どうも、教育関係の企業に勤めている「りょうさかさん」です。
令和3年度の文部科学省補正予算案が11月26日に公開されました。
その額なんと合計 1 兆 5,487 億円!!
資料はPDFで107枚もあり、お仕事に関係する人以外、全く読む気のおきない分量になっています。
とはいえ、お金の使い道も教育の方向性も大事なもの。
補正予算案を見て、学校教育に関わることの中からわたしが特に印象的だと思った4つについて紹介したいと思います。
GIGAスクール構想の促進
今回の補正予算案では、当然のようにGIGAスクール構想について言及されています。
GIGAスクール構想についてはこちら⇒
さて、GIGAスクール構想の推進について以下の資料で示されています。
「学校への運用支援」「教室環境の改善」「デジタル教科書の活用」があげられています。
- 学校の運用支援や先生のサポート
- 教師への1人1台端末や教室のカメラ、マイク、大型提示装置などの設置
- 先生用デジタル教科書を全ての小中学校で活用可能にする
まあ、これだけ見ると「そりゃ必要だよね」という内容ですが、子どもに1人1台端末があるのに先生にないこと自体が驚きの内容です。
学習者用デジタル教科書の推進
2つ目に気になったのは「学習者用デジタル教科書の活用事業」です。
以下の3教科に学習者用デジタル教科書を導入する案です。
- 外国語(小学校英語・中学校英語)
- 算数・数学、理科のいずれか1教科
- 音楽・図画工作・美術、技術、家庭、体育・保健体育のいずれか1教科
対象は、国・公・私立の小学校5・6年、中学校全学年となっています。
デジタルに否定的な保護者・教師の方もいるでしょうが、小学校の高学年からデジタルはマスト、中学校の英・数・理・技能教科もマストな状況になるかもしれません。
デジタル教科書のプラットフォームの整備
3つ目はデジタル教科書の配信基盤の整備というものです。
この中で特徴的なのは「文部科学省としてデジタル教科書の要件定義を示し」の部分です。
「要件定義」とは、システムの枠組みや範囲、システムに要求される機能や性能などを決定することを言います。
今回の場合、文部科学省がデジタル教科書として必要な機能や性能を決めるよ! ということなんですね。
「利用料や購入方法も変更する」「各発行者にコンテンツを充実してもらう」といった文言も並んでいます。
一保護者としては、どんな教科書を使っても一定のスペックを満たして、値段は上げず、コンテンツは今より充実する可能性があるわけですから嬉しいですね。
公教育データ・プラットフォームの構築
「公教育データ・プラットフォームの構築」とは、エビデンスベースで教育施策を行うためにデータ基盤を作成するということです。
上の資料の前に「全国学力・学習状況調査のCBT化対応(200万人規模)」のスライドがあります。(CBT化とはテストをコンピュータ上で行うことです)
これまで全国学力テストなどのデータを自治体や研究者たちが研究などに活用することが難しいという課題がありました。
厳しい言い方をすればエビデンスベースではなく、その時代の「教育観」で政策が決定されてきた過去があるわけです。
この「公教育データ・プラットフォームの構築」が実現すれば、集まったデータを活用してエビデンスベースの教育施策ができるようなるわけです。
ついに日本の教育が変わるかもしれない。
この施策がスポイルされないことを祈っています。
エビデンスベースの教育施策が足りていない点について詳しい指摘は下記書籍をご参照ください。
令和3年度文部科学省の補正予算案の注目点4つのまとめ
以上、令和3年度文部科学省の補正予算案の注目点4つについて見てきました。
わたしの娘(5歳)も2年後には小学生。
ついつい教科書など学校にまつわるものが多くなってしまいました。
今回紹介したもの以外にも研究関係、幼稚園関係、スポーツ関係、防災関係…などなど多岐にわたって補正予算案が出されています。
ぜひ、あなたの興味のある分野を見てみてはいかがでしょうか。
それでは、また。