日々、何かが炎上しています。
「芸能人の不倫」「結婚するな発言」「さっさと結婚しろ発言」もあれば、「内定辞退セット」「日本じゃ女性に席を譲ってくれない」などなど。
わたしが興味をもつのは、どうして炎上するのかという要素です。
今回は、この炎上の要素について考えてみました。
わたしの仮説を書くと
- 当事者意識を持ちやすい案件である
- 対立構造が複数隠れている
- 選択できない属性について対立構図が見える
とより炎上しやすいというものです。
ネット上で議論が白熱するケースについて考える
どうして炎上するのか?
という問いの前に炎上にもいくつかの種類があります。
ネット誹謗中傷弁護士相談Cafeさんのサイトによると大きく分けて下記の5パターンがあるそうです。
- 企業やお店がトラブルを起こすケース
- 個人の言動がマナー違反
- 差別発言、侮辱発言
- 問題行動、法律違反、コンプライアンス違反であるケース
- ネット上の議論が白熱するケース
(引用)ネット炎上はナゼ発生するのか?仕組みから予防策や対処法を考える | 誹謗中傷弁護士相談Cafe
この中でわたしが取り上げたいのは「ネット上の議論が白熱するケース」です。
これを考えるきっかけになったのは2020年1月15日に放送されたテレ朝の「羽鳥慎一のモーニングショー」の「レディファースト特集」です。
(参考)玉川徹氏、『羽鳥慎一モーニングショー』で「女性に席を譲ったことない」と矛盾発言|ニフティニュース
放送をご覧になっていない方も多いと思うので紹介すると「モーニングショー」では、「 「日本人はなぜ席を譲らない?」とツイートしたら「レディーファーストって意味不明」と猛反発された」という内容をメインに扱っていまいた。
テレビでは下記ツイートを紹介し、レディファーストについて出演者がコメントをしていました。
「今日ニューヨークの混んだ地下鉄で席を譲ってくれようとした若者がいて、その時思った。東京に2週間ちょっといた間、毎日電車に乗ったけど、一度も席を譲ってくれようとする男性(私にであれ、近くに立ってる人であれ)に会わなかったな。」
(引用) 「日本人はなぜ席を譲らない?」とツイートしたら「レディーファーストって意味不明」と猛反発された
2019年3月10日の記事をどうしてテレ朝が2020年1月15日の放送で取り上げるのか疑問に思いましたが、それだけ普遍的なテーマだということでしょう。(元記事の再掲の文字をテレビ局側が見落とした可能性もありますが…)
レディファーストがどうして炎上するのか?
「レディファースト」についてのツイートがどうして炎上するのでしょうか?
わたしの仮説は「当事者意識を持つ人数が多く、対立する要素が複数ある場合は炎上しやすい」というものです。
「レディファースト」ツイートの場面設定は、日常的な電車内の話で、多くの人が「当事者意識」を持ちやすい内容でした。
譲らなかった・譲ってもらえなかったという経験をしやすいので、まるで自分が非難されているように感じたり、逆に自分も同じような気持ちになったという人が多くなります。
この場面設定が仮に宇宙船の中だったら、全然ピンときませんよねw
そして、炎上するためには意見が対立する必要があります。
もちろん、ただ対立するだけでは炎上まではしません。
「レディファースト」ツイートが炎上したのは対立する要素が2つあったからです。
それが以下の2点です。
- 男女の対立
- 国の対立
「男女の対立」は、当該ツイートの中にレディファーストの要素として含んでいます。
「国の対立」は、日本とアメリカを比較する文章があります。
なぜ対立する要素が2つあると炎上しやすいのか?
それは、議論がかみ合いにくいからです。
対立の要素が複数ある場合、要素を整理せずに各々が自分が問題意識をもった部分について意見を述べがちです。
実際、テレビ朝日の放送では、「男性は疲れていても女性に席を譲らないといけないのか?」「男性が女性を譲るのはマナーとして当たり前」という趣旨の意見や「海外のような騎士道精神を日本では教えない」などの意見が上がっていました。
そうなると「日本はやっぱり遅れている」「アメリカは素晴らしい」「日本には日本の文化がある」「アメリカだってダメな文化がある」みたいな大雑把な意見が語られてしまい議論が拡散するだけです。
そして、この「男女」「国」という要素が特に炎上しやすい要素ではないかと考えます。
自分で選択できない属性が炎上の火を大きくする
では、どうして「男女」「国」という要素が特に炎上しやすいのか?
それは「男女・国」という要素が、自分で選択することができないからです。
「レディファースト」ツイートのように「男女」「国」は自分で選ぶことができない要素です。
他にも「世代」「生まれた場所」のような自分では変えようがないものも炎上しやすいと考えます。
また「男女」「国」「世代」「生まれた場所」のような属性は、本人が選択できないものであると同時に、本人にとって当たり前のものです。
当たり前のものだから注意しづらく、言葉の使い方によって予想以上に炎上してしまうと考えられます。
炎上を避けるためにはあえて意識したいポイントですね。
あえて炎上したいのなら
この仮説にしたがい、逆に炎上したい方は以下の点を意識してみてください。
当事者意識を持ちやすい案件をテーマに、男女や国、世代の中から複数の対立軸を用いて、強めの言葉を使うと良い
もし本当に炎上した際は自己責任でお願いしますね。
それでは、また。