子育てに悩むことって多いですよね。
他人と比べなくて良いと言われても、無意識に比べて子どもの成長が早ければ喜び、遅ければ不安になったり…。
わたしも自分の子育てが良いのかわからず、自分を責めてしまいがちです。
不安の原因の多くは、知らないからです。
今回紹介する15万部突破の「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」は、お子さんの発達障がいの有無に限らず子育てのヒントが詰まった書籍になっています。
「発達」や「言葉かけ」を知ることで不安を一つ一つ紐解いて向き合っていくのに参考になる本でした。
- 「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」の内容
- 言葉かけの前に大切なポイント
- 言葉かけのポイント
- 「言葉かけ」以外の具体的な事例
- 本書を意識して使った「言葉かけ」
- 大人だって具体的に言わないとわからない
- 「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」のまとめ
「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」の内容
「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」の著者「自閉症療育アドバイザー」のshizuさん。(監修は医学博士の平岩幹男先生)
内容は、ABAという「応用行動分析」とshizuさんが自身のお子さんや関わってこられたお子さんとの実体験がもとになった内容となっています。
つまり理論をベースとし経験から出てきた具体的な言葉かけや事例が紹介されている本なわけです。
「具体的な言葉かけ」があるのですぐに活用できますよ!
ここからは本書で紹介されるポイントや言葉かけを少しご紹介します。
言葉かけの前に大切なポイント
「言葉かけ」の前に重要となるのは、親の心構えです。
本書では8つのポイントが紹介されています。
- 親と子のいい関係を築こう
- スモールステップで成功体験を重ねよう
- ほめ言葉を効果的に使おう
- できない課題には手助け(プロンプト)を
- コンプライアンスを築こう
- 繰り返して、記憶や行動を定着させよう
- 必ず成功体験で終わりにしよう
- 課題を設定し、記録をつけよう
(引用)発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ(p.18-19)
「必ず成功体験で終わりにしよう」というキーワードは、今日からすぐにできる発想ですよね。
言葉かけのポイント
「言葉かけ」のポイントとしては、基本的に「ほめる」ことでその行動を「次もしよう」と促すために「言葉かけ」を使っていきます。
例えば、靴を揃えほしい場合。
大人が靴を揃えてみせて
↓
同じようにやってみてと伝え
↓
出来たらほめる
子どもとしても嬉しくて、次も靴を揃えたくなりますよね。
このように「ほめる」ことによって行動を促していく手法です。
ほめる際のポイントは、
- できたことをほめる…「(~できて)かっこいいね」
- がんばっている過程をほめる...「その調子」
- 存在を認める...「うれしい、ありがとう」
(引用・抜粋)発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ(p.49)
ただ折角ほめても「次からは言わなくてもしなさい」と一言足してしまうと台無しです。
本書で紹介されているNGワードは、
- 他人と比較する
- すかさず次の課題を与える
- ほめ言葉のあとに、嫌味を付け加える
(引用・抜粋)発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ(p.51)
どれも無意識のうちにやりがちなことかもしれません。
少しでも気を付けて、お互いが気持ちよくなるように関わっていきたいですね。
「言葉かけ」以外の具体的な事例
「言葉かけ」以外にも…
- 問題行動はスルーし、ほめて消去する(p.80)
- 子どもに選択肢を示し、自分で選ばせる(p.94)
- 事前に警告し、破ったらペナルティーを(p.100)
- 子どもといっしょに料理をしよう(p.118)
などなど様々な実践ポイントや「ふれあい遊び(p.56-61)」では14もの遊び方が具体的に紹介されています。
「ほめる」以外の「言葉かけ」や親の関わり方の根底に流れる考え方は、子どもの自己肯定感を高めるということです。
障がいの有無に限らず、子どもの自己肯定感は今後の社会を生き抜く上で重要な要素だと言われています。
自己肯定感についてはこちらの書評もどうぞ⇒
本書を意識して使った「言葉かけ」
本書「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」は、発達障がいの子どもを対象にした本ですが、どんな子どもにも使える手法だと思います。
というのも、実はつい最近こんな出来事があったからです。
わたしがお正月の帰省で、妻の実家に行った時の話です。
妻の姉妹の子どもたちとも遊んだのですが、その中の一人、3歳の女の子が部屋中を「ドタドタ」と大きな音を立てて歩き回っていました。
女の子が歩くたびに「ドタドタ歩かないで!」とお母さんが怒っていましたが、女の子はやめません。
このようなケースの場合、本書では「できるだけ肯定的な言葉をかける(p.70)」「子どもへの指示は簡潔&具体的に(p.80)」と書かれています。
そこでわたしは「もう少しゆっくり歩こうか」と言葉かけをしました。
そして、出来た時には「かっこいいね、できると思っていたよ」とほめる言葉をかけてあげました。
ドタドタ歩くのが癖になっているのかこの一言で改善されたわけではありませんでしたが、女の子は少し気を付けるようになってくれました。
大人だって具体的に言わないとわからない
「ドタドタ歩かないで!」とお母さんが注意する気持ちは痛いほどわかります。
つい言っちゃいますよね
では、どうして具体的に言うべきなのでしょうか?
わたしが考えたのは「子どもは逆がパッとわからない」ということです。
大人であれば「ドタドタ(音を出して)歩く」の逆が「音を立てずに歩く」ということだとスグにわかります。
大人がどうしてスグにわかるかといえば、経験による学習ですよね。
でも、子どもは肝心の経験がないんですよね。
だから具体的に言わないといけないし、その理由を話した方が良いはずなんです。
これって、良く考えれば大人だって一緒です。
大人だって仕事で「なんでそんなことをしたんだ!」みたいな詰問されても困りますよね。
そんなパワハラ上司よりも「間違っている点は指摘して気付かせてあげて、具体的に今後どうすれば良いのか話し合う」方がずっと建設的なはずです。
子どもだって大人だって具体的に話さないと伝わらない。
そんな風なことを考えました。
「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」のまとめ
「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」の書籍は、
- 応用行動分析をベースに具体的な言葉かけや事例が紹介されている
- 「ほめる」ことで行動をうながしていく。
- 言葉かけ以外に大切な要素は自己肯定感を高めていくこと
本書で語られる著者のshizuさんの葛藤や苦悩は、子どもの状況に関わらず親なら共感すると思います。
興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
それでは、また。