陵坂と考察と

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【大学受験】英語の民間試験の配点1割はフェイクニュース?

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どうも陵坂です。以前から英語の試験が変わるよ、今までの英語教育ってこれで良いのかな? と書いてきました。また大学入試での英語の民間試験導入やそれによるタイピングの重要性など予想してきました。

さて、先日、センター試験の後継となる民間試験導入について配点に関するガイドライン案が出てたとの報道がありました。そして、国立大学協会がそれを否定する発表をしました。

果たしてフェイクニュースなんでしょうか?

どんな報道内容なのか

というわけでまず報道の方から確認しいきましょう。

民間試験、配点は英語全体の1割弱か センター試験後継:朝日新聞デジタル

大きな変化のため23年度までの4年間は、センターが作る「読む・聞く」の2技能を測る試験も行われ、国大協は昨年11月、全国立大が両試験を一般入試の受験生に課すことを決めた。(中略)詳細は各大学・学部に委ねるとしながらも、センターによる英語の試験が200点満点の場合は最大で20点の加点とし、合計で220点満点にする案を示している。

簡単にいうといきなり民間試験に切り替えるのは大変だから、2023年まではセンター試験(読む・聞く)と民間試験(書く・話す)の併用でいきます。その民間試験についてはあくまで20点分までね、ということです。

220点中の20点分、つまり9%が民間試験の占める割合です。

確かに一番困るのは、生まれた年の関係でこの試験を受けることになった生徒たちです。これからの子ども達は当たり前のように小学校で英語の勉強を4年、それも話すことに重きをおいた授業を受けてきます。

過渡期ということを考えるとこの配慮はとてもわかります。ただこの20点が適切なんでしょうか、というと疑問が残ります。 

国立大学協会は報道を否定 

国立大学協会では報道を否定しています。

しかし、現在、当協会において、報道されたような民間の英語試験の具体的な配点の案を示しているという事実はなく、今回の報道は誤った情報により関係者に不安や混乱を招きかねないものであり、誠に遺憾である。

(引用)英語民間試験の活用に関する国立大学協会の検討状況についての一部報道について

ただ報道の配点内容はとてもリアルで内部リークでもあったのかなと想像してしまいますよね。しかし、その後他の新聞紙でも報道されています。

セファール指標によると

では、新聞報道に戻ってじゃあ、どのスコアが何点なのか新聞の画像を見てみましょう。CEFR指標はC2が一番レベルが高くA1が初心者レベルという設定です。

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(引用)民間試験、配点は英語全体の1割弱か センター試験後継:朝日新聞デジタル

つまり、1案なら

C2~C1:+20点

B2:+15点

B1:+10点

A2:+5点

A1:加点なし

ということがわかります。

でもC2(英検1級以上)がどれくらいで、A2(英検準2級程度)がどれくらいなのかピンときませんよね。

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(引用)CEFRについて|資格・検定試験 関連情報[英語4技能試験情報サイト]

(参考)https://www.britishcouncil.jp/sites/default/files/pro-ee-lesson-level-cefr-jp.pdf

これでC2とA2を比較してみるとこんな感じ。

C2:聞いたり読んだりしたほぼすべての話題を容易に理解し、その内容を論理的に再構成して、ごく細かいニュアンスまで正確に表現できる。

A2:身近で日常的なことがらについての文やよく使われる表現が理解でき、簡単なやりとりができる。

全然英語のレベルが違うことがご理解いただけると思います。イメージ以上に全然違うと感じたのではないでしょうか。ちなみに海外に就職するなら最低でもB2、出来ればC1と言われているそうです。 

この点差が妥当なのか

C2が+20点とA2が+5点だとすると15点差があります。じゃあ、高校3年生のレベルはどの程度なんでしょうか。以前も紹介した文科省の資料によると「高3生はCEFR:A1の上位(英検3級程度)~A2(準2級程度)の下位レベルが多い。」と言う状況です。(引用)生徒の英語力向上推進プラン 平成27 年6月5日文部科学省

つまりほとんどの生徒は今のままでも+10点~+5点の加点がされる状況です。つまり5点差。センター試験なら小問1~2問の差という感じでしょうか。

トップ層は1点差争いの熾烈な受験なので20点か15点で大きな差になりそうです。しかし、2次試験でセンターの影響がなければほとんど満点近い点数を取る生徒同士。あまり影響はないかもしれません。二次試験ならともかくあくまでセンター試験だしね。

やはり中間層がこの5点差で泣くというケースの方が多いように考えますが、その層がこの5点差を軽視して、従来通りの勉強しかしないような気もします。

なかなか過渡期としては絶妙にバランスを取った案のように思える一方、結局、4技能重視に舵を切り切れていないんじゃないかとも受け取ってしまいます。

たった5点のために民間対策するなら他の勉強した方が伸びしろありそうだし。そう思われたら改革にならないよね。

さて、この民間試験導入についてはこのような意見も出ています。

宮本久也・全国高等学校長協会長は今月10日に東京都内で開かれたシンポジウムで「高校の授業が民間試験対策になりかねない。民間試験のウエートは小さくすべきだ」と主張していた。

(引用)大学入学新テストの英語、民間試験配点わずか 国大協検討、最大で1割弱 :日本経済新聞

宮本久也先生といえば偏差値75の都立西高校の校長先生。東大合格者を多数送り出している超進学校の校長先生です。その方に「高校の授業が民間試験対策になる」と言われてもちょっと説得力に欠けますよ。

都立西高校に限らず都内の進学重点高校はほとんど大学受験対策みたいな授業になってるじゃないですか。この言い方だと対策する分野が増えるからやめてくれと言っているように受け取ってしまいます。

むしろその大学受験対策の授業じゃ英語を喋れる人材が増やせないからこその大学入試改革でしょ。

少し話が逸れてしまいましたが。この報道が本当なのか。それともフェイクニュースなのか。国立大学協会の発表が配点1割以上になれば本気度はより確かだと思います。今は正式発表を待ちましょう。

ほな、さいなら。