「メタ認知」、「非認知能力」、「コンピテンシー」
この言葉について全て聞いたことある方は相当教育にお詳しい方だと思います。でも別に今知らなくても困る話ではありません。
でも某都知事の「アウフヘーベン」が2017年の流行語大賞にノミネートされましたが、そっちを覚えるよりもこっちの方が絶対に価値がありますからね。この3つの言葉、今、教育業界でとっても重要視されている言葉なんです。
メタ認知とは
そこで今回は「メタ認知」について解説をしたいと思います。
「メタ」という言葉自体に馴染みがある方にはば理解しやすいかも。
例えば「メタ表現」。漫画のキャラクターがコマの枠を壊すようなシーンやキャラクター自身が自分を漫画の中の登場人物として意識しているような描写のことを言いますよね。(メタ表現は正確には「メタフィクション」と言います)
では、なんとなくイメージの出来たところで「メタ認知」についてWikipediaを参考に言葉の意味を確認しましょう。
メタ認知(メタにんち)とは認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。それをおこなう能力をメタ認知能力という。
つまり、自分を客観的に認知すること、を言うわけです。具体的にどういうことか。
例えば、算数の問題が解けない時に「自分がどこがわからないのか正確に把握する」という能力のことを言います。
社会に出てから必要な力
では、自分を客観的に認知する能力(メタ認知能力)がどうして重要なのでしょうか。
それはまず社会に出てから必要になる力だからです。メタ認知は「自分の置かれた状況」をできるだけ正確に把握する力です。
社会人の日々はすごく抽象的に言えば「自分・自社の実力、おかれた環境を勘案して、自分、自社で問いを作り答えを出していく」ことが中心になります。
孫子の言葉でも「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉がありますよね。いかに自分を把握するかは「生きていく力」として重要です。
これはもちろん学習面でおいても重要です。先の例に出したように「自分が理解できていない点」を把握し、解決することが学習では大事になります。
なぜなら、小学校、中学校、高校と学習は系統的に進んでいきます。算数・数学なら四則演算から因数分解、微分積分と前段階の学習に躓きがあれば、その先に進むことができません。
この能力がなければ苦手分野や理解していないところに手付かずのままになってしまいます。九九の出来ない大学生がいるように、目先の定期テスト、入試はテクニックでクリアすることはできかもしれませんが、基本的に他者との競争では不利になるのは明白です。
また自分自身のキャリアプランを考える時にも「メタ認知」は重要になります。
自分が何に興味があり、自分が何が好きで嫌いで、自分の強みはなんなのか、自分の弱みは何なのか、他人と比べて勝てる部分はどこで、負ける部分はどこなのか。
そういったことは人生を生きる上で非常に重要ですよね。それこそ就職活動をした方はわかると思うんですが、まず自己分析からしますよね。
例えば、リクナビネクストでは「グッドポイント診断」があります。
どうして転職支援サービスの企業がこういうサービスをするのかというとそれだけ自分のことを自分で理解し、自分が何をしたいのか見極めることは難しいことなんです。
それを意識して成長させていくことが教育では重要になります。
では、どうやって鍛えていくべきなのか。少し探したのですが、所謂「学力」に結び付くようなエビデンスは見つかりませんでした。
一般論的な方法を言えば、知識を付けて多角的な見方をするように心がける、出来るだけ他人の立場になって考えるように心がける、思考の言語化などがあると思います。
パラメーターを意識する
でもなかなか他人の立場になって考えたり、客観的に見ること、言語化って難しいですよね。陵坂が個人的に「メタ認知」を意識していることは2つあります。
1つは、ゲームでよくあるパラメーターを意識することです。
例えば1つの能力の最大値を100として、力90、守備力50、素早さ30、魔力40、運10みたいなやつです。RPGやウイイレみたいなスポーツでもこういう感じで能力の割り振りがありますよね。
もし自分にこういう能力評価をするのならどういうポイントが付くのか。
さすがに実生活で力や素早さを重視することは難しいでしょうが「記憶力、思考力、決断力、行動力、知識、経験」といった物差しならつけやすいと思います。
そして、自分のポイントを付けた後に学校の仲の良い友達、職場の同僚にも同様に自分なりにパラメーターを設定して比較してみると自分の長所・短所がより見えてくるのではないでしょうか。
そして、ゲームのように今後自分自身をどのように育成して、競争していくか考えると行動にも結び付いて明確になりますよね。
役割を意識する
もう一つ陵坂が良く考えるのは役割を意識することです。
役割というのは何か具体的に考えるのではなく、スポーツや漫画・アニメ・ドラマに例えてポジションやキャラクターを当てはめることです。
私がよくやるのは会社の組織の構成員をサッカーのポジションに例えて考えます。
仮に上司、ベテラン、中堅(自分)、若手、新入社員という構成だとします。誰が点を取る(ミスを恐れずチャレンジする)ポジションなのか、パサーは誰なのか。
そういうことを考えていくと、若手にはCFを任せてもっとオフサイド(ミス)を恐れずにチャレンジしてほしいけれど現実はCHくらいのポジショニングになっているんじゃないか。
自分はちゃんと若手がチャレンジしやすいカバーリング(フォロー)が出来るているかとか考えやすくなります。
これって別に漫画とかでもできます。クラスメイトを思い浮かべてワンピースなら自分はどのキャラクターなのか。ルフィ、ゾロは誰なのか。そういう風に想像することで自然と自分と周りを客観視して俯瞰し見ることができます。
結構楽しく想像しながら、やっていることはメタ認知のトレーニングです。
注意点
一つ注意点としてはメタ認知はマイナスの作用もわかっています。例えば「車の運転が下手」と思ってしまうと本当に「下手になってしまう」というようなことです。
マイナスの内容を認知することで悪い暗示にかかってしまうような効果なんですね。なのでマイナスの表現は使わないで言葉を言い換えましょう。
この運転の例で言えば「車の運転は上手くない」と認知しましょう。「上手くない」ことと「下手」は似ているようで全然違いますよね。「普通くらい」という可能性を残しています。
ぜひ上手にメタ認知を活用してください。
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