どうも、りょうさかさんです。
今回は「うさこちゃん」ことミッフィーについて書こうと思います。
わたしが好きなのはミッフィーの余白と余韻なんです。
ミッフィーの「余白」
図書館に行くと娘が必ず「うさこちゃんシリーズ」を6~8冊くらい借りるので、わたしも結構読みました。
読んだことがある人は知っていると思うんですが、ミッフィーは常に正面を向いています。
表情も3パターンくらいしかありません。
真顔
寝顔(俯き顔)
泣き顔
たぶんこれくらいしかパターンがないと思います。
それなのにミッフィーから心情がとっても豊かに感じられるんですよね。
例えば、ミッフィーが万引きをすることで有名な「うさこちゃんときゃらめる」について見てましょう。
この作品では「ふわかあさん」に「なんてわるいことをしたの!」と怒られるページでは涙を一滴流しています。
しかし、残りの全てのページの表情は、真顔で正面を見続けています。
文章でミッフィーの心情を説明し、目の微妙な位置や手や足で演技しているもののミッフィーは基本的に真顔なんです。
でも、真顔だからこそミッフィーの心情を読者が想像して埋めることのできる「余白」があるんですね。
ミッフィーの「余韻」
わたしが大好きな要素の2つ目は「余韻」です。
物語が終わって絵本を閉じた後に、さらっと心に余韻を置いていくんですよね。
そして、その余韻を残す一番の大きな要因は物語が淡々と進む点です。
それが象徴的なのが「うさこちゃんのだいすきな おばあちゃん」という作品です。
大人だったら表紙を見ただけでどんな内容かわかりますが、小さい子どもだとわかりません。
わたしの娘も初めて読んだ時にビックリしたようでした。
この作品の死と葬式の描写は、淡々としています。
ラストページ、おばあちゃんの墓の前にミッフィーは立ちます。
うさこちゃんは おはかのまえで だいすきな おばあちゃん と よびかけます。すると、おばあちゃんが ちゃんと きいてくれるのが わかります。
(引用) 「うさこちゃんのだいすきな おばあちゃん」(ディック ブルーナ ぶん/え まつおかきょうこ やく)
ラストページのミッフィーは後ろ姿しか見せません。
基本的に真顔しか見せないミッフィーが、ここでは表情すら見せてくれない構成の妙があるわけです。
ミッフィーが泣いているのか、優しく微笑んでいるのか。
大好きなおばあちゃんの死をどう受け止めているのか読者の想像に委ねられているんですね。
日常の延長に「死」があるのを逃げず、悲しむ親族とその先に再び日常が続くことが描かれているとわたしは感じました。
絵本を閉じた後も残る余韻が、切なくも心地よいのはこの淡々とした構成のお陰だと思います。
個人的にオススメなミッフィー本
わたしが娘と読んで好きなミッフィーの絵本は他にもあります。
「うさこちゃんおばけになる」
このカワイイ表紙のタオルも販売されています。
「うさこちゃんとたれみみくん」
娘と一緒にミッフィーを読むまで、わたしはミッフィーはただ可愛くて、のほほんとした内容だとばかり思っていました。
でも、読んでみるといろんなエピソードがあって心を豊かにしてくれる作品でしたよ。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
ネットでの「ためしよみ」なら「絵本ナビ」で出来ます。わたしもこちらを使って中身を確認していますよ。
リンクはこちら⇒絵本ナビ 子どもに絵本を選ぶなら
それでは、また。