りょうさかさんと

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【令和5年】全国学力テストはCBTで英語のスピーキング実施!


どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。

今回は令和6年(2024年)から全国学力・学習状況調査のCBT導入についての続報についてです。

令和5年全国学テの英語スピーキングはCBTで実施も予定されています。

2024年度以降、全国学力テストがCBT

全国学力・学習状況調査のCBT導入については以前も記事にしています。

「CBT」とは、コンピューター上のテストのことです。

  • 令和6年(2024年)から「児童生徒質問紙調査」をCBTに。
  • 令和7年(2025年)の中学校の教科調査でも導入。

詳しくは上記記事をご覧ください。

CBT化のメリット・デメリット

さて、今回はCBT化の試行・検証の内容についてです。

「令和3年度学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究<全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた試行・検証>実証報告(令和4年4月27日 株式会社内田洋行)」という資料で、学テのCBTについて「ネットワーク・システム」「実施体制」「問題」「端末操作・文字入力」などについて実施・検証がおこなれています。

対象は、小学校・中学校の生徒 合計10,734人。

以下の4パターンで「問題」の検証が行われています。

A:紙形式の問題をPDF 形式の画像データとしたCBT問題
B:問題文をテキストにて入力して作成したCBT問題
C:動画やアニメーション、図形の操作などのCBTならではの特性を活かしたCBT問題
D:紙の問題

協力された教員の意見としては「事前の準備が必要(デメリット)」があるものの「結果がすぐわかる」「問題冊子・解答用紙の手間が省ける」というメリットが挙げられていました。

「事前の準備」は、何度も経験すれば「改善」「慣れ」があるでしょうから、教員目線に立てば長期的なメリットの方が大きいとわたしは考えます。

動画を用いた問題形式

また動画を用いた問題形式も実施・検証が行われています。

(引用)「令和3年度学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究<全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた試行・検証>実証報告(令和4年4月27日 株式会社内田洋行)」

この場面では、平行四辺形の「三角定規をつかった書き方」をもとに比較しています。

正答率は、図だと63.4%、動画だと71.1%。

確かに動画の方が「算数の内容の何を問われているか」がわかりやすくなりますね。

この動画を用いた出題は、少し考えただけでも「理科の実験」「英語のシチュエーション」などで出題しやすそうです。

いずれ、こういう動画を絡めた出題も当たり前になるかもしれませんね。

令和5年中学校英語「話すこと」の調査

令和元年(2019年)の全国学力・学習状況調査では中学校で英語の調査を実施しています。

その時には「話すこと」(スピーキング)においても実施されました。

次回、英語の調査が行われる令和5年(2023年)からは一人一台端末を用いたCBTオンライン方式での実施案が提示されています。

(引用)令和5年度全国学力・学習状況調査中学校英語「話すこと」調査の実施方式について(案)(文部科学省 令和4年4月27日)

端末が扱う「データの大きさ」もさることながら、一番は操作方法を含めた実施環境の整備が課題となりそうです。

スピーキング対策をするべき?

話は変わりますが、東京都では令和4年度(2022年)から都内公立中学校第3学年生徒を対象に「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」が実施されます。

(参考)中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)|Tokyo Portal for International Education(国際教育・東京ポータル)

この中学校のスピーキングテストでは、都立高校入試に最大20点の影響があります。

約8万人が受験し、結果が都立高校の入試に活用される。0~20点で、4点刻みの6段階で評価され、調査書に記載される。タブレット端末に録音を吹き込む形式で実施し、運営はベネッセコーポレーションが担う。

(引用)都立高入試スピーキング不受験者 英語筆記同点数者の平均点を加点へ [東京インサイド]:朝日新聞デジタル

大学入学共通テストでは、英語民間試験の導入は断念し、スピーキングテストもなくなりました。

そんな中、スピーキングテストが全国学力テストや都立高校入試に利用されるのはなんだか不思議な感じもしますが、文部科学省や地方の教育委員会がスピーキングに課題があると一致して考えていることは理解しておきましょう。

学校や自治体によっては全国学力テストの数字や順位を気にするところもあるでしょうから、校長や教育委員会から先生たちへの「スピーキング対策への圧力」が出てくるかもしれません。

ただ東京都在住以外の保護者・生徒の立場になれば、入試にも影響しない"全国学力テストのため"に「ご家庭」でスピーキング対策をするのはナンセンスだと思います。

現時点では、全国学力テストのスピーキングテストを前向きに捉え、「スピーキングも大事な時代になったんだなー」くらいの認識で良いと思いますよ。

逆に東京都在住の保護者・生徒の方は、「高校入試の準備」が増えたという感覚で捉えてくださいね。

それでは、また。