りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

りょうさかさんと

大学入学共通テストへ英語民間試験の利用中止の請願について思うところ


f:id:ryosaka:20190621052619j:plain

大学入学共通テストにおいて英語民間テスト導入の中止を求める請願が行われ、国会に提出されました。

詳しい経緯はこちらにまとめられています。

大学入学共通テストにおける英語民間試験の利用中止を求める請願がニュースになりました! - 大学入学共通テスト奮闘記

また問題点などについてはこちら

2021年度(2020年度実施)の大学入学共通テストにおける英語民間試験の利用中止を求めます。

英語民間試験を「選抜試験としての大学入試」に利用することの12の問題点(暫定版) - rochejacmonmoの日記

わたしは、「英語民間試験導入」についてこれまでブログでスタンスを明かさず高校生、保護者への現実的な対応について書いてきました。

今回は わたし個人が「英語民間試験導入」についてどう考えているかという点について書きます。興味のない方はこちらでも読んで、笑ってくださいw 

なお、この考えは、わたしのあくまで個人的な考えです。憲法が保障する「表現の自由」に感謝!

民間試験決定の驚き

実は、この民間試験が決まった時にわたしはとても驚きました。

というのも複数の検定試験が認定されたからです。一社だけじゃないんだ、というのが率直な感想でした。

民間検定試験は、それぞれ団体が特色を出して検定を作成しています。そして、当然、問題の傾向にそれが反映されます。一方、高校生は学んだ環境・教材は違えど、指導要領を軸に学習してきています。

多様な検定を認めることにより検定試験毎に向き不向き・有利不利が出てくることは自明だと言えるでしょう。

会場の問題がある

ただ一方で50万人が複数回受けられる体制を文科相独自で作ることは現実的ではないのも理解できます。

文科省独自で4技能試験を別途設けるということは、簡単に言えばセンター試験の回数が増えることと同義だからです。

全国のセンター試験でどれだけの大学が協力し、どれだけの人が動いたのか。4技能試験のためにその人・時間・お金が倍以上費やされることを想像するとゾッとします。

他方、文科省単体でで検定を作成することは民業圧迫の批判が出ることも想定できます。

ただ他にも方法はあったはず

民間試験を導入するにしても他にも方法はあったのではないでしょうか。

例えば、検定試験は一社を選定し、そこと文科省で問題を協同開発する。そして、試験会場や試験監督については選定した一社以外も含めた民間試験会社の委託事業として行うという方法です。

これであれば、試験の基準は一つになりますし、試験監督・会場などの問題は、それぞれの民間試験会社との折衝になります。

もちろん、これは深く考えないで思いついたアイディアなので論理的な穴もあれば、現実的な問題もあります。

4技能を測る方針には賛成

わたしは、英語の4技能を測るという方針には賛成しています。なぜなら英語は技能教科だと言われる側面があるからです。

同じ技能教科の体育を考えてみてください。体育の試験で、技能を問わずに筆記試験だけで評価するというのはナンセンスですよね。実際、現在小・中・高で行われている体育では実技評価もしています。

英語においても学校の先生は生徒の実技能力を把握しています。ただし、それを入試に利用するのが適切なのかは議論の余地があるでしょう。なぜなら一人の教員の評価はあくまで個人の主観に過ぎないからです。

世の中にはイジメを見逃す先生、えこひいきをする先生、嫌いな生徒の評定を低くつける先生が存在します。また入試結果が管理職、担当教員の評価に響くとなれば、甘い評価をする高校・先生が出ないとも限りません。

そういう懸念を考慮して技能を測るのであれば、既に行っている民間団体を活用しようという考えも一定理解できます。ただ運用案が雑だということが問題だったわけです。

まとめ

英語民間試験へのスタンスをまとめると、英語の実技を測ろうとする方向性には賛成しています。一方でやり方、運用方法が雑だと考えています。

あまり考えはまとまりませんが、今の考えはこんなところです。今後どうなるのか報道を注視しましょう。それでは、また。