どうも、教育関係会社員のりょうさかさんです。
今回はゲーム大好きのりょうさかさんが、ゲーム好きの生徒、eスポーツを部活動として認めてやりたい生徒さん、先生方のために「どう提案したら良いのか」をご提案したいと思います。
結論から言うと「反対派の人も納得できる提案をしよう」です。
反対派の意見
まず反対派の意見がどんなものがあるのか考えてみましょう。
「感情的にゲームが嫌だ」みたいな子どものような意見の方はほっておくとして、大部分の方はよくわからないから反対という要素が強いと思います。
- 部活動として適切なのかよくわからない
- 何をしているのかよくわからない
- 何を考えているのかよくわからない
- eスポーツと遊びとの違いがよくわからない
- ゲームがそもそもよくわからない
このような数々の「よくわからない」が反対という気持ちにさせているはずです。
一応自分なりにも反対派の意見を前回記事にしています。
よくわからないをよくわかるに変える!
そういうことが出来れば、素晴らしいのですが、人間は否定的に捉えているものをよくわかろうとはなかなかしません。
それなら、先生方がよく知っていてわかっていることと関連させて、説得していきましょう。
部活動の意義
では、先生方がよくわかっていることとはなんでしょうか。
それは、指導要領や教科指導のことです。
指導要領や教科指導とeスポーツの部活動が繋がっていることが伝われば、ゲームは嫌いでも部活動には理解を示してくれるはずです。
そこで、指導要領や教育基本法などを元に部活動の意義をおさえておきましょう。
3 教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連(第1章総則第6款1ウ)
教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵かん養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。
(引用)高等学校学習指導要領解説 総則編 (平成30年7月 文部科学省)(p.171より)
まあ、長々と色々書いてありますが要約すると…
部活動は自主的・自発的に参加するもので、人間関係の形成と学校教育の一環として教育課程との関連が図られるように留意する。
ポイントは「自主的・自発的」「人間関係の形成」「教育課程と関連」の3つですね。
この意義が、言い換えれば部活動の「目的」となります。
そして、部活動の中身、つまり競技であったり、演奏したり絵を書いたりすることはその目的を達成するための「手段」となるわけです。
つまりeスポーツを通して「目的」に到達するようなルール作りさえすれば何も問題がないことになります。
eスポーツをやりたいと部活に入る生徒にとって「自主的・自発的」は問題なくクリアできるでしょうし、メンバーが複数人いて切磋琢磨をすれば「人間関係の形成」についても問題はないでしょう。
あとは「教育課程と関連」です。
eスポーツって陸上部みたいなもの
「教育課程と関連」を考えた時に、eスポーツ(ゲーム)ではどんなことが考えられるでしょうか。
その前に「eスポーツ」と一言で言っても、その中身は多様です。
「リーグ・オブ・レジェンド」「ストリートファイターV」「パワプロ」「ウイニングイレブン」などなど様々なゲーム、そしてジャンルがあります。
つまり既存の部活で言えば、陸上部みたいなものですよね。
では、一つ一つのゲームについて教育課程と関連を訴えていくべきでしょうか。
確かにできなくはないでしょう。
「ストリートファイターV」などの格闘ゲームなら、フレーム管理や戦略は数学的な分野と関連がありますし、入力などの反射神経は体育とも関連すると言えるでしょう。
このようにゲームをしている身からすると学校教育と地続きな部分は、あるように思うのですが欠点があります。
それはやっていない人には全くわからないという点です。
また一つ一つのゲームと教育課程の関連で説得するのにデメリットがあります。
ゲームが何年か周期で入れ替わることです。
単純にナンバリングが変わることもありますし、流行のゲームが廃れていくことだってあります。
そのたびに教育課程の関連を訴えるのは非現実的です。
ゲームをわかってもらうのではなく、教育活動に繫げる
ここまでをまとめると…
- eスポーツの部活動が教育課程との繋がりを示せば先生は理屈では反対できない
- eスポーツの教育課程的要素を理解してもらうことは困難
という2点になります。
では、どうすれば良いのでしょうか。
例えば、eスポーツに教育課程の要素を追加する方法が考えられます。
こんな方法を提案したいと思います。
- 大会が開催されているゲームに取り組み、出場する
- 出場の前に「課題」「練習方法」「大会の概要」を文章で作成する
- 出場後は「結果」「ふりかえり」「改善案」を文章で作成する
これならやってる内容がゲームなだけで、プロセスは教育課程に則った形です。
このようにポートフォリオ化するだけでも、活動がグッと学校教育に近づきます。
大会についてはこういうサイトを参考にしてね⇒全国高校eスポーツ選手権 公式サイト
それ以外にも…
- ゲームについて「論文」を書く
- 取り組んでいるゲームについて「改善案」を書く
これも題材がゲームなだけで、完全に教育課程に則った内容です。論文なら発表、またはコンクールに応募。
改善案は実際に企業に送付しましょう。
論文だったら「どうしてスマホゲームに課金してしまうのか心理学的に研究する」「ゲームジャンルの隆盛について」など色々アプローチがあるはず。
改善案は単純に「持ちキャラを強くしてほしい」みたいな内容ではなく、どうすればよりプレイヤーが楽しく、そして、観客が見ていて楽しいものになるのかを提案しましょう。
これならゲームがわからない先生でも論文やレポートの指導と評価は可能なので、困らないはずです。
これはあくまでわたしが考えた案です。
ポイントは、先生が納得しやすい活動を付加することを意識して下さいね。
これを読んだ学生さんは、面倒くさいと思ったかもしれません。
でも、吹奏楽部だって楽器を弾くだけではなく、コンクールに出たり、卒業式で演奏したりしますよね。
文学部だって読書するだけでなく、自分なりに小説やエッセイ、書評にトライしているはずです。
野球だって吹奏楽だって読書だって「遊び」としてなら個人でも出来ます。
これはゲームだって同じ。
部活にしたけりゃ、遊びじゃなくてガチでやれ!です。
まとめ
本当に部活動としてしたければ、これくらいは覚悟しておきましょう。
先生方、特に年配の方はゲームに対して悪いイメージを持っているケースが多いです。
それは、学力テストと同時行われる生徒への質問紙で、一日のゲームやスマホの時間についての質問があることからもわかると思います。
彼らにとっては、ゲームは勉強の時間を奪う悪しき存在なんです。
本当は運動も演奏も読書も、なんでも度が過ぎれば勉強の時間を奪います。
でも、ゲームだけが目を付けられている。
それくらいマイナスのスタートであることを自覚して、説得していきましょう。
幸運を祈っています。
それでは、また。