RYOSAKASANTO

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2021年大学入学共通テストの問題傾向(国数社理)をまとめたよ


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前回は英語だけでしたが、今回は全体の傾向国語・数学・社会・理科について大学入学共通テストの問題作成方針を見ていきましょう。

再確認になりますが資料は、2019年6月7日に大学入試センターより発表されたものです。時間配分や問題作成の方針が現時点でまとめられていますよ。

(以下、引用)令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等及び大学入学共通テスト問題作成方針について

これまで報じられていたものを踏襲するものも多いのですが、改めて最新の方針から読み取っていきましょう。

全体の傾向

これまでプレテストで見てきたように「生徒が学ぶ場面や日常生活・社会生活の関連した題材という方針に変更はありません。

 (過去の記事はこちらをどうぞ)

それ以外で全体の傾向としてわたしが着目したのは以下の2点です。

・過年度卒業者、つまり浪人生用の問題は作成しない

なお,⾼等学校学習指導要領に基づく学習範囲の中から出題されるという点については,令和2年度⼤学⼊学者選抜に係る⼤学⼊試センター試験と変更はないことから,過年度卒業者⽤の別問題は作成しない。

これは既報ですが、改めて確認しておきましょう。

令和3年度(2021年度)大学入学共通テストを受験するのは、2020年4月に高校3年生になる生徒が対象、つまり現在、高校2年生の生徒が対象です。

今年、高校3年生の生徒は浪人すると「大学入学共通テスト」を受験するということです。

・教科書に掲載されていない資料も扱う場合がある

なお,⾼等学校における通常の授業を通じて⾝に付けた知識の理解や思考⼒等を新たな場⾯でも発揮できるかを問うため,教科書等で扱われていない資料等も扱う場合がある。

教科書に掲載されていない問題が出題されるという点では国語、数学、英語では当たり前のことです。

特に配慮すべきなのは、物理・化学・生物・地学という理系科目です。これらは最新の発見や情報を元に既習の知識と組み合わせて出題されるケースがあります。

もちろんこういった出題はこれまでもありました。改めて押さえておいてくださいね。

出題形式

出題形式についてもこれまでの記事でご紹介していたことがそのままベースになっています。

・国語と数学で、それぞれ小問3問の記述式問題を導入する。

・記述式問題の採点は民間事業者。

・マーク式問題では、正答となる組み合わせが複数ある問題を出題する場合がある。

<記述式問題>
○ 国語と数学において,それぞれ⼩問3問の記述式問題を導⼊し,解答⽤紙に新たに記述式問題の解答欄を設ける。(中略)

○ 記述式問題の採点は,⺠間事業者に採点作業を委託しながら,⼤学⼊試センターで実施する。  (中略)

<マーク式問題の新たな出題形式>
○ マーク式問題の新たな出題形式として,いわゆる連動型の問題(連続する複数の問いにおいて,前問の答えとその後の問いの答えを組み合せて解答させ,正答となる組合せが複数ある形式)を「第2」に⽰す問題作成のねらい,範囲・内容等を踏まえて,出題する場合がある。

(注・太字は引用者による)

出題科目ごとの問題作成方針

それでは、それぞれの科目についてどういう問題作成方針なのか見ていきましょう。

国語

国語においては小説がなくなり、実用的な文章ばかりになるというような批判もありました。今回の方針を見る限り、結果的にはそうなりません。

・「論理的な⽂章,⽂学的な⽂章,実⽤的な⽂章」「古⽂,漢⽂」を題材にする。

・「異なる種類や分野の⽂章などを組み合わせた,複数の題材による問題を検討する。

近代以降の⽂章(論理的な⽂章,⽂学的な⽂章,実⽤的な⽂章),古典(古⽂,漢⽂)といった題材を対象とし,⾔語活動の過程を重視する。問題の作成に当たっては,⼤問ごとに⼀つの題材で問題を作成するだけでなく,異なる種類や分野の⽂章などを組み合わせた,複数の題材による問題を含めて検討する。

「論理的な⽂章,⽂学的な⽂章,実⽤的な⽂章」「古⽂,漢⽂」を題材にする点についてはハッキリと書かれています。「文学的な文章」の中には「小説」「詩」などが含まれると考えるのが自然です。

それよりも気になるのが「異なる種類や分野の⽂章などを組み合わせた,複数の題材による問題」という文章です。

例えば、「小説の文章」とそれに関する「評論の文章」「小説内容に関連する法律の文章」の両方が掲載されて、相互に読み解いていくというような問題パターンでしょうか。問題と文章によっては、なかなかハードになりそうです。

記述式については、既報の通り「80~120字程度を上限」として設定するようです。

○ 記述式問題は,⼩問3問で構成される⼤問1問を作成する。実⽤的な⽂章を主たる題材とするもの,論理的な⽂章を主たる題材とするもの⼜は両⽅を組み合わせたものとする。⽂章等の内容や構造を把握し,解釈して,考えたことを端的に記述することを求める。⼩問3問の解答する字数については、最も⻑い問題で80〜120字程度を上限として設定することとし、他の⼩問はそれよりも短い字数を上限として設定する。

数学

数学についても問題作成の意図に大きな変更はありません。

・教科書で扱わない定理などを導くような問題や記述式問題が出題を検討する。

また,問題の作成に当たっては,⽇常の事象や,数学のよさを実感できる題材,教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活⽤しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。
○ 記述式問題は,「数学Ⅰ」及び『数学Ⅰ・数学 A』の数学Ⅰの内容に関わる問題において設定することとし,マーク式問題と混在させた形で数式等を記述する⼩問3問を作成する。 

個人的に「教科書で扱われていない定理」を出題することに異論はありません。数学をパターン学習ではなく、本質的に理解していれば解けることが出題側の意図だからです。

ただ高校の先生、予備校の先生にとっては、問題集、参考書でいかに教科書外の内容を教えるかということになりがちなので難しいところですね。

地理歴史

地理歴史についてもこれまでの方針が大きく変更されるような部分はありません。

・地理では、推論する問題、資料を基に検証する問題を検討する。

・歴史では、教科書にない初見の資料から仮説と根拠を示したり考察する問題を検討する。

問題の作成に当たっては,思考の過程に重きを置きながら,地域を様々なスケールから捉える問題や,地理的な諸事象に対して知識を基に推論したり,資料を基に検証したりする問題,系統地理と地誌の両分野を関連付けた問題などを含めて検討する。(中略)

問題の作成に当たっては,事象に関する深い理解に基づいて,例えば,教科書等で扱われていない初⾒の資料であっても,そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連付ける問題,仮説を⽴て,資料に基づいて根拠を⽰したり,検証したりする問題や,歴史の展開を考察したり,時代や地域を超えて特定のテーマについて考察したりする問題などを含めて検討する。

理科

理科(物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎)についても従来に発表された方針を踏襲した形です。

・身近な課題について科学的に探求する問題や解答の課程で数学的な手法を用いる問題を検討する。

問題の作成に当たっては,⾝近な課題等について科学的に探究する問題や,得られたデータを整理する過程などにおいて数学的な⼿法を⽤いる問題などを含めて検討する。

問題の作成に当たっては,受験者にとって既知ではないものも含めた資料等に⽰された事物・現象を分析的・総合的に考察する⼒を問う問題や,観察・実験・調査の結果などを数学的な⼿法を活⽤して分析し解釈する⼒を問う問題などとともに,科学的な事物・現象に係る基本的な概念や原理・法則などの理解を問う問題を含めて検討する。

地理歴史、理科においては「教科書に掲載されていない内容」を「探求」していく課程で必要(前提)となる知識を問う問題が出題されるということです。プレテストでも同様の問題がありました。

このような出題形式の場合、2側面からアプローチが必要になります。それは「総合的な探求の時間」で「探求活動」の経験をしっかり積むこと。

そして、その分野の根本的な理解をすることです。数学と同じく公式だけ覚えていれば良いというスタイルから変えていかなければ対応は難しいかもしれませんね。

まとめ

・国語、数学で記述式問題が導入される。

・地理歴史、理科では教科書になり探求的な問題が出題される。

全ておいて大事なのは、丸暗記ではなく「どうしてそうなるのか」という理由をしっかり理解することです。これって結局、思考の土台となる国語力がベースになります。

慌てずにまず国語から固めていくのが、文系理系問わず大切です。学生の方は、日々の授業を大事にしてくださいね。それでは、また。