りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

りょうさかさんと

eスポーツの部活に反対する3つの理由


f:id:ryosaka:20190314052103j:plain

どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。

eスポーツを部活動として認めるべきか否か。

茨城県の公立高校では教員から反発があったようです。

(参考)公立高校で「eスポーツ」の部活採用を検討 秋の国民体育大会で都道府県対抗戦が開催|ニフティニュース

そこで今回はゲーム大好きのりょうさかさんが、どうしてeスポーツの部活に反対するか書いていきましょう。

eスポーツの部活に反対の先生はぜひ職員会議でご活用ください。

反対する3つの理由

まず反対派の先生の意見を新聞から引用して紹介しましょう。

「学校教育でゲームをすることに抵抗がある。大反対だ」と強調。公費でのゲームソフト購入などに強い抵抗感を持つ教員が複数いるという。

(引用)公立高校で「eスポーツ」の部活採用を検討 秋の国民体育大会で都道府県対抗戦が開催|ニフティニュース

「抵抗がある」って反対の根拠が感情論かよ…。

生徒の模範となるべき先生の意見としては結構残念ですよね。

感情で判断しない人間を育成するのが学校教育の役割の一つなのに…。

ただこれは新聞社の切り取りの可能性もあるのであまり鵜呑みにしない方が良いと思っています。

そこで、わたしがちゃんと反対する理由を3つにまとめておきました。

  1. 部活として適切なのか
  2. どのゲームをするのか
  3. 環境管理は誰がするのか

一つずつ説明するね。

部活として適切なのか

まずコレが一番大きい理由です。

当たり前のことですが、部活と遊びは違います。

部活動の意義は、指導要領にこのように書かれています。

3 教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連(第1章総則第6款1ウ)

教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵かん養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。

 (引用)高等学校学習指導要領解説 総則編 (平成30年7月 文部科学省)(p.171より)

ゲームは、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものなんですか?

紹介した新聞記事では校長先生が、コミュニケーションが生まれたと評価されていました。

確かにそれはポジティブな意見です。

でもね、それだけでいいんですか?

「学習意欲の向上や責任感」「教育課程との関連」がどこにあるんですか?

これ満たしてなきゃ、部活動じゃないでしょ。

わたしは冒頭に書いたようにゲームは大好きです。

でもね、遊ぶだけなら部活としてやる意味ないでしょ。

どのゲームをするのか

問題はまだあります。部活としてどのゲームをするのか、という問題です。

eスポーツと一括りで言っても「リーグ・オブ・レジェンド」のように最大10人でするものから、格闘ゲーム(ストV)のように1人(対戦相手を含めても2名)でするものまで様々です。

10人部員が集まったとして、どのゲームをするのか、どうやって決めるんですか?

格闘ゲームがやりたい生徒が1人だけだとしたら、その子はどうやって他の生徒とゲームの内容でコミュニケーションを取るの?

また部活としてする以上、1~2年の活動では済まないわけです。仮に2~3つのゲームに絞ったとしましょう。

本当にそのゲームをずっと遊び続ける保証はあるの?

コロコロ変わるんじゃないの?

もしコロコロ変わったとしたら、それって遊びとどう違うの?

こういう疑問にちゃんと答えられるのでしょうか。

環境管理は誰がするのか

他にも問題はあります。

環境管理のことです。

環境管理といってもテレビ、ゲーム機材などの「モノ」のことではありません。

お金の面は他の部活と同様なので問題はないでしょう。

気になるのはオンライン回線をどうするのかという点です。

オンライン回線がメインとなるゲームの場合、遅延の起きないちゃんとした回線が管理されるのでしょうか。

簡単に言うとカクカクしないでプレイできるのかな、ということです。

わたしは格闘ゲームを好きでしていますが、3~4フレームの遅延で「うーん?」となって、それ以上だと「もう無理!」って感じです。

(ちなみに 1フレーム=60分の1秒=約0.017秒 のことです)

0.1秒くらい大したことないと思うかもしれませんが、0.1秒ラグが生まれるだけで連続技の成功率がかなり低くなってしまいましからね(ゲームによりますが)

学校なんてwifiが飛んでいたら良い方ですが、eスポーツならほぼ優先必須ですよね。

そもそも学校側にそれを理解して、管理できる人いるの? 

セキュリティの面もあるよね。

気楽に部活導入って言って、野球部に凸凹のグラウンド渡すようなことはしないで欲しい。

凸凹のグラウンドなら最悪自分で掘り返したりならしたり出来るけど、回線は生徒の手で触れないですよ。

まとめ

もし校長先生とかが思いつきで「eスポーツを部活にしよう」とか言い出したら以上の点をご確認ください。

  1. 部活として適切なのか
  2. どのゲームをするのか
  3. 環境管理は誰がするのか

最低でもこの3点をクリアしないと、eスポーツをしたい生徒の為になりません。

それでは、また。 

ゲーム好きの方は合わせてこちらも読んでください。