りょうさかさんと

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【書評】「脳の力を無限に引き出す幼児教育」子どもに多様な経験をさせる大切さ


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どうも、りょうさかさんです。

今回は「脳の力を無限に引き出す幼児教育」(苫米地英人/扶桑社)についてです。

この本を読んで「子どもに多様な経験をさせた方が良い」という理由がようやくわかりました!

「脳の力を無限に引き出す幼児教育」とは

「脳の力を無限に引き出す幼児教育」は、認知科学者(機能脳科学、計算言語学、認知心理学、分析哲学)の苫米地英人さんの書籍です。

本書の教育観は「子どもを一人の人格として認め、親の価値観を押し付けない」という大前提があります。

その上で『「子どもが何かしたい」と思ったその夢を実現できるような力を育んであげることが親の役割』であるというものです。

この苫米地式幼児教育として4つのキーワードが掲げられています。

  1. クリティカルエイジ…脳が最も効率よく学習する時間
  2. 自己イメージ…自分で自分のことをどう見ているか?
  3. コンフォートゾーン…心身ともにリラックス。脳の働きを向上する空間
  4. 抽象度…IQがアップする重要な能力

これらの具体的な内容についてはぜひ、本書をご覧ください。

わたしが本書を読んで引っかかったのはIQについてです。

IQって何?

IQって何ぞや?

ここで1つ質問させてください。

「IQが何か あなたは説明できますか?」

IQを日本語で言えば「知能指数」ですよね。

では「知能」ってどういうことを言うんでしょうか?

なかなか説明できないですよね。

計算力? 記憶力? 思考力? どれでしょうか?  

本書では「IQ」を「身体では体感できない空間をリアルに感じて操作する能力」と定義しています。(本書p.42より)

例示として「文字で表現される空間」「音楽で表現される空間」「数学で表現される空間」などの抽象度の高い例が掲載されています。

そして、抽象度の高い思考ができるようになるとIQが上がるとしています(p.41)

抽象度の高低を行き来する

わたしは本書の「IQ」の箇所を読んで漫画「海皇紀」6巻ビジネス書「これからの会社員の教科書」の2冊の言葉を思い出しました。

漫画「海皇紀」にはこんなセリフがあります。

「自分の目で見たものしか信じない」
などと言ったり思うのはよしなさい…と
おふくろに言われて育ったんだ
見なくとも真実はあるだろうし……
逆に言や…
この目で見たからといって
必ずしもそれが正しいとはかぎらない…とね

(引用)海皇紀6巻(川原正敏/講談社)p.95より

一方、ビジネス書「これからの会社員の教科書」にはこんな文があります。

「現地・現場・現物」に価値がある。(NO.1463より)

実感、体感が積み重なっていくと、直感的にものごとがわかるようになってきます。(NO.1465より)

(引用)「これからの会社員の教科書」kindle版(田端信太朗/SBクリエイティブ)より

一見、相反するように見えるかもしれません。

しかし、わたしは本書を読みながら、この2冊を思い出してとてもシックリきたんです。

少しキツイ言い方をすれば「自分の目で見た物、聞いたものしか信じない」というのはIQが低いということです。

一方で「簡単に得られる情報を鵜呑みにし、わかった気になる」のも危ういということです。

自分の目で見る・聞くという「現地・現場・現物」を大事にしながら、同時に自分の体験したことを盲目的に信じずに一度咀嚼して考える。

一方で、見なくても与えられた情報から思考し、理解・把握する力も大切であるということです。

つまり抽象度の高低を行き来することです。

学力の高い子どもの特徴も抽象度の高低を経験している

ベネッセなどの調査で学力の高い子どもの家庭ほど「絵本の読み聞かせ」と「美術館、博物館などの訪問が多い」と言われています。

これも抽象度の高低を行き来していると言えます。 

「絵本の読み聞かせ」は「言語能力」「親子の触れ合い」といった要素に加えて、子どもにとってちょうど良い高さの抽象度を経験させているとも考えられます。

一方で「美術館、博物館」などの現地に足を運んで本やテレビではわからない実際の大きさ、匂いなどを経験させています。

これらの経験がIQを高めているのではないでしょうか。

子どもにも様々な経験をさせてあげられるように、これからも一緒に遊んでいきたいと思います。

そんなことを「脳の力を無限に引き出す幼児教育」を読んで考えました。

興味を持った方は、ぜひ読んでみて下さいね。

それでは、また。