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【解説】メタ認知と非認知能力とコンピテンシー(3)

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今回は、「メタ認知」、「非認知能力」と続いて最後の「コンピテンシー」についてです。あまり聞き慣れない言葉だと思いますがこちらもとても重要な概念です。

コンピテンシーとは

では、この言葉についての意味をまず確認しましょう。実はこの言葉、文部科学省も重要な言葉として位置付けています。 

【コンピテンシーの概念】

○  「コンピテンシー(能力)」とは、単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的・社会的なリソースを活用して、特定の文脈の中で複雑な要求(課題)に対応することができる力。

【キー・コンピテンシーの定義】

○  「キー・コンピテンシー」とは、日常生活のあらゆる場面で必要なコンピテンシーをすべて列挙するのではなく、コンピテンシーの中で、特に、1人生の成功や社会の発展にとって有益、2さまざまな文脈の中でも重要な要求(課題)に対応するために必要、3特定の専門家ではなくすべての個人にとって重要、といった性質を持つとして選択されたもの。

○  個人の能力開発に十分な投資を行うことが社会経済の持続可能な発展と世界的な生活水準の向上にとって唯一の戦略。

中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会(第27回(第3期第13回))議事録・配付資料 [資料4−1]−文部科学省

 「何言っているかちょっとよくわかんないですけど」って感じの非常に抽象的な感じもしますよね。文科省の資料では、この文章の後にキー・コンピテンシーを3つのカテゴリーに分けて紹介しています。

1 社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力 (個人と社会との相互関係)

2 多様な社会グループにおける人間関係形成能力 (自己と他者との相互関係)

3 自律的に行動する能力 (個人の自律性と主体性)

少しわかりやすくなりましたが、まだまだという感じしますよね。この3点についてさらに詳細に具体例を挙げてWEBページでは紹介していますが、ここでは全て引用しません。

このコンピテンシーは企業の人事評価などでも使われています。コンピテンシーは、仕事が良く出来る人の行動特性とも言われているからです。

「環境の変化や異文化に対応し、革新されるITなどの技術を活用する能力」「コミュニケーション能力」「仕事に主体的に課題を見付け解決する能力」と言い換えて仕事をイメージすると理解しやすいのではないでしょうか。 

学校教育は人を社会に送り出す場

ポイントはこの企業の人事評価にも使われるコンピテンシーを文科省が重要視している点です。それは「学校教育は社会に必要な人材を送り出す場」であるからです。皆さんも一度は聞いたことがある内容ではないでしょうか。例えば日本の学校教育は「勤勉で協調性があって忍耐力のある均質化されて集団を作っている」みたいな内容のことです。

ホリエモンは「すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論」(堀江貴文・光文社)においてもっとシンプルに指摘しています。 

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

 

 つまり学校はもともと、子どもという「原材料」を使って、「産業社会に適応した大人」を大量生産する「工場」の一つだったのである。

ホリエモンや優秀な方ほど学校教育不要論を唱えることは多いような気がしますが、それについては考えがまとまればどこかで取り上げたいと思います。

さて、話を戻してこれは学校教員がどこまで自覚的かはわかりませんが文科省は意識しています。それは「経団連」(一般社団法人日本経済団体連合会)のWEBページにおいて文部科学省から審議経過などを聞いて意見を言っていることを公表していることからもご納得いただけるのではないでしょうか。

(参考)「第3期教育振興基本計画」の策定に向けた審議経過等を文科省から聞く (2017年10月19日 No.3335) | 週刊 経団連タイムス

情報革命と高齢化社会

これから社会人に求められる能力を学校教育で身に付けて欲しい。その能力のうちの一つがコンピテンシーだというわけです。このコンピテンシーには今の社会が置かれている状況がよく反映されています。

それは「情報革命」「高齢化社会」です。

20年前にはスマホというPCを個人が肌身はなさずに持ち歩く社会なんて想像できませんでした。情報革命とまで呼ばれる技術スピードの中で、それに対応する柔軟さと活用力が求められます。

一方で、日本は超高齢化社会です。その影響を受けるのは当然全世代なわけですが、今の小学生が大学を卒業する10数年後には3軒に1軒は空き家だと言われるような時代です。

当然、国内市場だけでは縮小が確実ですから企業は海外に進出する必要があります。そこで英語力と異文化理解とコミュニケーション能力が重要になりますよね。

また高齢化社会をプラスに捉えれば、先進国の中でも日本は一足早く高齢化社会になります。そこで仮にAIを活用した高齢者向けのビジネスを成功させれば、そのノウハウをそのまま海外で活用することが出来るはずです。そういう意味でも、革新される技術を使いこなす力、課題解決能力が必要になります。 

こうやって書いた状況を想定した時に必要になる能力がコンピテンシーに集約されるんですね。文科省も重視する昨今、話題のキーワードをご理解いただけたのではないでしょうか。

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www.ryosaka.com

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