りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

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エアコンのない学校は7月から夏休みにしてしまえ!


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今日、7月20日に終業式という学校が多いと思います。

先生方、ひとまず一学期お疲れ様。児童、生徒の方はいっぱい遊んでね。保護者の方、家が賑やかになりますね。と声をかけたいと思います。

さて、そんな夏休み直前に痛ましい事件が起こりました。熱中症で亡くなられた児童にご冥福をお祈りするとともに保護者の方の心痛を思うと憤りを感じざるをえません。

わたしも子どもを持つ親として「学校」という場所でどうしてこのようなことが起こってしまったのか、本当にやり切れません。

文科省も徹底要請をしていますが、明日から夏休みですからその場しのぎの発表にならないようエアコンの導入が遅れている地域の方は注視が必要です。

文科省、熱中症対策の徹底要請 愛知・豊田の小1男児死亡受け - 産経WEST

また現在、導入の遅い自治体にお住まいの場合はどうすれば良いのか。

PTAで協力して校長先生とお話をすれば良いのか、それとも教育委員会に電話をすればよいのか。具体的にどういう風にすべきかストラテジストの永江一石さんがブログで素晴らしいご提案をされているのでリンクを貼っておきます。

昔はエアコンなくても我慢したという、教育関係者とか自治体とか議員を説得するのが親の義務 | More Access! More Fun!

内容としては「エビデンスを用意し、議員を活用して訴える」という非常に現実的な方法で、すぐにでも参考にできる内容です。

前置きが長くなりましたが、ここからはこの件からわたしが考えたこと。

エアコンの負担について問い

この件について怒りながら色々なことを考えました。

例えば、熊谷俊人・千葉市長のツイッター。

別のツイートと総合すると「エアコン全校設置に70億、年間維持費5億円かかるけど、その将来負担が増えても良いですか?」という投げ掛けだと思います。

 

この投げ掛けについてあなたはどのように感じたでしょうか?

 

わたしは元大阪在住ですが当時の橋下徹市長(維新の会)が、高齢者に回していたお金を回して、エアコンを優先して設置しました。

ちなみに千葉市内の全小中学校数は177校(小学校120、中学校57)。

人口その他の要素は違いますが大阪市(430校)のやり方を真似したら、すぐにつけることができそうですね。

千葉市長は、目先の金か選挙で1票の方が子どもよりも大事になっているんじゃないか? と揶揄したくなっちゃいますが、忘れてはいけないことが1つあります。 

千葉市長も、大阪市長も、選んだのは保護者である我々大人であるということです。

だからこそ、冒頭に紹介した永江さんのブログにあるように大人(保護者)が責任を持って、行政に働きかけなきゃいけない。

これはエアコンだけじゃなく、この前の大阪地震でのブロック塀の件も同じことですよね。

1%だけ理解できる行政の理屈

これはツイッターでも呟いたんですが、エアコンの費用がどうしてもネックになるのも1%だけ理解できる部分もあるんです。

まず少子化で学校は基本的に統廃合の流れです。これって2~3校あった学校を1校にするんですが、実際は色々なパターンがあります。

仮にAとBの2校があった場合を見てみましょう。

まずAを減らして、残ったBにAの生徒も来てもらうパターン。この場合は、Bをそのまま使うケースもありますし、内外を改修することもあります。

もう一つはAとBの両方を廃校にしてしまって、新しくCという学校を作って、両校の生徒を通わせるパターンです。

で、こういう統廃合のパターンを水面下で計画していて、議会なんかでも内々で調整しているわけです。

すると行政的にお金を投下しにくくなる。だって、あと〇年後には廃校になるのにそこに設備投資するのか? って話になってちゃう。予算の無駄遣いと議会で追及されるんじゃないか。

ぶっちゃけ、こういうことを気にしてしにくいんだと思います。しかも投票権を持つ高齢者にはウケがわるいわけで。

じゃあ、お金が出来るだけかからない解決方法ないのか。

そこで提案したいのが、学校に行かない、です。

どんな児童を育てたいのか

連日、環境省から「熱中症の危険性あり 運動は原則中止」の通知がくるのにわざわざエアコンのない学校に行かなければならないのでしょうか?

この暑さの中、エアコンなしの教室で授業をし、体育の授業を行い全校集会で炎天下立たしたり、サウナのような体育館に集めたり。

そんな天候の時に体育の授業や校庭で運動しちゃいけないでしょ。また35度近い教室内で授業を受けて意味があるのか、子どもの身体、学力に本当に良いのかって疑問もあります。

しかも全校集会、校長先生のお話なんてわざわざ児童を集めてやる必要なんて皆無でしょ。軍隊の訓示じゃあるまいし。

別に児童を一箇所に集めなくても、校内放送やプリントで伝えることが出来ます。

そんなことすら出来ないのならわたしはいっそのこと休みにしてしまえば良いと思うのです。

もちろん学校としてはそれでなくとも行事、授業がパンパンでこれ以上時間を削ることができない事情があることもわかるし、また保護者から授業の進度などでクレームが来ることも容易に想像がつきます。

でもね、先生に言いたいのは、あなたは児童・生徒をどんな人間に育てたいのか? ってことです。

学校があるから来いと言われて、必ず学校に行く児童・生徒を育てたいのか。

みんなが学校に行っているから、地獄のように暑くても真面目に登校する児童・生徒に育てたいのか。

皆勤賞があるからってどんな天候・体調でも登校する児童・生徒に育てたいのか。

たぶん、違いますよね。 

そんな全体主義的な児童・生徒ではないはずです。

「主体的対話的深い学び」という大テーマが昨今叫ばれていますが、こんなの全然「主体的に学ぶ児童像」じゃないでしょ。

むしろ天候・体調を自分や保護者の方と話し合って登下校を判断する児童・生徒の方がよっぽど先生方が目指す児童・生徒像に合致していますよ。

保護者も先生も、学校に行かねばならない、という考えから少しだけ自由になる必要があると思うんです。

もちろん一方で授業はどうするのって話があります。

動画授業の活用

そこでお金の話にも繋がるのですが、スタディサプリに代表される動画授業を学校でもっと積極的に活用すべきだと提案したい。

環境省の発表で「熱中症の危険がある日」をエアコンのない学校はすべてお休みにしてしまえば良いし、もっと言えば7月から学校に来ないで夏休みにしちゃっても良い。

授業は出来ませんが、その分、動画授業をご家庭の涼しい部屋で見て勉強してもらえばいい。

今の学校向けの動画授業サービスは生徒が見たかどうか、スクロールバーを動かしてサボったかなど、様々な視聴中の状況を把握することができます。

家庭の事情で子ども用のタブレットやPC、スマホがない場合には学校から貸し出しをすれば良いし、人数によっては学校の職員室のパソコンやPC教室のパソコン、地域の図書館のPCを活用すれば良いでしょう(職員室にエアコン完備だし、PC室もたぶんエアコンついてるでしょ)

それでも足りなければ学校側からタブレット端末を貸与する。

しかも動画授業で契約費が発生するのは7月だけだからそこまで費用も大きいものにならない。なんなら学校毎に先生方が授業動画を撮影することも出来ますからね。

先生方の働き方改革にもつながるし一石二鳥でしょ。

かなり大胆なことを書いているのは百も承知。でもね、これくらいの意識じゃないと夏休みが過ぎて、一年経てば来年も同じことが起きそうな気がするんです。

文科省、各地区の教育委員会さま、どうか注意喚起ではなく、具体的な対応をよろしくお願い致します。