りょうさかさんと

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2024年度以降、全国学力テストがオンライン化!


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どうも、りょうさかさんです。

令和6年度(2024年)から全国学力・学習状況調査がオンライン化するという最終方針が文部科学省から出されました。

2024年度以降、全国学力テストがオンライン化!

2021年7月16日、文部科学省の「全国的な学力調査に関する専門家会議 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ」より「全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ」が公表されました。

CBTとは、「Computer-based Testing」の略で、PCを用いてテストを行うことです。

簡単に言えば、テストのオンライン化ですね。

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(引用)全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ(令和3年7月16日 全国的な学力調査に関する専門家会議 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ):文部科学省

「最終まとめ」を4点にまとめると…

  1. 令和3年度(2021年度)以降より、試行・検証を行う。
  2. 令和6年度(2024年度)より、全国学力・学力状況調査に順次CBTを導入する。
  3. 令和6年度を目途に「児童生徒質問紙調査」をオンライン化
  4. 令和7年度(2025年度)以降できるだけ速やかに「教科調査」を中学校から先行導入

つまり「児童生徒質問紙調査」は2024年から、「全国学力テスト」は2025年の中学校からオンライン化するという流れです。

「児童生徒質問紙調査」とは、子どもたちの生活などの調査するためのアンケートです。

「朝食を毎日食べていますか」から始まり、起床習慣や読書習慣、学ぶ姿勢、教科の好き嫌いを調査するような内容になっています。

これを先行してオンライン化するんですね。

また日程も全国一斉ではなくなる可能性があります。

こうした技術・運営上の理由や、学校における実施日程の柔軟性の確保といったことなどを踏まえ、悉皆調査については、全国同日一斉に実施するという調査設計を見直し、一定期間内(複数日に分散)で実施することが適当である。

(引用)全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ(令和3年7月16日 全国的な学力調査に関する専門家会議 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ):文部科学省

同一日だと一斉アクセスによってサーバーの負担が大きいなどが理由のようです。

対象の子どもは?

令和7年度(2025年度)に中学3年生になる生徒が対象になるので…

  • 2011年生まれ以降
  • 2021年時点、10歳(小学5年生)以下

となります。

出題形式の変更の可能性

現在、小学生であればGIGAスクール構想の基、一人一台端末を持っています。

中学3年生まで4年間もあることを考えれば、操作面での混乱はそれほど大きくならないと考えられますね。

ちなみに最終案の出題方法としては以下のような文章があります。

(出題方法)
○ TIMSS2019 において試行的にCBT で調査を実施した際、生徒からは、イラストや動画・アニメーションなどがあると紙形式の調査よりも楽しみながら問題に取り組めるとの声があった。CBT の特性を活かして、児童生徒の意欲をより引き出せるような出題や、映像や音声を活用してより実際の学習場面に即した出題も可能となる。国立教育政策研究所において、測りたい学力をより的確に問うことができるよう、CBT ならではの出題方法として、どのような工夫ができるかさらに調査研究を進めていくことが必要である。(中略)

○ 国語の調査問題は、現在縦書きで作成されているが、例えばインターネットからの情報等は、教科書でも横書きで記載されており、問題の種類によっては、横書きで示すことも考えられる。また、複数の文章から情報を得たり考えを形成したりする能力をみるなど、現状の課題に対応した問題が、CBT でどの程度作成可能かといった検討も、試行を通じて検証することが必要である。(太字引用者による)

(引用)全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ(令和3年7月16日 全国的な学力調査に関する専門家会議 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ):文部科学省

「映像や音声の出題」、国語での「横書き」など新たな形式で出題される可能性が示唆されています。

気になるのがタイピングです。

というのもCBT化されても記述式問題は引き継ぎ出題する方針が書かれているからです。

(記述式)
○ 専門家会議において、悉皆調査は教育指導への活用を目的としていることから、学習指導要領の理念・目標・内容等に基づき、教育指導上特に重視される点や身に付けるべき力を具体的に示すメッセージとなる問題を出題することが求められていること、また、この点は地方自治体からも強く期待されていることが指摘されており、CBT 化にあたっても、記述式問題を引き続き出題することが求められる。(太字引用者による)

(引用)全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ 最終まとめ(令和3年7月16日 全国的な学力調査に関する専門家会議 全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ):文部科学省

中学校に入ると学ぶ内容も増えますし、部活なども本格化しますよね。

そういったことを考えると遅くとも小学校卒業までには、ある程度のタイピングができるようになっておきたいですね。 

オンライン化へ対応する流れ

さて、ここで思い出したいのが、大学入学共通テストのCBT化が見送られた件です。 

詳しくはこちらの記事をどうぞ⇒

この記事でも紹介していますが、大学共通テストのCBT化はなかなか実現が難しそうな壁がいくつもあります。

ただ私大の入試がCBT化されても不思議ではないと思います。

保護者の中には、学力テストのCBT化を否定的に考える方もいるでしょう。

今後はこういったCBTの試験スタイルがさらに広がる可能性を踏まえて「慣れる機会が増えた」くらいに捉えておく方が、今の子ども達には良いように思います。

それでは、また。