2019年6月7日に大学入試センターより大学入学共通テストの問題作成方針が発表されました。時間配分や問題作成の方針が現時点でまとめられています。
令和3年度(2021年)の試験ですから、対象は2019年時点で高校2年生の生徒からです。
(引用)令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等及び大学入学共通テスト問題作成方針について
英語の4つのポイント
入試センターの報告書でも「英語」の内容が一番多くなっています。ポイントだけ箇条書きに抜き出すと…
・リーディングでは、発⾳,アクセント,語句整序などを単独で問う問題は作成しない。
・リスニングでは、音声をネイティブスピーカーに限定しない。
・リスニングでは、問題の数を増やすために1 回読みを含める。
・リーディングとリスニングの配点は、同じ100点とし200点満点とする。
それでは、ひとつひとつ元となる報告書を見ていきましょう。
まず、これまでの方針通り「発音、アクセント、語句整序」は単独では出題されません。
実際のコミュニケーションにおいて,⽬的や場⾯,状況などに応じて適切に活⽤でき る技能を⾝に付けるようにすることを⽬標としていることを踏まえて,4技能のうち「読むこと」「聞くこと」の中でこれらの知識が活⽤できるかを評価する。したがって,発⾳,アクセント,語句整序などを単独で問う問題は作成しないこととする。
そして、現実社会を反映し、「多様な話者」「音声一回読み」を掲げています。
⾳声については,多様な話者による現代の標準的な英語を使⽤する。
読み上げ回数については,英語の試⾏調査の結果や資格・検定試験におけるリスニング 試験の⼀般的な在り⽅を踏まえ,問題の数の充実を図ることによりテストの信頼性が更に向上することを⽬的として,1 回読みを含める。⼗分な読み上げ時間を確保し,重要な情報は形を変えて複数回⾔及するなど,⾃然なコミュニケーションに近い英語の問題を含めて検討する。全ての問題を 1 回読みにする可能性についても今後検証しつつ,当⾯は1回読みと 2 回読みの両⽅の問題を含む構成で実施することとする。
確かに実際に使うことになれば、ネイティブスピーカー以外と英語で話すことが多いでしょうし、音声も毎回2回以上言ってくるなんてことはありませんよね。
ただ。この書き方では令和3年度から数年は2回読みもあるでしょうが、いずれ全て一回読みになりそうですね。
「リーディング」と「リスニング」の配点が同じ扱いになることについて、具体的な試験時間と配点を見てみましょう。
・リーディング…試験時間80分、配点100点
・リスニング…試験時間60分(うち解答時間30分)、配点100点
(参考) 令和 3 年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等
プレテストのリーディングの回答欄は43、リスニングの回答欄は37です。
単純に計算するとリーディングの一問当たりの配点は2.32点です。リスニングは2.7点です。そんなに違いがないような気がすると思います。
リスニングを一つ間違えると最悪リーディング2問分の損
しかし、実際のプレテストを見てみましょう。
リーディングは一部5点配当の問題がある以外は2点配当がほとんど。一方、リスニングは3点配当は8問、4点配当が13問となっています。
おそらく同じような問題数になるでしょう。つまり一問における配点はリスニングの方が重くなります。
リスニングでの失点は、受験生の間で大きな差になる部分というわけです。
(参考・引用)平成30年度試行問題 英語(筆記[リーディング])、英語(リスニング)
これまでの受験勉強はどうしてもリーディングベースでした。しかし、文部科学省、大学入試センターはそれを変えようとしています。
ゲームのルールが変わりつつあるということです。損をしないように対応していってくださいね。
また追加情報から読み取れることがあれば紹介していきたいと思います。それでは、また。