RYOSAKASANTO

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

【書評】「会話は、とぎれていい」会話とは相手と作り上げるコミュニケーションの一種


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「会話は、とぎれていい」(加藤綾子)

今回の書評は、人気アナウンサーの話題の会話本です。いつもの書評記事とは毛色の違う本書をご紹介です。

本書の内容

カトパンこと加藤綾子さんはフジテレビに入社し、すぐに大抜擢されたアナウンサーです。その順風満帆な滑り出しと裏腹にご本人は能力と他者評価のギャップに苦しむ日々だったようです。

加藤さんがアナウンサーとして経験し、また見聞きした有名人のエピソードを基に「会話」とはどういうものかを伝える書籍になっています。

会話というのは2人以上でするもの

本書の内容に触れる前に…会話本は、大きく2つのパターンに分けられます。

一つは、テクニック面に重きを置くパターンです。「フット・イン・ザ・ドア」「ドア・イン・ザ・フェイス」みたいな有名のものや「自慢話をしない」「オウム返し」という基本的なことに触れるのもこのパターンですね。

もう一つは、内面に焦点を当てるパターンです。小手先のテクニックではなく、相手を思いやる気持ちを大事にしたり、「聞き上手は話し上手」みたいな内容になるのがこのパターン。

本書はというとテクニック・内面のどちらも行き来するような内容になっています。どちらかを強烈に求めていると自覚している人にとっては、物足りない内容かもしれません。

それよりもわたしが本書を読んで良かったと感じたのは、会話とは2人(もしくはそれ以上)でするという、極めて当たり前のことを再確認できたことです。

テクニックも内面も話し手である「わたし(話者)」に焦点が当たります。そこでは話し相手の姿は希薄になります。

話し相手は攻略するものであり、自分を良く魅せる対象になっているにすぎないからです。

でも、会話ってそうじゃないですよね。

会話の成功例を追い求めない

2人が共同で作るものが「会話」です。だから「会話は、とぎれていい」

本書に散りばめられ数々の著名人のエピソード、加藤さん自身が体験されたエピソードは華やかなものばかりではありません。笑いもあれば、失敗も苦悩もあります。

詳しいエピソードはぜひ本書を読んでいただくとして、わたし自身の話を書かせてもらいましょう。

仕事で面談する「とある役員」との会話に悩んでいた時期がありました。全然上手く会話が続かず、笑顔も見せないので嫌われているのではないかと思っていました。

ある日のその会社の部下の方から、教えてもらったことがあります。

「この前、役員から陵坂さんのことが話題に上がりましたよ。陵坂さんは、話しやすいからついつい話しすぎてしまうって。取引先にキビシイ人だからわたしもビックリしました」

実は嫌われていなかったんです。もちろんわたしに配慮され、脚色もされているんでしょう。それ以上にわたしが個人的な発見となったのは、過去の他者との成功例を元に画一的に会話を評価することの愚かさです。

自分の中できっと、他の方とは話が盛り上がったのにこの役員とは同じようにならなかった。きっと自分にミスがあったはずだ。もしくは嫌われているんじゃないか。そう考えてしまっていたんですね。

相手の数だけ、コミュニケーションの形が変わることをわかっていなかったんです。

会話とはコミュニケーションの一種です。笑って大いに盛り上がるコミュニケーションもあれば、静かだけれど深いコミュニケーションもあるはずです。

かえがけのない相手と会話を一緒に作り上げていく。そう気持ちを改めて思い出させてくれた本書でした。それでは、また。