どうも、りょうさかさんです。
蓮舫議員が大学入試改革についてツイートをされました。
45名の高校生が集まり8チームに分かれて議論した「大学入試」を提案。小学生から高校までの社会経験などのポートフォリオを活用、AO入試の拡大、英語の実用的評価方式、地方大学と企業とのコラボの地方創生など実に拝聴すべき提案ばかりで刺激を受けました。
— 蓮舫・立憲民主党(りっけん) (@renho_sha) February 7, 2020
未来を生きる生徒たちの未来の提案。 https://t.co/y56VXJtnYV pic.twitter.com/NFzuNmIM5u
お怒り方もいるようなので、それに関連して教育環境の背景について解説しておきます。
ちなみにわたしは蓮舫議員と何ら関係ありませんし、支持者でもありません。
ただそんな叩かれること言っていないんじゃない? と素直に思うので書いてみました。
そういえば小池百合子都知事の時も同じことをしましたが、今となっては…。
冒頭で引用したツイートには1200以上(執筆時点)の「いいね」が付いている反面、リプ欄には否定的な意見が多いように感じます。 興味のある方はご確認ください。 【蓮舫議員】AO義塾主催のイベントでAO入試拡大を提案 - Togetter 特に以下の2点が気になった方が多いようです。 端的に言えばポートフォリオとAO入試ですね。 さて、まず大前提としてこちらのイベントは蓮舫議員、ましてや立憲民主党が主催ではありません。 この画像の右上にある通り「PoliPoli」さんと「AO義塾」さんのコラボであり、主催は「PoliPoli」さんです。 (蓮舫議員のWEBサイトにもハッキリ書かれています。) 2/7(金)17:00から参議院議員会館で中高生20名の方と大学入試のあり方について議論するpolipoli主催の企画に参加いたします。 「新しい大学入試改革の形を考えよう」 | 蓮舫 Official Site PoliPoliさんは「ソフトウェア会社」。 AO義塾さんは「AO入試で大学受験し合格するための塾・予備校」です。 これだけ見てもAO入試の拡大は、主催者のコラボ相手のポジショントークの影響だと想像できる(悪いわけじゃありません)わけですが、更に解説を進めましょう。 AO入試の拡大について、実は既に既定路線です。 以前も記事にしていますが、AO入試は国立大学協会の方針として「平成32年度(2020年度)以降の国立大学のAO入試・推薦入試の割合を30%以上にする」というものが出されています。 以前の記事はこちらをどうぞ⇒AO入試が増加するワケ - りょうさかさんと じゃあ、実際にどうかというと「旺文社」さんが調査されています。 ◎国立大、公立大ともに共通しているのは推薦入試・AO 入試の募集人員の増加。全体の募集人員に占める「推薦+AO」の割合は国公立大合計で 20.4%(前年は 20.0%)と 2 年連続で 20%を超えた。 (引用)国公立大 「推薦+AO」 募集人員5 年で 15.8%増、全募集人員の 20.4%に!国立大 AO 入試の募集人員は、5 年間で 1.6 倍!(旺文社 教育情報センター 2020 年 1 月) 既に2019年の時点でAO入試・推薦入試の割合が20%! 蓮舫議員からすると「今進んでいる方針が大事だよね」と確認しただけに過ぎません。 コレってそんなに叩かれることでしょうか? さて、一旦AO入試については横に置くとして「ポートフォリオ」についてです。 こちらについては「家庭の状況が学歴にダイレクトに差がでる」などの批判が上がっていました。 その指摘についてわたしも同感です。 詳しくはこちらの記事をどうぞ⇒ JAPAN e-Portfolioの問題点 不利になる生徒とは? - りょうさかさんと 以前の記事でまとめたことを端的に書くと「病気、イジメ、不登校、ドロップアウト」などの境遇におかれた子ども達のリカバリーが困難になるという点です。 そして、これって導入を考えている方も当然把握しています。(関係者にお話しを聞いた際にも仰っていました) じゃあ、どうしてポートフォリオなのか? ペーパーテストだけでいいじゃん? そういう意見もあると思います。 今回の英語入試改革においても「ペーパーテストだけで十分じゃないか」という意見が出ましたよね。 それは多くの人にとってフェアだからです。 一方で、このペーパーテストからこぼれ落ちる人がいます。 落合陽一さんの著書「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」ではこのように書かれています。 人類全体にとって本当に役に立つ人は、国語、算数、理科、社会の4教科ですべて100点を取れるタイプよりも、3教科では1点しか取れないけれど、1教科だけは100万点を取れる能力があるタイプではないかと僕は思っています。ところが、現行のテストには100万点の配点はなく、それぞれ最大100点しか取れません。結果その人の合計点は103点しかならず、すべての科目で50点しか取れない合計200点の人にも勝てません。しかし、100万点を取れる教科がある人は確実にその道ではエリートです。つまり平均してそこそこ取れる人の方が有利にできているのが今の受験システムなのです。 (引用)「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」(落合陽一・小学館)p.44-45より 落合陽一さんは、ペーパーテストでは極端な天才を救うことが出来ないと指摘しています。 もちろん上記の説明はかなり特殊な例ですが、落合陽一さん自身が現役・一浪で東大受験に失敗し、結果筑波大学に入学していることを知ると考えさせられてしまいます。 こういうペーパーテストの弊害への考えがあり、こぼれ落ちる人材を拾い上げることが出来そうなツールとして考えられた一つが… AO入試であり、ポートフォリオなわけです。 もちろん前述のようにこれらは完璧ではありません。 ペーパーテストでも、AO入試・推薦入試でも、ポートフォリオでもそれ単体では誰かがこぼれ落ちます。 現実的は、これらを組み合わせていくことで補うという考えになります。 もっと言えば大学入試改革については、以下の2点を進めていくことが大切だと考えます。 1については国が遅いので大阪では一部無償化の取り組みが始まりました。 (参考)大阪府、府大&市大の授業料を一部無償化 | Lmaga.jp さて、蓮舫議員のツイートに話を戻すと蓮舫議員が指摘したのは2番についてです。 そして、その内容がそこまでオカシイことではないことがご理解いただけると思います。 蓮舫議員におかれましては今回取り上げられた2番「窓口拡大」だけではなくぜひ、1番「補助・無償化」についても取り組んでいただけると良いのではないでしょうか。 特に無償化は「格差是正」「少子化対策」に繋がりますので、よろしくお願いいたします。 それでは、また。 蓮舫議員の大学入試改革のツイートについて
AO入試の拡大について
ポートフォリオについての批判
ペーパーテストの弊害
入試は多様化の時代へ