りょうさかさんと

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【書評】「『育てにくい子』と感じたときに読む本」


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どうも、りょうさかさんです。

今回は「『育てにくい子』と感じたときに読む本」(佐々木正美/主婦の友社)をご紹介です。

児童精神科医の佐々木先生が読者の悩み相談に答えてくれる本です。

正直あまり期待していなかったのですがw、予想以上に読んでよかったと感じましたよ。

わたしが気に入った部分を3点紹介しますね。

私が特に気に入った3点

わたしが本書を読んで特に気に入った部分は以下の3点です。

  1. 親は「過保護」で良い
  2. 「仕事で疲れている」は子どもの前で禁句
  3. 育児が楽しくなるコツ

以下、詳しくご紹介しますね。

親は「過保護」で良い

本書で語られる親の姿勢は「過保護で良い」というものです。

「過保護」とは「子どもの望んでいることをやってあげすぎてしまう」ということです。

(引用)「『育てにくい子』と感じたときに読む本」(佐々木正美/主婦の友社)p.23

子どもがお願いする「抱っこ」「遊ぼう」「欲しい」「食べたい」といったことを全部満足させるように振る舞うことです。

ただそれら全てを叶えてあげることは物理的・時間的・金銭的制約でできませんよね。

だから本質的に過保護になることはできないんです。

本質的にできないからこそ「過保護であろうとする姿勢」をもって接することが大事だという趣旨なんですね。

また「過保護」に育てることのメリットとして「絶対に守ってもらえる」と思った方が子どもが伸び伸びと活動できると述べられています。

一方で、「過干渉」とキッチリわけて述べられています。

過干渉は、過保護とはちがい、子どものやりたいと望まないことをやらせすぎてしまうことです。

(引用)「『育てにくい子』と感じたときに読む本」(佐々木正美/主婦の友社)p.26

過干渉の弊害として自主性や主体性が育たなくなると指摘します。

とはいえ、親としては子どもの未来から目の前のことを気にして、アレコレ言ってしまいますよね。

ついつい親の価値観を押し付けてしまうのも「過干渉」の一つなのでしょう。

ある意味、「過干渉」とは子どもを思う親として至極当然なのかもしれません。

だからこそ「頭の中に過干渉に気を付ける」というブレーキを持っておくことが大事なんだと思います。

このブログで書いている通りわたしは、娘に幼児英語教育をしたり、子どもの教育に意識的に介入しています。 

それでも一定のブレーキをかけています。

以前書いた記事でも落合陽一さんの言葉を引用しましたが、「親が引いたレールを歩む子どもに育ってしまっては結局、子どもの将来のためにならない」んですよね。

「仕事で疲れている」は子どもの前で禁句 

働きながら子育てをしていると体力的にも精神的にも疲弊しますよね。

そんな時に「お父さん、仕事で疲れているからごめんね」とつい言ってしまうことがあります。

本書ではこのように書かれています。

仕事で疲れているのは親の勝手なのです。子どもは、「仕事で忙しい親」の子どもに生まれたいと願って生まれてきたのではありません。

(引用)「『育てにくい子』と感じたときに読む本」(佐々木正美/主婦の友社)p.113

キビシイぃぃ!! 

けれど、その通りなんですよね。

本書では忙しくて時間が取れない方、共働き世帯で時間が取れない方への提案として「食事・お風呂・就寝」の際にしっかり関われば大丈夫ですよ、と述べます。

家庭を「子どものくつろげる場」として大切な時間を過ごせられれば良いという優しいお言葉。

わたし自身出来るだけ仕事を早く終わらせて、食事を一緒に食べ、お風呂・寝かしつけをするようにしているんですが、コレで良い!と言ってもらえた気分でした。

育児が楽しくなるコツ

わたしがもっとも気に入ったのが最後に紹介する「育児が楽しくなるコツ」です。

育児が楽しくなるコツは、「できるようになる時期は、自分で決めていいよ。それまで待ってあげるからね」と思うことです。

(引用) 「『育てにくい子』と感じたときに読む本」(佐々木正美/主婦の友社)p.27

子どもの出来る・出来ないってどうしても気になってしまいますよね。

ひらがなが読める・足し算ができるなどの知育系もそうですし、トイレや歯磨きなどの習慣系も気になると思います。

幼稚園のお友達は一人で出来るのに、親戚の子どもは出来るのに。

そうやって比べて、目の前の子どもに結果を求めてしまうことってあると思います。

そんな時に「できるようになる時期は自分で決めていいよ」と一歩下がることってとても難しいですよね。

でも、何歳までに一人で歯磨きができる、髪を洗うことができるって本当は焦る必要ないんですよね。

子どもを信じて子どものペースに任せる。

そういう姿勢が過干渉を防ぐためにも大切なんだと思いました。

子育てはブレーキが大事

本書を読んで感じたのは子育てにもブレーキが大切だということです。

子どものことを大切に思うからこそ、親は「させなくちゃ」「出来るようにしなくちゃ」と過干渉になったり、親の価値観を押し付けてしまったりしてしまいます。

車で言えばアクセルを踏むことですよね。

しかし、アクセルを踏むだけではすぐに事故にあってしまいます。

子育ても同様にアクセルだけではなく、ブレーキを使って子どもを待つということが大切なんだと考えさせらました。

それでは、また。