って気持ちが焦ってしまうから分析している時間があったら「一つでも英単語を覚えた方がマシだ」みたいに考えがちです。
そういう気持ちは熱意の表れでもあるので、とっても良いことです。しかし、時間がないからこそ、いかに効率よく勉強するかが大切になります。
その為にも模試の結果を元に優先順位をつけましょう。
この際に先ほどの◎、△、▲、×といったメモが役立ちます。基本的には△「ケアレスミス」を優先して勉強することになります。その次に▲、×という順番です。
というのも×の「全く分からなかった問題」は、多くの受験生が解けなかった可能性があるからです。そんな難問に取り組むよりも、確実に点数を増やすためにケアレスミス、時間不足で点を取れなかった問題をなくすようにしていく方が有効でしょう。
ただこれはあくまで一般論です。
個別の模試、個人の学力によっては×が致命的な場合があったり、▲に印をつけたけれど本当は時間が原因ではなく、基礎基本の理解が足りないのではないか、というケースもあります。
少しでも心配なら自分なりに「こうかな」という優先順位をつけた上で、高校の先生や予備校の先生に相談しましょう。
いきなり「どう勉強したらいいですか」と聞かれても先生方は答えにくいと思いますが、自分なりに考えたことを伝えた上で質問すれば先生方もより具体的にアドバイスをしてくれるはずです。
時間が経ってから解きなおそう
自分の力量を把握し、課題に優先順位をつけたらその順番に勉強していきましょう。そして、ぜひ1~2ヵ月後に再トライをしてくみてください。
というのも模試や過去問は入試頻出の問題なので、効率的なんです。
その際、時間の節約として◎の問題は、解法や答えが頭に浮かべば「正解」にして飛ばしてしまっても良いです。△、▲、×の問題に集中してリベンジをしましょう。
RPGで最初は倒せなかった敵を成長して倒すような快感を味わえるはず。これがまた次の勉強へのモチベーションにもなると思います。
もし今高校2年生なら、まずは1月に行われたセンター試験で取り組んでみてください。では、また。