りょうさかさんと

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【書評】皆と同じでは存在感は示せない!「異端のすすめ」は新社会人にオススメの本


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どうも、りょうさかさんです。

今回は、弁護士で元大阪府知事・タレントの橋下徹さんの「異端のすすめ 強みを武器にする生き方」についてご紹介です。

橋下さんの本は何冊か読みましたが、今回の「異端のすすめ」は特に新社会人にオススメできる本です。 

というのも「働き方」について書かれている本だからです。

本書「異端のすすめ」の内容

本書の著者である橋下徹さんは、弁護士、大阪府知事、大阪市長を経て、大阪都構想の住民投票を境に政界を引退し現在再び弁護士をされています。

橋下さんの弁護士時代、テレビ出演、府知事・市長時代に働き方を振り返りながら、働き方・生き方について考える本になっています。

本書は、仕事を通じて人生を切り開きたいと考えている方向けの内容です。

また仕事や人生に対して「今のままでいいのかな」と悩んでいる方も参考になります。

一方で、仕事は収入の手段と割り切って「ほどほどでいいや」という人生観の方には全くオススメしません。 

なぜ新社会人にオススメなのか

なぜ「異端のすすめ」が新社会人にオススメなのかという本書の視点が多角的だからです。

仕事について多角的に書かれている書籍は他にもありますが、それは通常「新入社員・中堅・管理職」という縦の視点が中心です。

前述のように本書では橋下さん自身の弁護士時代、テレビ出演、府知事・市長時代の経験をもとに書かれています。

つまり「新入社員・中堅・管理職」という縦の視点に加えて「フリーランスの視点」(弁護士になって1年で独立した時代)「民間と行政の視点」(府知事・市長時代)という横の視点が加わっているわけです。

この多角的な視点から語られる働き方は、これからの入社する新社会人には大きなヒントになります。

また明日からすぐに取り組める「仕事のポイントや考え方」についても学ぶことができますよ!

「異端のすすめ」の印象に残った5つのポイント

上記のように「異端のすすめ」では「働き方」について多角的に語られます。

わたしが特に印象に残ったポイントをもとに見ていきたいと思います。

1万レベルで相手の認識はようやく5

例えば、これは新人時代やフリーランスの視点の話です。

ビジネスで生きていくためには自分を知ってもらい売り込むための「ウリ」が必要ですよね。

そのレベルについて橋下さんはこのように語ります。

周囲が「1」程度のレベルで済ませることを、自分は「1万」ものレベルくらいやって、ようやく周囲に自分のウリは「5」くらいのレベルだと通じる。

(引用)異端のすすめp.54より

わたし自身の経験を振り返っても社内からは「お前は丁寧すぎる」「顧客の立場を考えすぎ」と言われます。

しかし、わたしからすると、それくらいやってようやく顧客の口から「他の営業マンよりも丁寧。安心できる」と 言っていただけるレベルなんですよね。

余談ですが、社内のベテランから良い意味で「○○すぎる」と指摘されたことは突き詰めることをオススメします。

というのも「社内のベテラン」ですらしていないことは同業他社もそこまでしていないことが多いからです。

どうしても社内の身近な人と比較してしまいがちですが、本来比べるべきは同業他社であり、比較検討しているのは顧客なんですよね。

ウリは永続的なものではない

一度身に着けた「ウリ」は恋しいもの。

しかし、それは時代によっても移り変わります。

ここで注意しておきたいのは、自分のウリは常に移り変わるということです。一度ウリになったことが、永続的にウリになるということはありません。

(引用)異端のすすめp.80より

過去の栄光にしがみつくよりも、今何ができるのか。

それを常に意識しつづけることを橋下さんは指摘しています。 

「スピード」は顧客だけでなく、上司の進捗管理の負担も減らす

スーパー編集者「箕輪厚介」さんの著者「死ぬこと以外かすり傷」でも「スピードスピードスピード」と語られます。

スピードが速いということは時間当たりの行動量が増え、さらに複数の仕事をこなすことができます。

また顧客に目を向けるとスピードが速いおかげで、顧客の待ち時間も減り、仕事の効率が高まります。

スピードが速いことはそれだけで価値のあることです。

橋下さんの場合、そこに上司としての視点が入ります。

先送りの理由がなければ、その場ですぐにやる。しかし、その場でできないものや、優先順位として後回しにすべきものは、先送りする。この判断を迅速・的確にできる者が「仕事のできる人」と評価されます。

(引用)異端のすすめp.105-106より

スピードが速いことは顧客だけではなく上司へも安心感を与えます。

それは上司の仕事の一つである「進捗管理」を減らすからです。

明日からすぐに取り組める姿勢ですよね。

自分の身体は元本

よく「身体が資本」というような言い方をしますが、橋下さんは「元本」だと表現します。 

そこで持つべきは、自分の身体は「元本」(元手となるお金)である、という視点です。

 (引用)異端のすすめp.112 より

この引用文の次には「仮にあなたの年収が400万円だとして、利子が1%だと考えると「あなたの身体の価値」は利子収入の100倍、4億円の元本に匹敵する」という主旨の言葉が続きます。

年収600万なら6億円、年収1000万なら10億円。

元本である「あなたの身体」がそれだけの価値があると意識するとメンテナンスもせずにほったらかしにしておくなんて考えられないですよね。

お金持ちがファーストクラスに乗るのはお金が余っているからではなく、身体を丁寧に扱ってるということもわかってきます。

集団内の権力を利用する

会社に入れば「権力者」と呼ばれる人がいます。

それはわかりやすい役職の人もいれば、役職は高くなくても人望や実績など様々な要因が作用して、チーム内へ影響力を持つ人もいます。

橋下さんはそういう「人間関係の力学」を観察しろと述べます。

組織内の微妙な力関係を観察しながら立ち回ることは、組織内において自分の能力をより大きく開花させるための一処世術であって、まったく恥ずべきことではありません。

(引用)異端のすすめp.158より 

わたし自身、こういうものへの嫌悪感がありました。

お互い仕事をするために集まった社会人なのだからそんなものは不健全だ。

正論を堂々と言えなくてどうする?

そんな風に思った時期もあります。

しかし、良くも悪くも会社は、人間関係の塊です。

「正論」が通れば美しく感じるかもしれませんが、時に正論は「バカにバカ」と言っているのと同じケースがあります。

それではいくらあなたが正論だと思っていても、残念ながらまわりは動きません。

あなたの目的は仕事で結果を残すことであり、正論を通して気持ちよくなることではないはずです。

別に「権力者にすりよれ」と言っているわけではありません。

「すりよる」ことだと理解している若い人も身近にいるのですが、役職の高い人もチーム内の権力者もいずれいなくなります。

誰か極端にすりより過ぎるのは、株でいえば一点買いみたいなものでとてもリスキーです。

退職や異動で権力者がいなくなった時に、まわりがあなたを見る目は冷たいものです。

わたしが言いたいのは「すりよる」のではなく「理解して上手に使え」ということです。

「異端のすすめ」のまとめ

  • 新社会人や若手にオススメの働き方本
  • 働き方のポイントが様々な視点から書かれている 

「異端のすすめ」に書かれていることはある種「普遍的」なものもあります。

にも関わらず、どうしてタイトルが「異端」なのか。

それは、わかっていてもわたしを含め多数の人には徹底できないからです。

周りから「異端」だと思われるくらいでちょうどいい。

そういう視点で新生活をスタートしてみてください。

それでは、また。

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