前回に続いて「蔵書数と学力」についてです。
結論から書くと「電子書籍だと親が何を読んでるかわからないよ」ということです。
電子書籍のシェア
まず前回紹介した文科省が実施した学力テストの保護者アンケートの資料のデータについてです。
このアンケートでは「電子書籍を含むが、子ども用の絵本などは含まない」ということになっているので電子書籍を含んだ蔵書数の分析になっています。
では、電子書籍ってどの程度の割合なんでしょうか?
出版取次の大手日販のWEBページによると出版物全体の売上規模は約1.5兆円程度だと読み取れます。(リンク先の資料は2015年度の売上高。紙のみの売上)
電子書籍の売上はというと2017年に2241億円。(電子雑誌が265億円)
(参考)2017年度の市場規模は電子書籍、電子雑誌合わせて2500億円を突破! 2022年には3500億円規模に 『電子書籍ビジネス調査報告書2018』7月30日発売 - 株式会社インプレス
年度は違いますが、ざっくり市場規模を求めてみましょう。
そうすると「紙」と「電子書籍+電子雑誌」を足した合計は1.75兆円。
この数字から電子書籍の割合を計算すると約12.6%だと考えられます。
つまり蔵書の中に紙の本が何冊あるのかと言うと100冊以上の家庭だと87冊が紙、26冊の家庭だと22冊が紙、10冊の家庭だと9冊が紙の本。
蔵書の学力への影響は紙の本という物体が家庭内にあることではないかと考えられるわけです。(少なくとも現時点ではということ)
ただ電子書籍を全否定するわけではありません。
電子書籍のメリット・デメリット
電子書籍の一番のメリットは、スペースを取らないことです。
スマホやKindleなどの端末の中に入っているのでそれ以上の場所を必要としません。
ぶっちゃけ満員電車の中でも読むことが出来ますからね。
またスマホや端末内「電子データ」であるために他人が何を読んでいるかわからないこともメリットの一つでしょう。
例えばわたしの場合はライトノベル。
わたしが読むライトノベルの1つが「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」。
内容は確かにライトノベルだけど純文学風味の味付けもしっかりされていて高校生が「純文学的な何か」に興味を持つきっかけになるであろう本。
個人的には「野ブタ。をプロデュース」と同じようなテイストの純文学作品として読んでいます。
ダラダラ書いちゃいましたが、控えめに言ってわたしは名作の1つだと思うんですよ。
でもね、ちょっとだけ表紙が恥ずかしい。
いや、もっとハレンチな表紙のライトノベルはいくつもあるのは知っていますよ。
でもさ、やっぱり妻や娘に見られるのは少し恥ずかしいわけです。
しかし、これも電子書籍なら無問題なわけです。
このようなメリットがある反面、何を読んでいるかわからないのはデメリットでもあると思います。
前回の記事にも書いたように親が何をどういう時に読んでいるかが、子供の教育上、大切だとわたしは考えています。
しかし、電子書籍だとスマホをイジっているようにしか見えないんですよね。
(もちろん親のスマホをいじる姿を見て、子ども学力が上下するかどうかのエビデンスはありません。あくまで私見です。)
紙の本を買おう!
じゃあ、どうするか。これはもう紙の本を買うしかありません。
わたしは基本的にスマホのKindleアプリで電子書籍を購入しています。
ただ子どもが少しでも大きくなった時に見て欲しいなあという前向きな内容の本は紙で購入するようにしています。
最近の本だとキンコン西野さんの「革命のファンファーレ」や箕輪厚介さんの「死ぬこと以外はかすり傷」とかです。
タイトルも内容も前向きな本は本棚に置いておいてあげたいんですよね。
まあ、前回紹介した以外にもわたしの本棚は、色川武大さんの「狂人日記」やミシェルウェルベックの「服従」など暗いタイトルの書籍が多いですからね…。
あなたも子どもの目を意識して本棚の構成を考えてみるのも良いと思いますよ。
それでは、また。