りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

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【書評】優秀だと若手を褒めて殺す先輩から逃げるために。「これからの会社員の教科書」はマジで教科書だった


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ツィッターで何かと話題の田端信太郎さんのビジネス書「これからの会社員の教科書」を読みました。

その感想は、

コレ、マジで教科書だよ!

大学生、新社会人の方には特にオススメの書籍です。

「これからの会社員の教科書」の内容

著者の田端信太郎さんは、NTTデータ、リクルート、livedoor、LINE、ZOZOと渡り歩いてこられた方。

そんな一流のサラリーマンが語る「これからの会社員の教科書」の内容はとっても真っ当で腑に落ちることばかりでした。

特に共感する箇所の目次タイトルを一部抜粋すると…

  • イケてる残業とダサい残業
  • 仕事を振られたときに確認すべきこと
  • ファクトとオピニオンは区別せよ
  • ビジネスで主語は絶対に抜くな
  • 上司への質問は「クローズドクエスチョン」で
  • 1000本ノックをイヤがるプロはいない
  • 新人が会議で期待されていること
  • 嘘をつくと挽回が難しい
  • 新人時代にがんばると20代後半で楽になる
  • 短期的なパフォーマンスより「持久力」

(引用)これからの会社員の教科書-田端信太郎

まあ、これ以外も「うん、うん、そうだよね」と納得し、一方で「頭でわかっているけどわたしは出来ているだろか?」と自問して胸がズキズキ痛くなりましたw

わたしの周りにも「主語を抜いて話す人」「ファクトとオピニオンがごちゃごちゃの人」が結構います。

既に中堅社員以上の方で、もし上の目次タイトルを見て「えっ?」と思ったら、一度出来てるか確認のために読んでみてください。

どうしてこの本が生まれたのか

繰り返しになりますが「これからの会社員の教科書」の内容は、とても真っ当です。

この本の特定の項目について書こうとすると本書の劣化コピーになりそうですし、ネタバレは著者に失礼なのでやめておきます。

わたしがこの「これからの会社員の教科書」を読んで考えたのは、どうしてこの時代にこの書籍が生まれたかという点です。

この「これからの会社員の教科書」で書かれていることとほとんど同じ内容をわたしは入社して最初の上司から叩き込まれました。

たぶんわたしと同じ世代の人は、多かれ少なかれ本書に書かれている内容を入社してから学んだのではないでしょうか。

以下は、あくまでわたしの極めて狭い観測範囲の話ですが、今の若手社員に対して本書で書かれているような内容を教えてくる人はほとんどいません。

(わたしは言いましたが届かないのでやめてしまいました。その理由も後段で)

おそらく多くの会社でも同じような状況だからこそ、この本が生まれたのではないでしょうか。

以下、同じような状況だろうと想定して話をすすめます。

SNSの風潮

わたしと今の若手社員の大きな違いは、働き方観の違い・価値観の違いです。

わたしが入社した頃は「クールビズ」なんて言葉もなければ、「働き方改革」という言葉もありませんでした。

この「働き方観の違い」「価値観の違い」を加速させたのがSNSだと感じています。

SNSに広がる言説の一つに「自分を大切にしよう」「嫌なことを言う人には近づくな」というものがあります。

これ自体はその通りです。

ただその言説を踏まえた上で、本書に書かれているようなこと「働き方観」「価値観」の違う若手に言うとどうでしょうか?

本書の中には当然耳が痛くなるような厳しい言葉もあります。

おそらく若手からは「この先輩とは距離を置こう」と思われるでしょう。

オジサンたちだってSNSをしていて、こういう若手の心理には敏感です。

誰だって他人に嫌われたくありませんよね。

結果どうなるか?

指導すべき立場の先輩社員で褒めながらそれとなく指摘する人は良い方。

多くの人は厳しいことは言わずに「最近の新人は優秀だねー」と褒めることを選びます。

優秀だと若手を褒めて殺す先輩

このように残念ながら会社の先輩の中には、若手を褒めてあげるし最低限のことは言うけれどご指導はしないという人がいます。

でもね、どんな優秀な若手だって最初から全部仕事できるわけじゃありませんよね。

にも関わらず、プライドだけは大きくなり、ミスを出来ないプレッシャーを背負ってしまうケースがあります。

この状態になると最悪です。

プライドが邪魔して質問も相談もしにくいし、ミスが出来ないのでチャレンジも出来ません。

チャレンジの結果、ミスをしても許されるのは若手の特権です。

その特権を封じて優秀な若手を殺し、結果的に平凡な中堅社員に転生させてしまう。

この問題の厄介なところは、若手にそれを認識することが難しい点です。

なぜなら若手にとって、

「自分を褒めてくれる先輩は優しい=味方」

「自分に指導してくる先輩は面倒くさい奴=敵」

という認知になりがちだからです。

褒めてくれる先輩ばかりを慕うことによって優秀な自分の将来を殺すとは、なんと皮肉なことでしょうか。

わたしはどうかというと…本書に書いてあるようなことを言ってしまう方でした。

自分もそうやって育ててもらったという体験があったのが理由の一つです。

しかし、あまりに言葉が届かないので諦めてしまいました。

優しい先輩に殺されないために

さて、「自分がそうかも」と心あたりのある若者はどうすれば良いのでしょうか?

方法は2つあります。

1つ目は「あなたが面倒くさい奴だと感じる先輩、そんな先輩が偉そうに話す言葉を騙されたと思って信じて行動して真偽を確かめてみる」ことです。

ただし、この方法にもデメリットがあります。

その先輩の指導が正しいかどうかわからない点です。(本当にダメなケースもある)

またその先輩にとっては正解でも、あなたにとって正解の手法とは限らないというケースもあります。

2つ目は、「自分で気付く」ことです。

「なんかちょっと行き詰まっているな」「仕事は順調だし楽しいけれど何か不安だ」そう思ったら、一度立ち止まって色々情報収集をしてみてください。

今回取り上げた「これからの会社員の教科書」でも良いし、インターネットで探しても良いし、図書館でビジネス書を何冊か読んでみても良いと思いますよ。

気持ち良い誉め殺しにまどわされるな!

それでは、また。