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「英語民間試験の配点2割超」報道の裏側を考える


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どうも陵坂です。今回はブログタイトル通りの考察記事だよ。

記事タイトルの通り「英語民間試験 配点2割超…国立大学協 新大学入試で目安案」という報道が読売新聞からありました。

今回はこの新聞記事について考えてみたいと思います。

と言っても内容はメディアリテラシーよりの記事になるので、英語教育に関心のない方もどうぞ。

結論から言うと国立大学協会の内と外の駆け引きが垣間見えるよねってことです。

今回の「配点2割」は読売新聞

2018年4月13日の読売新聞において表題の内容が報じられました。

内容はこちらからどうぞ。

 2020年度から始まる「大学入学共通テスト」で導入される英語の民間試験の配点について、国立大学協会の入試委員会は12日、英語全体の2割以上を目安とする案をまとめた。

(引用)英語民間試験の配点2割超、新大学入試で目安案 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

といっても案を示しただけで、この案に拘束力はありません。

スケジュールとしては2018年4月下旬の総会を経て6月の総会で正式決定をするとも報道されています。

この記事をざっとネットで検索すると基本的に読売新聞しか報道していません。

この理由をちょっと考えみませんか?

*ライブドアニュースその他のサイトでも報道していますが、読売新聞の記事を紹介した形となっています。 

前回の「配点1割」は日本経済新聞

結果的にフェイクニュースとなった「配点1割」の報道がなされたのは2018年2月17日の日本経済新聞の記事が発端となっています。その後、2月19日に国立大学協会が報道を否定しました。

しかし、2月21日に朝日新聞再度「1割」報道を行い、2月21日中に再度、国立大学協会が報道を否定しました。

(参考)

英語、民間試験配点わずか 大学入学新テストで検討 :日本経済新聞

民間試験、配点は英語全体の1割弱か センター試験後継:朝日新聞デジタル

国立大学協会の報道を否定した発表2つ

http://www.janu.jp/news/20180219-wnew-comment.pdf

http://www.janu.jp/news/files/20180221-wnew-comment.pdf

「配点2割」以降の報道

では読売新聞が「民間試験配点2割」を報道後の日本経済新聞、朝日新聞の報道はどうでしょうか。後追い記事を出したでしょうか? 実は違うんです。

日本経済新聞はというと…

運用に不安、再検討を 入試改革で英語民間活用 :日本経済新聞(2018年4月16日)

朝日新聞は…

年中「英語受験」、惑う高校 大学新入試、民間試験が何回も 高3の部活・行事、日程苦慮:朝日新聞デジタル(2018年4月16日)

同じ4月16日にどちらも主旨は英語民間試験活用に懐疑的なタイトルです。

偶然なんでしょうか?

ちなみに毎日新聞はというと2紙から1日遅れてこんな記事。

一点張り・論説室から:大学入試改革で英語嫌い増える?=澤圭一郎 - 毎日新聞(2018年4月17日)

時系列にすると

・2018年2月17日 日本経済新聞「民間試験配点わずか1割」

・2018年2月19日 国立大学協会が報道を否定

・2018年2月21日 朝日新聞「配点1割」

・2018年2月21日 国立大学協会が報道を再度否定

・2018年3月30日 国立大学協会「大学入学共通テストの枠組みにおける英語認定 試験及び記述式問題の活用に関するガイドライン」公表

・2018年4月13日 読売新聞「配点2割超」

・2018年4月16日 日本経済新聞「民間試験、再検討」

・2018年4月16日 朝日新聞「民間試験、戸惑う高校」

・2018年4月17日 毎日新聞「大学入試改革で英語嫌い増加?」 

察しの良い方はこの流れから気付いたのではないでしょうか。

報道する際に裏をとる(はず)

新聞の報道は大きく3つに分けられます。

・公式発表

・取材

・リーク

公式発表はそれ自体に嘘がない限り一定信用できるものですよね。

その反面、取材は公式でない分、基本的に裏を取って報道するのが鉄則と言われています(最近は例外も多いように感じますが…「エビデンス? ねーよ、そんなもん」By朝日新聞記者)

では、それを前提として、各々にどういう動きがあったのか推測したいと思います。

結論から言えば「国立大学協会内部の駆け引き」「国立大学協会と新聞社の駆け引き」です。 

たぶん本当は1割だった

今回の発端となった2月17日(土)の日本経済新聞の「民間試験配点1割」は国立大学協会内部からのリークだったと考えられます。取材による報道なら国立大学協会が否定しないはずだからです。

国立大学協会も即日否定すれば良いのにしません。もちろん土曜日なのでお休みで対応が週明けの2月19日(月)になったと考えるのが自然かもしれませんが。

その否定の発表を受けてまた2日後。情報源が同一かどうかはわかりませんが今度は朝日新聞が報道をします。

何? 2日の間隔で報道し合うとか何かのメッセージ? って感じですがここのタイムラグにも何か意味や動きがあったと感じるのは私だけでしょうか。

国立大学協会内部の方が元々両紙にリークしていて日本経済新聞が報道をしたのを受けて朝日新聞が後追いをしたのか。日本経済新聞のあとに第二の矢として朝日新聞にリークしたのかはわかりません。

まあ、当然、朝日新聞の報道も国立大学協会は否定します。

この報道によって国立大学協会が方向転換を迫られたのではないでしょうか。日本経済新聞の見出しを思い出してください。「わずか1割」ですよ。たった1割だぜ、やる気あんのかよ的ニュアンスを受け取るのが自然ですよね。この見出しにグサッときたでしょう。

国立大学協会としてはリークした人物と共に方向転換のきっかけをつくった日本経済新聞、朝日新聞は「許せん!」と怒っていても不思議じゃないですよね。(あくまで推測です)

3月末、国立大学協会がガイドラインを発表しました。

その約2週間後の4月13日(金)に読売新聞が「民間試験2割」と報道しました。「1割」報道の際は、土日を挟んだとは言え2日後に否定したのに今回は無反応

現時点で国立大学協会から何のリアクションもないことから、読売新聞の情報源は日本経済新聞・朝日新聞にリークしたルートとは違う、公式ルートと考えるのが自然でしょう。

国立大学協会から情報を貰えなかった日本経済新聞、朝日新聞としては面目丸つぶれ。だって2月の報道がフェイクニュースになってしまう。

「国立大学協会ってなんか感じ悪いよね」そう社内で呟いていてもおかしくない(あくまで想像です)

というわけで、4月13日から3日経った4月16日に日本経済新聞、朝日新聞の両紙が揃って「民間試験批判」の記事を載せるという流れになったのではないでしょうか。

2つの駆け引き

1つ目は国立大学協会内部

国立大学協会内部で、民間試験の配点については否定派・推進派でやり取りがあったのではないでしょうか。「わずか1割」というリークと2日後に否定発表があったことからもその想像ができます。

結果として「2割」という配点はバランスのとれた基準だと感じます。

2つ目は国立大学協会と新聞社

リーク情報を元に国立大学協会と日本経済新聞・朝日新聞の間で感情的な駆け引きがあったと想像できます。

特に日本経済新聞は「わずか1割」と民間試験の配点の少なさを指摘しました。つまり、もっと民間試験を運用すべきだという主張が背景にあるわけです。

そして、民間試験の利用において「配点の大きさ」は経済活動の大きさに直結する問題です。以前も書きましたがおそらく民間試験の市場規模はかなり大きいものになるでしょう。

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配点が少なければ経済が盛り上がらないので、この「わずか1割」というスタンスは日本経済新聞的には馴染むものだと思います。

その日本経済新聞が掌を返すように「民間試験を再検討しろ、なんならストップしようよ」という主旨の記事を掲載しちゃ報道姿勢が真逆になってしまっていますよね。こんなの普通じゃありえないでしょ。 

まとめ

あくまで私の個人的な考えです。なんか学生や保護者が置いてきぼりのような感じに私は受け取ってしまいます。

新聞各紙の報道には何らかの思惑が隠れているので、あまり左右されずに公式発表を待つ方が賢明でしょうね。

民間試験の配点がどうなろうと、民間試験のために勉強した英語力、努力は大学入試、その後の人生で役立つはず。

大きい視野で学習しましょうよ。ほな、さいなら。

こんな記事もどうぞ

www.ryosaka.com 

2018年度版 英検2級 過去6回全問題集 (旺文社英検書)

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