りょうさかさんと

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【We Can】小学校英語新教材とオリンピック・パラリンピック教育【Let’s Try】【文部科学省】


action, activity, balls

そろそろ休みも終わって仕事復帰の方もいるのではないでしょうか。学生さんはまだ少し冬休みでしょうか。受験生は一週間後がセンター試験ですから最後の調整といった状況かもしれませんね。いずれの方も体調あってですから気を付けてくださいね、と早速風邪を引いた陵坂からのアドバイスです。とにかく気を付けて!

さて前回の記事で文部科学省の小学校英語新教材「Let’s Try」「 We Can」の「書く」ことについて私見を述べさせていただきました。 www.ryosaka.com

その中で「We Can!」について文科省が特徴として挙げている項目を「読み・書き」「オリンピック・パラリンピック教育」「小中の接続」と読む解くことが出来るのではないかと書きました。

オリンピック・パラリンピック教育とは

小学校英語自体は以前の記事にも書いたように英語教育にさらに力を入れるものです。

www.ryosaka.com

また本格実施の年度から考えても「オリンピック・パラリンピック」に焦点を合わせているわけではありません。

そもそも「オリンピック・パラリンピック教育」とはなんでしょうか。

文科省の資料や東京都の資料、その他自治体の資料などに定義や目的が書かれています。こちらはお住まいの地域によっても若干のニュアンスは変わるのでしょうが概ねは同じことが書かれています。引用するとこんな感じでしょうか。

オリンピック・パラリンピック教育は、オリンピック・パラリンピックを題材にして、

① スポーツの意義や価値等に対する国民の理解・関心の向上

② 障害者を含めた多くの国民の、幼少期から高齢期までの生涯を通じたスポーツへの主体的な参画(「する」、「見る」、「支える」、「調べる」、「創る」)の定着・拡大

③ 児童生徒をはじめとした若者に対する、これからの社会に求められる資質・能力等の育成を推進することを目的としている。

オリンピック・パラリンピック教育の推進に向けて 最終報告 

東京都では4点の目指すべき人間像が提示されています。

(1)自己を肯定し、自らの目標を持って、自らのベストを目指す意欲と態度を備えた人間

(2)スポーツに親しみ、知・徳・体の調和のとれた人間

(3)日本人としての自覚と誇りを持ち、自ら学び行動できる国際感覚を備えた人間

(4)多様性を尊重し、共生社会の実現や国際社会の平和と発展に貢献できる人間

東京都オリンピック・パラリンピック教育

人格的・スポーツ的な要素を除いた時に東京都ではより明確に「国際理解」・「コミュニケーション」という要素が見えてくると思います。つまり教科授業に落とし込む時に「小学校英語」は意識的、無意識的に関わらず、どこか関連する教科になりやすい性質を持っていることがわかります。

実際、東京都の「オリンピック・パラリンピック教育」のフロー図のフェーズⅡには「小学校英語の教科化(先行実施)」とあり、それを位置付けていることが明確です。

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(参考)オリンピック・パラリンピック教育とは?|東京都オリンピック・パラリンピック教育

2018年からの2年間だけの使用

前段で書いたように「小学校英語自体は2020年度本格実施」「小学校英語はそもそも異文化理解などのオリンピック・パラリンピック教育的要素を含んでいる」というわけで通常であれば特段これを汲み上げる必要はないと思います。

ただこの小学校英語新教材はまさにオリンピック・パラリンピックまでの2年間しか使わない教材なんです。それ以降、2020年からは民間の教科書会社が作った英語の教科書を全国の自治体毎に使うわけです。

もう一度言います。この2年間だけだよ、全国で統一して使うのは。

文科省の資料では「We Can!」の2のユニット6がオリンピック・パラリンピックだとされていますが、写真や題材はそれ以外も盛り込まれています。「We Can!」の1のユニット1ではサッカー男子日本代表の長友佑都選手を含め4名のスポーツ選手の写真がありますし、ユニット5、9でも同様の写真が掲載されています。

意図としてはやっぱり暗にオリンピック・パラリンピック教育を示しているんじゃないでしょうか。まあ、メダリストや日本代表の写真はオリンピック・パラリンピック教育関係なく教材には掲載されているので深読みしすぎな感じはしますね(苦笑) 

まとめ

私の聞いた一部の地域(東京ほか)ではやはり「オリンピック・パラリンピック」を控えて訪日外国人に道案内を出来る児童を育てたいという話を聞いたことがあります。そういう地域ではまさに小学校英語は直近の課題だし、取り組みも当然熱が入るでしょう。

一方で、全ての地域でそうかというと温度差は大きいでしょうね。ただ異文化理解、他国・地域への理解をする際にオリンピック・パラリンピックを教材として取り組むということは意識して作っていると感じました。

保護者の方や子ども達にはあんまり関係ない話でしたね。ただ全体の印象として「We Can」は異文化理解などがしやすい紙面だと思います。

これを読んでオリンピック・パラリンピックを知りましょうか。

リオから東京へ(オリンピック・パラリンピック大百科)

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