今回は最近読んだ書籍「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」についてです。あの幻冬舎の編集者箕輪さんが手がけたことでも有名ですよね。遅まきながら読了したのでこれを読んで考えたことについて書いてみたいと思います。
本書の構成
まずは、おおまかな構成の紹介です。
第1章 お金の正体
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
第3章 価値主義とは何か?
第4章「お金」から解放される生き方
第5章 加速する人類の進化
まずお金とは何か。昔は国家が発行しない通貨が当たり前で「国家が発行する通貨なんて危ない!」という時代があったことも述べられます。こういう知識はわたしにはなかったので目からうろこでした。そういう経過を踏まえると仮想通貨への違和感の正体もやや掴めることができたように感じます。
また多くの方が自覚的・無自覚的に感じている資本主義の欠点・不満が「価値主義」というものに繋がっていることを解説してくれます。
基本的にはとても「お金」のことを教えてくれるので是非、本書を読んで中身を確認してもらうべき書籍だと思います。
人は当たり前のことに気付くのは難しい
わたしがこの本を読んで感じたのは、当たり前のことに気付くことの難しさです。もちろんこの「難しさ」すら当たり前のことではあるのですが、日常ではどうしてもスルーしがちなことだと思います。
そういったことをほぼ毎日、目にし、使用する「お金」から感じることができます。
お金を使用できる有効期限を設ける「スタンプ紙幣」なんて考えがある自体知らなかったし、「お金に期限を設けてみては?」なんて発想以前に、「お金ってずっと使えるもんでしょ」と決めつけて疑問に思うことすらありませんでした。
この「お金」への「疑問にすら思わない」という感覚はきっと他の物事に対しても同じはず。
自分の周りにある当たり前のものに対して同じように自然にあると思うんです。
どうして学校に行くのか?
どうして高校へ行くのか?
どうして部活動をするのか?
どうして出来るだけ偏差値の高い学校に行こうとするのか?
当たり前のように感じてしまいますが、本当は深く考えなければならないんです。出来るだけ自分で選択した人生を送りたいのなら。
そして、この当たり前は「時代によって」も変化していきます。
生まれた時から「スマホ」や「仮想通貨」が当たり前の世代とそれ以前の世代では「当たり前」が違います。
わたしの「当たり前」が、自分の子どもにとって「当たり前」なのか。
そして、その「当たり前」が本当に子どものためになるのか。もちろん子どもの考えた「答え」を無条件に親は認めるべきだという意味ではありません。ただ、自分の経験値、自分の当たり前を元に子どもを否定できるだけの根拠があるかというと違うように思うのです。
親は「断言できない」という「もどかしさ」と自分と当たり前が違う世代への「謙虚さ」が必要なように考えます。
高校生くらいで読んでおこう
わたしはこの本は中学生~高校生、遅くとも大学生の時には読んでおいた方が良い本だと思います。
それは、成人年齢の引き下げによって生じる契約の自由、そして、それに伴う金銭へのリテラシーという意味ではありません。
いわゆる金融的な指導(借金、クレジットカード、ローン、保険)などの教育は必要です。ただこの本から学ぶことのできる「世代によって当たり前は違う」という事実は、頭の片隅で良いからインプットしておいてあげたい情報です。
情報は、人を救ってくれます。
例えば、子どもにとって親に反対されるのは嫌なことです。少なくとも自分はそうでした。どうして親はわかってくれないのか。子どもから見れば親の考えは古く感じるし、どうしてそれを自信満々に振りかざせるのか理解できませんでした。
こういったケースで親にとっても子どもにとっても一番悲しいのは、子どもが「親は自分をコントロールしようとしているんだ」と誤解が生まれることです。
残念ながら、そういう親もいると思いますが多くの親は親身に子どものことを思って反対することの方が多いはずです。
そういう時に親も子どももお互いが共有する「当たり前」が違うことを情報として知っていれば、少しでも受け取り方が変わるのではないでしょうか。
まとめ
あなたの当たり前とわたしの当たり前は違うし、世代によってはもっと違う。
あくまでわたしはこの本を読んで、こんなことを感じたよ、という内容でした。「お金2.0」にとっては副産物のような要素。ちゃんと過去から現在、未来のお金について多くの情報や考え方を学ぶことが出来ますからご安心を。じゃあ、また。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
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