どうも、りょうさかさんです。
今回は読売新聞が報道した『「小1問題」解消のために幼稚園から教育プログラム』について解説したいと思います。
詳しい内容は、元記事のこちらをどうぞ⇒
【独自】学習態度・学力ばらつき「小1問題」解消、文科省が5歳児に「教育プログラム」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
幼稚園から教育プログラムの内容
まずは報道の内容を見てみましょう。
同省は2022年度からモデル事業をスタートし、効果的な教育活動をプログラムとしてまとめ、23年度以降の全国普及を図る。
プログラムでは、生活や学習の基盤となる「言葉」、「情報活用」、「探究心」に関する能力や態度の育成を目指す。例えば「言葉」では、絵本の読み聞かせやゲームなどで語彙(ごい)を豊かにし、「情報活用」は遊びながらタブレット端末などに触れる。「探究心」では、砂場で土に水をかけるとなぜ固まりやすいのかなど、身の回りの疑問の話し合いなどが考えられる。活動を通じ、小学校での学習に結びつくような好奇心や粘り強さ、協調性などを養う。
(引用)【独自】学習態度・学力ばらつき「小1問題」解消、文科省が5歳児に「教育プログラム」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
以下の4つがポイントですね。
- 2022年からモデル事業をスタートし、2023年以降全国で実施
- 語彙の形成
- タブレット端末へ触れる
- 身の周りの疑問の話し合い
「小1問題」解消を目的とした「教育プログラム」なんですが、文科省の意図を想像する前に…
そもそも「小1問題」とはなんでしょうか?
「小1問題」とは
「小1問題」と新聞記事に合わせて書いていますが、「小1プロブレム」とも言います。
「東京学芸大学の調査」では、「小1プロブレム」を以下のように定義しています。
「小1プロブレム」の定義:「入学したばかりの1年生で、集団行動がとれない、授業中座っていられない、話を聞かないなどの状態が数ヶ月継続する」
簡単に言えば、教師の話を聞かなかったり、椅子に座って授業が受けられなかったりするような状態です。
1998年頃から問題化し、近年では幼稚園・保育園・認定子ども園と小学校が連携してスタートカリキュラムが実施されています。(スタートカリキュラムを説明すると長くなるので割愛)
「小1プロブレム」の要因として平成20年の文部科学省の資料では「家庭のしつけ」「児童自身の問題」であると指摘されています。
また上記の2つの原因だけではなく、幼稚園・保育園などと全く違う環境や小学校入学時点の学力差が要因であるとも言われています。
この「小1プロブレム」については「そもそも子ども・保護者の問題か?」という視点もあります。
フィンランドのように授業に参加していれば座り込んだり、寝転んでも問題ないという考え方もありますし、そもそも「ある年齢に来たから入学する」という一斉入学の考え方をやめてもいいわけです。
「9月入学」に関する記事でも書きましたが、海外には小学校の「早期入学」「飛び級」「留年」があります。(幼稚園の「留年」がある国もあります)
詳しくはこちらをどうぞ⇒
つまり『小学校に入った瞬間、枠にはめる事がそもそも良いの?』という視点があることも踏まえておきましょう。
ただ「枠にはめない教育」や「早期入学」「飛び級」「留年」といった制度が「みんなと一緒が安心・普通」という考えが強い日本で、受け入れられるのか? なかなか馴染むまで時間がかかるのではないか? というのが一般的な感覚ではないでしょうか。
幼稚園から教育プログラムの狙い
さて、「幼稚園から教育プログラム」の狙いに話を戻しましょう。
上段でまとめた4つのポイントは以下の通りです。
- 2022年からモデル事業をスタートし、2023年以降全国で実施
- 語彙の形成
- タブレット端末へ触れる
- 身の周りの疑問の話し合い
この中で着目すべきだとわたしが感じるのは「タブレット端末へ触れる」という部分です。(他の「語彙の形成」「身の回りの疑問の話し合い」は、さほど目新しいものではないですし)
「タブレット端末に触れる」という取り組みが「GIGAスクール構想」と関係していると推測するのは容易です。
GIGAスクール構想とは、簡単にいえば小・中学生全員にタブレット端末を配布することです。
GIGAスクール構想については詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ⇒
このGIGAスクール構想で課題として浮かび上がったのがタブレット端末の操作スキルの教育です。
扱い方、収納方法、持ち歩き方、充電の仕方、端末へのログイン方法、使用上のルールなど…教員ではないわたしが少し考えただけでも教えることは盛り沢山です。
しかも教える相手は大人ではなく、小学1年生。
またタブレット端末をある程度、授業の中で使おうと思えば、タイピングが必須になります。
つまりGIGAスクール構想が、新たな「小1プロブレム」の要因にもなりかねない。
そこで、文科省は幼稚園から教育プログラムに「タブレット端末に触れる」を入れたとわたしは考えました。
この教育プログラムが実施されるかは別として、ある程度ご家庭で準備をしておくことをオススメします。
りょうさかさん家でも娘が幼稚園の年中さんになった時点でタブレットを購入しましたよ。
記事を書いてから2ヵ月が過ぎ、娘が今ハマっているのはプログラミングのアプリです。
それでは、また。
具体的な準備方法は、こちらの記事をどうぞ⇒