陵坂と考察と

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都立高校入試に英語のスピーキングでどうなる?

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どうも陵坂です。今回も英語ネタ。大学入試で4技能(読む・聞く・書く・話す)が必要になるということを書いてきました。今度はそれより下の高校入試の話です。

2017年(平成29年)12月中頃に都立高校の入試において英語で「話す」(スピーキング)を評価する試験を導入する方法が検討されるという報道がありました。詳しくはこちらの記事を参照してください。

www.nikkei.com

今回のテーマはこの高校入試の英語のスピーキングとそれにまつわる話です。

どうして高校入試にスピーキングなのか

まず最初にこの英語でスピーキングの話が出てきたのは今回が初めてではありません。

平成28年9月に行われた「東京都英語教育戦略会議」において「提言7 4技能を測る高校入試検査導入の検討」と言われています。

(引用)4 英語教育の推進及びグローバル人材育成のための具体的な方策(13から16ページ)

その流れを引き継いて、平成29年7月4日に開催された東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会によってさらなる検討が進められました。どうでもいいですがとっても長い名前の委員会ですね(笑)

ちなみに委員の名簿はこちら。

東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会 委員名簿

大学教授3名・教育委員会2名・中学校の校長2名・高校校長2名・行政4名。教育委員会は23区から1名、26市から1名なのでかなりバランスよく集めていることがわかります。 

さて、どうしてスピーキングが求められるのか「意図」の部分を引用します。

高校入試でスピーキングが評価されないので、高校入試を控える3年生になると入試に対応するために、リーディング中心の授業になるような状況は避けるべきである。

(引用)東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会(第1回)会議要旨(平成29年7月4日)

つまりリーディング重視の現在の授業に危機感を持っていて、大学入試は変わるけど高校入試はこのままで良いの? ってことなんですね。以前の記事でも書きましたがセンター試験は実質1技能(「読む」)しか求められていないことなどスピーキング能力を評価する体制が難しいことを述べてきました。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。 

www.ryosaka.com

陵坂の考えとして「生身の人間が話せる力」って今後増すんじゃないの、というスタンス。技術の進歩によってスマートグラスなどの機器が身近になれば旅行レベルの英会話であれば困らなくなるかもしれません。

仮にそういう機器が前提の世の中になったとして生身でも話せる有意性って減るんでしょうか。世の中ってスイッチのON/OFFのように一晩で切り替わったりしませんよね。すぐに最新鋭の機器を使いこなすアーリーアダプターばかりじゃないし、そういうのに拒否を示すタイプの人間も出てくるはずです。人間同士のやり取りが発生する限り、なかなか価値は減らないでしょ。 

どんな内容のスピーキングテストなのか?

少し話がそれてしまいましたが、じゃあどんなテストになるんでしょうか。新聞記事では面接形式なのか、電子端末の機器を使うのかどうか書かれていますが保護者として気になるのはもっとテストの中身でしょ。もちろん機器関係も大事なんですけどね。機器によってはライティングはタイピングさせちゃおうとなるかもしれないわけですから。

冒頭の日経新聞の記事ではこのように書かれています。

スピーキング試験の導入にあたっては、資格・検定試験を手がける民間団体と協力する。出題範囲は中学校の学習指導要領の範囲内。既存の検定試験を活用するか、新たに試験をつくるかは今後検討する。通常の入試とは別日程で実施し、公平を期すため受験回数は1回とする見通しだ。

試行テストは2019年度(平成31年度)を予定しているそうなので1年後にならないと本当のところはわかりません。大学入試のように検定試験の民間活用が一番現実的ですがどうなるのでしょうか。都教委のプライドとして自力作成しそうな感じもあります。

ただテストの方向性についてのヒントが資料の中に隠されています。それがこの文章。

(テスト内容)

○スピーキングテストの評価項目を検討する必要がある。

○新学習指導要領を踏まえると、「話すこと〔発表〕」「話すこと〔やり取り〕」の両方の領域を測る必要がある。加えて「即興」で話すことも重要な要素である。

(引用)東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会(第1回)会議要旨(平成29年7月4日)

スピーキングの「話すこと」を「発表」「やり取り」とあえて二つに分けていますよね。これは別に東京都が目立とうとしてやっているわけではありません。文部科学省の小学校学習指導要領解説にもちゃんと出てくるんです。ちょっと引用してみましょう。

中学年の外国語活動では,伝え合う力の素地を「外国語で聞いたり話したりして」と,「聞くこと」,「話すこと[やり取り]」及び「話すこと[発表]」の三つの領域を通して養うこととしている。一方,高学年の外国語科では,「聞くこと」,「読むこと」,「話すこと[やり取り]」,「話すこと[発表]」,「書くこと」の五つの領域を通して養うこととしている。これは,中学年で初めて児童が外国語に触れることに配慮したものである。また,中学校の外国語科では,「外国語で簡単な情報や考えなどを理解したり,これらを活用して表現したり伝え合ったりする」としており,複数の領域を統合した言語活動を通して養われることとなる。

(引用)小学校学習指導要領解説外国語活動編 平成29 年7月 文部科学省

このように明確に小学校時点ですでに「やり取り」「発表」と分けているわけです。で、それを踏まえた中学校の授業があって高校入試ですよ! 

この2つの要素が入ったスピーキングテストにならざるを得ないでしょ。

なので「会話形式のスピーキングテスト」と英語or日本語の文章を読んで、それについて意見や考えを英語である程度の分量を話す「発表形式のスピーキングテスト」の2つが合わさったものになるんではないでしょうか。

英語の総合的な能力を読みとるなら文章も英語でしょうが、「発表」のスピーキング能力に焦点を当てるなら文章は日本語の方が明確になるので日本語の方がありそうかな?

あくまで予想なので当たったらこのブログ読んでてラッキーだったくらいに思ってください。

何歳の子どもがそのスピーキングテストを受けるのか。

一番興味があるのは自分の子どもに影響があるのかどうかですよね。公開されているスケジュールを見てみましょう…。

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(引用)東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書

全くわかりません!!!(爆)

2019年から「プレテスト実施」と書いてるけど「一部実施」「拡大実施」の境目も曖昧。図ではH35年ごろに拡大実施の文字があるけど、たぶんたまたまでしょ。

まず一部実施ってどこなのよ? 推測なので高校名は出しませんが「進学重点校」や国際教育に力を入れている高校じゃないでしょうか。実際、進学重点校は今も独自の入試をしていますしね。たぶんこの辺のリストに上がっている学校から導入すると思います。

都立高校における進学指導重点校等の指定について:東京都教育委員会

大学入試と同じ準備期間だと考えるとプレテストが2年くらいと想定できますよね。すると2021年から一部実施なのかな。どうなんでしょうね。

仮にそうだとすると2006年(平成18年)生まれの子どもから受験する可能性が出てくることになります。今12歳でちょうど小6。この4月から中学校でスピーキングテストに向けて3年間だと考えると結構リアルな気がします。

*繰り返し書きますがあくまで予想です。

他の都道府県は?

現状公立でスピーキングテストはしていません。けれど。東京都がやりだしたら他の都道府県も追随する流れでしょ。だって大学入試は全国規模のバトル。それでなくても東京都は選択肢という立地面で圧倒的に優位なんです。他の都道府県としては東京都の子ども達に勝てる子どもを作らなきゃ、って考えるでしょうからすぐに追随する都道府県が出てくるんじゃないでしょうか、とこれまた予想しておきます。

 

ほな、さいなら。

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