どうも、りょうさかさんです。
今回は「子どもの心のコーチング」(菅原裕子・PHP文庫)についてです。
世界トップクラスのプロスポーツ選手ですら、自分より技術的に下手なコーチを「三顧の礼」で迎え入れますよね。(表現に語弊がありますが…)
つまり世界トップクラスであっても、より良く成長させるためにはコーチが必要だということです。
では、親とは子どもにとってどんなコーチであれば良いのでしょうか?
「子どもの心のコーチング」とは
「子どもの心のコーチング」は、子どもの能力を伸ばすコーチングについてまとめられた書籍です。
2007年に出版され、わたしが購入した時には「いま1番売れてる子育て文庫!!」「65万部突破」の帯が巻かれていました。
著者の菅原裕子さんはNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。
人材開発コンサルタントとして、コーチングを実践されてきた方です。
本書の内容は、章タイトルを見てもらうとよくわかるのですが
- 親の役割は何?
- 子どもに教えたい3つの力
- 子どもを幸せにするしつけ
- 心を結ぶ聴き方・伝え方
- 親の幸せは自分でつくる
わたしが特に響いたのは3章「子どもを幸せにするしつけ」、4章の「心を結ぶ聴き方・伝え方」です。
「子どもの心のコーチング」の注意点
わたしが響いたポイントを紹介する前に本書を読む際の注意点です。
それは本書「子どもの心のコーチング」の発刊が2007年だということです。
発刊から10年以上経つ中で、科学的に不確かな言及もあるのでその点だけは頭に入れて読んでください。
例えば、「ゲームが脳に悪影響(p.133)」という趣旨の文章があるんです。
これは2002年に出版された「ゲーム脳の恐怖」の影響だと思いますが、これには疑似科学などの批判があります。(ゲームについては「視覚能力を高める」「問題解決能力を高める」といった研究があります)
「何事も過剰は良くないくらい」に抑えておく方が良いと思いますよ。
「子どもの心のコーチング」の教育観
本書の教育観をわたしがギュッと3行に意訳すると…(()内は該当ページ)
- 目指すのは子どもの自立(p.16)
- 生きていくうえでもっとも大切な感情が「自己肯定感」(p.54)
- 親も子どもから自立する(p.214)
2007年の書籍でありながら、今注目を集めている「自己肯定感」に言及しているんです。
これが発刊から10年以上経っても読み続けられている要因です。
子どもの心のコーチングの具体的な手法
「自立」「自己肯定感」という教育観を基に具体的にどういうコーチングをすると良いのかという考え方が書かれています。
その中からいくつかご紹介しますね。
禁止語と命令語を使わない(p.66)
- 禁止語を使わないようにするために環境を整える。
- 命令をしなくても良いように習慣づける
責任を教える(p.87)
- 子どもと会話した上で、朝起こさないことから始める
- 子どもを起こさずに、1人で出来たことを認める
人の役に立つ喜びを教える(p.102)
- 「いいこね」「えらいぞ」という簡単な言葉で済まさない
- 言葉で「どう助かったのか」「なぜ嬉しいのか」を伝える
サポートの基本は「聴く」(p.164)
- まず黙る
- オウム返しで心を開かせる
- 子どもと話し合いをして、子どもに決定させる
これらの項目について詳しく知りたい方はぜひ、本書をご覧ください。
今回紹介した以外の要素についても具体的な言葉かけが掲載されていますよ。
「子どもの心のコーチング」のまとめ
「コーチング」関係の書籍は本書以外にも読んでいますが、改めて大切だと痛感したのは「聞く力」です。
「聞き上手は話し上手」なんて言葉を聞いたことがあると思います。
コーチングというとなんとなく「レクチャーの仕方」「話し方」のように感じてしまいますが、違うんですね。
「子どもの心のコーチング」とは、
子どもの考えを聞きながら、子どもの進みたい方向にサポートすることです。
それは、子どもを一人の人間だと認め、自立を促すことであり、同時に親も子どもから自立することでもあります。
興味を持った方は、ぜひ読んでみてくださいね。
それでは、また