どうも、りょうさかさんです。
今回は「トータル・フィジカル・リスポンス(TPR)」についてです。
以前の記事でもトータル・フィジカル・リスポンスという言葉を使っていますが、しっかり紹介した記事がなかったのでまとめてみました。
トータル・フィジカル・リスポンスとは
「トータル・フィジカル・リスポンス」は、アメリカの心理学者ジェームス・アッシャーによって提唱された指導法です。
「トータル・フィジカル・リスポンス」についてアレン玉井先生の論文から引用させてもらいましょう。
TotalPhysicalResponse(通常TPRと略して呼ばれる)は全身反応教授法と訳されているが,Asher(1966& 1972)によって開発された言語教授法である。その基本的な考え方は外国語学習の初期段階においてはリスニング技能を伸ばすことを中心にしようとするものである。授業の中で教師が命令や指令の形で目標言語を導入するが,学習者は指示がわかればそれを体で反応していくというものである。
「トータル・フィジカル・リスポンス」とは簡単にいうと、教師の指示・命令に対して生徒が身体で反応することを言います。
具体的には…
"Stand up!"と言われて立ち上がり、"Sit down"と言われて座る。
こういった指導法のことを言います。
よく学校の授業の冒頭なんかで用いられていますよね。
この指導法では、日本語による説明がいりません。
赤ちゃんが言語を学ぶ過程を第二言語習得の際にも利用しているんですね。
娘の通うヤマハ英会話教室の授業でも「トータル・フィジカル・リスポンス」を「遊び」として取り入れています。
ですから、「英会話教室と言っても遊んでいるだけじゃん?」と不安になる必要はありませんよ。
「トータル・フィジカル・リスポンス」の特徴と課題
次に「トータル・フィジカル・リスポンス」という指導法の特徴と課題についてです。
(メリット・デメリットという言い方には語弊があるので「特徴」「課題」と表現してます。)
「トータル・フィジカル・リスポンス」の特徴
トータル・フィジカル・リスポンスの特徴は以下の4点だと言われています。
- 年齢問わず効果的だと言われている。
- 日常使われる命令文を通して学習できる。
- 英語を学ぶ際に日本語の説明が不要。
- 行動しながら学ぶので記憶に定着しやすい
「トータル・フィジカル・リスポンス」の課題
「特徴」に対して「課題」は以下の3点が考えられます。
- 「読む・書く」への効果は?
- 命令文主体のため、文法理解は?
- 動作で現すことのできない表現には向いていない
「トータル・フィジカル・リスポンス」は有効なもののそれ単体だけでは成立しないことも理解できますね。
(参考)TPR方式による日本語教育の試み
「トータル・フィジカル・リスポンス」のまとめ
「トータル・フィジカル・リスポンス」のまとめを最後にしておきましょう。
- 命令・指示に動作で反応する指導法。
- 日本語の説明がなくても学習できる。
- ただし、この指導法だけでは不十分。
この「トータル・フィジカル・リスポンス」は多くの英語教材に既に取り入れられており、当たり前のようにわたしたちも経験しています。
「ディズニー英語システム」(DWE)でも出てきますし、NHKの「えいごであそぼ」でもあります。
テレビを見ているだけでは勿体ないですから、子どもと一緒にテレビの真似をしてみてくださいね。
それでは、また。