高校の学習指導要領案が2018年2月14日に文部科学省より発表されました。あくまで案の段階なのでパブリックコメントの結果、変更の可能性もあります。
ただこの案から文部科学省が何を考えているか読み取ることが出来ます。今回はその中でも英単語に着目をして見てみましょう。
学ぶべき英単語数
小学校英語も始まることや高校大学接続でも民間試験導入など話題の多い英語はどのように変わるのでしょうか。生徒さんへの影響がわかりやすい英単語数について見てみましょう。
2022年以降、どれだけの英単語を高校3年間で学ぶのでしょうか。
・英語コミュニケーションⅠ 2のウの(ア)より
小学校及び中学校で学習した語に400~600語程度の新語を加えた語
・英語コミュニケーションⅡ 2の(1)より
指導する語については,「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)のウの(ア)で示す語に700~950語程度の新語を加えた語とする。
・英語コミュニケーションⅢ より
指導する語については,「英語コミュニケーションⅡ」の2の(1)で示す語に700~950語程度の新語を加えた語とする。
(いずれも引用)高等学校学習指導要領(案)
というわけで高校3年間を通して、1800~2500語程度となります。
ちなみに現在の指導要領ではどうなっているのかというと…
○高等学校で指導する標準的な単語数を1,300語から1,800語に増加
○授業は英語で指導することを基本(中学校、高等学校合わせて2,200語から3,000語に増加)
(引用)高等学校学習指導要領改訂案のポイント(2008年12月23日)
2021年までは高校3年間で1800語。次の指導要領(2022年以降)だと1800~2500語。
ん、だからつまりどういうことだってばよ? って感じですね。
小学校の英語教科化もあるので単純に数字を比較したり、「前回からこれくらい増えて、さらに次の回はこれくらい増えます」と言われてもなかなかピンとこないと思います。
そこでどのような経緯で英単語数が増えてきたか整理してみましょう。
指導要領を元に整理しよう
約10年で改訂される指導要領を元に英単語数だけで言えばどの程度量が変わってきたのか見ていきましょう。内田洋行教育総合研究所のWEBページを元に整理してみました。
(参考)意外と知らない"学習指導要領の改訂" - 教育ウォッチ | 学びの場.com
2002年~2020年の指導要領
2002年~2010年までの指導要領
中学校900語 高校1300語 中学・高校あわせて2200語
2011年から2019年までの現行の指導要領
小学校450語 中学校1200語 高校1800語 中学・高校合わせて3000語
小学校も合わせると3450語
2020年からの新指導要領
小学校600~700語 中学校1600~1800語 高校1800~2500語 中学・高校合わせて3400~4300語
小学校を合わせると4000語~5000語
つまり・・・
2010年から2020年の10年間で
身に付ける英単語数が倍!
しかも、当たり前ですが小学校で習う英語が増えるということは中学校から降りてくる。中学校で習う英単語が増えるということは、高校から降りてくる…
ということになるので数だけでなく、小学校、中学校、高校とそれぞれにおいても身に付ける単語が難化していることがご理解いただけると思います。
まとめ
教えられる側もこれだけハードなのに、小学校の先生は英語を教えるのが初めてって本当に大丈夫かしら。といつも前向きなことを書いていましたが改めて不安になりますね。
でも上手くいけば、陵坂の子どもの時より遥かに英語を勉強した「英語を使える若者」が10年後には入社してくるかもしれないのね。では、また。