りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

りょうさかさんと

2022年度から小学校高学年の4教科が教科担任制へ


f:id:ryosaka:20210727071207j:plain

どうも、りょうさかさんです。

2021年7月21日、小学校高学年で導入予定の「教科担任制」が4教科「英語」「算数」「理科」「体育」とする方針が報道されました。

2022年度から小学校高学年で導入を予定している「教科担任制」について、文部科学省は21日、「英語」「算数」「理科」に加え、「体育」も対象教科とする方針を明らかにした。同年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む方向で検討する。

教科担任制は、教科ごとに決まった教員が教える制度。小学校ではクラス担任がほぼ全ての教科を教える「学級担任制」をとっているが、22年度から5、6年生の一部の授業を対象に本格導入が計画されている。

(引用)小学校「体育」も教科担任制、英数理に加え 文科省方針: 日本経済新聞

今回はこの「教科担任制」についてです。

学級担任が指導する教科は?

「教科担任制」とは簡単に言えば、中学校・高校のように「専科の先生」がその教科だけを教えることです。

「教科担任制」の「狙い」や「メリット」については以前の記事で書いてきました。

簡単に言えば、専門性の高い先生が教えてくれるので「英語」「プログラミング」「統計」といった今日的な課題に対応できる、ということです。

今回、それに「体育」も加わったという形になります。

では、逆に学級担任の先生が指導する教科とはどれでしょうか?

そこで参考になるのが、平成30年度の教科担任の実施状況です。

f:id:ryosaka:20210726061949j:plain

この表の6年生を見ると以下の4教科の教科担任制の割合が20%を超えています。

  • 書写(26.8%)
  • 音楽(55.6%)
  • 図画工作(21.0%)
  • 家庭(35.7%)

となると最も教科担任制が進んでいる学校の場合、学級担任の先生が教えるのは2教科(国語・社会)になりますね。

ただこれは、とても恵まれたケースでしょうから現実的には良くても「国語、書写、社会、図工」の4教科は指導することになりそうです。

これで少しでも先生方の「働き方改革」に繋がり、負担が減ると良いのですが…。

ただし、しばらくは大変かも

教科担任制は良いことばかりのように感じますが、そうではありません。

というのも「教科担任制を始める!!」と文科省が決めただけでその教科の専門の先生がポン!と現れるわけではないからです。

おそらく多くの学校では、管理職が職員室を見回して「英語が好きな先生を英語専科に」という具合に、その教科を好きな先生・得意な先生を専科教員として教科担任をお願いすることになると予想できます。

ただ全国の小学校一校一校にそれぞれの教科を得意とする先生がいるとは限りませんよね。

となると、次に5・6年生の担任になる先生方以外の中から選んでお願いすることになる可能性が高いわけです。

本当はそういった先生方に夏休み中に内々で「来年、教科担任をお願いする予定だから夏休み中に準備・勉強しておいてね」と伝えておくのが良いと思うのですが中々難しいと思います。

というのも、あくまでこの「教科担任制」は方針であって決定ではないですし、4月には先生の異動もあるからです。

おそらく新学期のスタートする4月早々に「教科担任」を告げられるケースが多いのではないでしょうか?

そんな風なことを考えました。

子どもにとっては触れ合う先生の人数も増えるし、その教科の専門・得意な先生から教えてもらえるので大きなメリットですね。

特に教科化されたばかりの「英語」は、保護者の方にとって安心材料の一つになると思います。

今後、追加の報道があればまた記事で取り上げる予定です。

それでは、また。