りょうさかさんと

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1日何冊? 絵本の「読み聞かせ」と「スクリーンタイム」


どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。

文部科学省の「令和4年度子供の読書活動の推進に関する有識者会議」の資料を見ていたら、面白かったのでご紹介です。

絵本の読み聞かせ大事って聞いたことはあるけれど、テレビを見せていないと家事の一つも終わらないし

そんなご家庭の参考になれば幸いです。

デジタルメディア時代の絵本と本の役割

あなたは「令和4年度子供の読書活動の推進に関する有識者会議」という名前を見て、どんな内容だと思いましたか?

わたしは、デジタルけしからん! 紙の本を読めい! という古臭い、もっといえば「説教くさい会議かな?」と思っていました。

しかし、資料を読んでみると委員によってスタンスは違うものの「デジタル全否定」という内容ではなく、「紙とデジタル」それぞれの良さを理解した上で子どもの年齢や環境に対応してバランスよく使いましょう、という感じになっています。

その中でも特に面白かったのが佐藤賢輔先生(東京大学大学院教育学研究科)の「デジタルメディア時代における⼦どもと絵本・本の関わりについて」という資料です。

読書の効果、スクリーンタイムの負の効果

佐藤先生の資料では出版社のポプラ社さんと共同研究した内容をもとに語られます。

その中でまず登場するのは「読書の効果とスクリーンタイムの負の効果」です。

(引用)「デジタルメディア時代における 子どもと絵本・本との関わりについて」(佐藤 賢輔)

「スクリーン視聴」とは主にテレビやスマホなどの画面を見ることを指します。

「スクリーン視聴」はリテラシー(かな/カナの読み)に負の影響を与え、読書はリテラシー・非認知能力の双方に良い影響を与える可能性がある、という内容です。

「非認知能力」についてはこちらをどうぞ⇒

この後のスライドでは、スクリーンタイムが紹介されています。

(引用)「デジタルメディア時代における 子どもと絵本・本との関わりについて」(佐藤 賢輔)

  • 平日 平均121.0分
  • 休日 平均173.5分

テレビやスクリーンタイム自体が悪いのか、それらの時間のせいで相対的に「読書」や「遊び」の時間が減ってしまうことが悪いのかはわかりませんが、リテラシーに負の影響の可能性があることは知っておきたいですね。

読書の時間は、絵本2・3冊分程度

では、幼稚園年少~年長の子どもの家庭での読書時間はどれくらいでしょうか?

(引用)「デジタルメディア時代における 子どもと絵本・本との関わりについて」(佐藤 賢輔)

  • 平日 平均12.7分
  • 休日 平均15.2分

以下の記事で書いたのですが「ぐりとぐら」を「読み聞かせ」するのにわたしは5分くらいかかりました。

そこから考えると平均的な家庭では、1日に絵本を2~3冊読み聞かせすると考えられます。

2006~2008年の絵本の読み聞かせ時間は平均25-28分だと書かれています。

iPhone登場が2007年なので、「スマホの普及」が読み聞かせ時間変化の要因の一つかもしれませんね。

改めて読み聞かせを意識しよう

子どもの成長に伴って、ついついテレビを一緒に見る時間が増えてしまいがちですよね。

我が家だと幼稚園に行く前・帰ってからの「NHK教育テレビ」と晩御飯の時間に「動物もの」を見ることが多いので、合計するとおそらく毎日180分くらいのスクリーンタイムでしょうか。

とはいえ、テレビなどのスクリーンタイムをゼロにするのも極端すぎると思います。

ただテレビその他の娯楽や活動時間のバランス調整を定期的に意識することは大切だと思うんですよね。

投資でいえば、リバランスの考え方ですね。

わたしは、もう少し意識的に「読み聞かせをしよう」と思います。

あなたの家庭も夏休み中にリバランスしてみてはどうですか?

それでは、また。

「紙絵本とデジタル絵本」の知育効果の違いに興味のある方はこちら⇒

紙とデジタルの「記憶」に興味のある方はこちら⇒

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