りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

りょうさかさんと

教えていないことをバツにして良いのか


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少し前、小学校のテストで学校ではまだ教えていない解法で解答して、バツ(減点)にされているテストがツイッターで話題になりました。

どうしてこういう議論が生まれるのか。またそもそもテストってどういう意味合いなんでしょうか?

子どもにとってのテスト

塾や家庭教師などを利用していて学校では、まだ教えていない知識を持っている児童・生徒もクラスには沢山いると思います。

そういった子ども達が、解答した時にこういう減点問題が起きてしまうわけです。

子どもにとってのテストとは「今の自分の知識・技能」を総動員して解けるか、解けないかを確かめるものです。

そこに小学校で習った、塾で習ったといった区別はありませんよね。

先生にとってのテスト

では、先生にとってのテストとはなんなのでしょうか?

わたしは、通知表を公正に作るためのツールの1つという要素が強いと考えています。

以前も書きましたが、通知表には4つの観点があります。

1.関心・意欲・態度

2.思考・判断表現

3.技能

4.知識・理解

それぞれの観点に対して先生方は出来るだけ客観的な根拠を元に通知表で評価をしています。(厳密には各教科で微妙に表現はかわります)

(参考)学習評価に関する資料‐文部科学省平成28年1月18日

www.ryosaka.com

昔は結構曖昧だったのかもしれませんが、今ではテストに観点別の項目まで記載されています。もちろん管理職の方がチェックするということも当然なされています。

モンスターペアレントさんの登場が理由なのか、時代の要求なのかはわかりません。

ただハッキリしているのは、子ども達に成績をつける際に出来る限り、根拠を集めているという部分です。

関心・意欲・態度みたいな「心の内面」についての評価も学習カード(振り返りカード)、ノート、授業中の態度を複数回チェックすることで、印象だけではなく根拠を持って評価できるように取り組まれているわけです。

このように数ある根拠の中の1つがテストになるわけです。

先生からすると「テスト」は、授業内容をちゃんと理解できているか評価するための根拠なんですよ。

ここで、児童が授業では明らかに教えていない「塾でならった解き方」をした時のことを考えてみてください。

問題は解けている。けれど、教えていない解き方をしている。

授業で教えた内容を理解しているのかどうか、これでは判断できない。

さあ、評価をどうするか? という話なんですよ。

あなたならどうしますか?

答えが合っているんだからマルだろ! 子どもが勉強を嫌いになったらどうするんだ!

みたいな批判がくるかもしれません。

答えが合ったのは、まぐれで本当は理解していなんじゃないの? その根拠を示せ! 

根拠もなく成績を付けるなんて公正じゃない! えこひいきしてるだろ!

みたいな批判がくるかもしれません。

これが先生方のお立場。どちらをとっても強烈な保護者がいたら叩かれそう。そして、冒頭にもあるように先生方は、公正であること・根拠を大事にすることを重視してバツにしたり、一部減点のような方法を用いているわけなんですね。

さて、ここからは私個人の考え。

バツにすべきか、マルにすべきかは、ケースバイケースだと思います。

テストの内容・題材によって「これはマルでもいいんじゃない?」「申し訳ないけど断腸の思いで減点するか」みたいな判断をせざるを得ないんじゃないかなーと思っています。

曖昧だけど、現実問題はそんな感じがします。そして、ツィッターなんかで画像がアップされて炎上するケースってこのケースバイケースの微妙な案件だからなんじゃないでしょうかね。では、また。