どうも、りょうさかさんです。
今回も「大分断-教育がもたらす新たな階級化社会」(エマニュエル・ドット/大野舞 役/PHP新書)です。
今回は、本書を読んで改めて「人口推計」について調べ直しました。
ちなみに前回は、本書を読んで「政治家の学歴」について書きました⇒
放置され続けた日本の出生率
当ブログでも日本の少子高齢化・人口減少について言及してきました。
どの程度、減っているかというと「2020年は50万人減少した。どれくらいの規模かというと例えば、鳥取県の全人口が消滅したくらいの人数だ」と言われています。
2020年1月1日時点の住民基本台帳人口は、前年から日本人住民が50万減少し、外国人住民が20万人増加して、1億2713万人8033人となった。2009年をピークに日本は人口減社会に突入しているが、日本人人口の減少幅が50万人を超えるのは初めて。そのインパクトを分かりやすく表現するとすれば、鳥取県の人口56万1175人(日本人+外国人)に近い人口が消滅したことになる。
(引用)日本人人口、初の50万人超の減少 : 外国人比率2.25%に上昇 | nippon.com
この点についてトッド氏は、日本が少子高齢化・人口減少を放置した理由として「グローバル化による経済的なプレッシャー」だと指摘します。
グローバル化による経済的なプレッシャーは、日本のような国がその最も重要な課題である出生率の回復と向き合うこと、つまり支援のためにお金を注ぎ込むことを邪魔しているとも言えるのです。
(引用)「大分断-教育がもたらす新たな階級化社会」(エマニュエル・ドット/大野舞 役/PHP新書)p.95より
トッド氏の指摘はわたしにとって新鮮な指摘でした。
さて、このまま減り続けると日本の人口はどうなるのでしょうか?
日本の人口推計について内閣府の資料を見るとこんなグラフがあります。
(引用)令和2年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) - 内閣府
「令和2年版高齢社会白書」(2020年)の数字によると、2055年に人口が9,744万人になると書かれています。
2020年から2055年の35年間で約2,800万人が減るという予測です。
これって言い換えると、東京都と埼玉県と千葉県の3つの人口が吹き飛ぶくらいの数字なんですよ。
しかも、この数字、だいぶ楽観的じゃない?
出生率は回復しているのか
なぜなら10年前の「平成22年度高齢社会白書」(2010年)の数字では、2055年の人口は8,993万人と予想されているからです。
(引用)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2010/zenbun/pdf/1s1s_1.pdf
じゃあ、出生率がどうなっているのか? というと…
出生率の推移は、厚生労働省のこちらのグラフをどうぞ。
(引用)図表1-1-7 出生数、合計特殊出生率の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
出生率は2007年前後から2015年にかけて少しずつ増加傾向ですが、2040年に出生率が1.43まで回復していると考えるのはポジティブだと思います。
しかも追い打ちをかけるようにコロナ禍で出生率・出生数が減ってしまいました。
2020年の出生数は、なんと統計史上最小の84万832人!
(参考)2020年の出生数、統計史上最小84万832人…出生率も低下し1.34 | リセマム
これらを考慮すると人口推計としては、2010年の厳しい数字の方がリアリティがあると思うんですよね。
人口減少は国難
当然、人口が減れば税収も減りますし、市場規模が縮小するので民間のビジネスだって厳しくなります。
政治と社会が産みやすい環境・育てやすい環境を整えなければ、高齢者も現役世代も今の子どもたちもドンドン辛くなっていくわけです。
人口の多い海外に目を向ける選択肢もありますが、世界的にも人口減少を辿っているので、今の高齢者や若者は助かるかもしれませんが、未就学児や次の世代はさらに厳しい状況におかれることになります。
「未来の年表-人口減少日本でこれから起きること(河合雅司/講談社)」では、人口減少を「有事」と表現をしていました。
人口減少は「国難」です。
政治思想には右・左・真ん中と色々あって、それ自体を否定はしません。
しかし、人口が減ってしまえば国力のあらゆる分野が低下します。
政治家には、子育て支援に力を入れている人を選ばなければならないと改めて考えました。
それでは、また。
世界的な人口減少についてはこちらの記事で触れています⇒
新型コロナの影響についてはこちらにも書きました⇒