りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

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「新型コロナ」で読書感想文・自由研究・探究活動をする際のヒント


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どうも、りょうさかさんです

「新型コロナ」による「緊急事態宣言」が2020年4月7日に発表されました。

子ども達は3月からGW開けまでの一斉休校に不安を抱えていると思います。

今、わたしが考えているのは「アフターコロナ」を迎えた世界です。

新型コロナへのわたしたち大人の対応は、これからの子ども達が生きる「予測できない社会情勢」の一端を象徴しています

しかし、悲観している場合ではありません。

子ども達は、今の間に不測の事態に「自分で考える力」を養う必要があります。

それには学校で取り組む「読書感想文」「自由研究」「探究活動」が有効です。

この新型コロナを乗り切った子ども達が「新型コロナ」から色々なことに興味を持ち、「読書感想文」や「自由研究」「探究活動」をしよう! と考えることを期待し、ヒントを書いていきたいと思います。

読書感想文にオススメの本

まず読書感想文にオススメの本です。

といっても、わたしが読んだことのある「ウィルス・細菌」が登場する小説は2冊しかありません。。。

村上龍の「ヒュウガ・ウイルス」と アルベール・カミュの「ペスト」です。

「ヒュウガ・ウイルス」は、「5分後の世界」を舞台に九州東南部で未知のウイルスが発生。細菌戦の特殊部隊と同行するジャーナリスト、コウリーの物語。

「ペスト」は、アルジェリアのオラン市を舞台に「ペスト」が発生。封鎖(ロックダウン)された都市の中を生きる医師リウーの物語。

どちらも小説でないと味わえない読書体験をすることができます。

参考までにわたしの読後感は、「ヒュウガ・ウィルス」は明日からの生き方が変わるような読書体験でした。

「ペスト」は、「不条理」や「人の心理」について考えさせられる読書体験でした。

どちらもわたしは大学時代に読みましたが、中学生・高校生から読むことが出来ると思うので、ぜひ、読んでみてくださいね。

他に「ウイルス・細菌」を扱った小説では「都市感染」「バベル」「復活の日」などがありますよ。

小説ではなく、感染症について知りたい方は以下のような本を読んでみてはどうでしょうか?

自由研究をするなら観点は?

新型コロナへの興味をもとに「自由研究」をするのならどのような観点があるでしょうか?

例えば以下の3つのような観点はどうでしょうか?

1.本で調べたこととあなたの周りを比較する

「調べ学習」的な調査をするのであれば、上で紹介したような小説・本を読んで、パンデミック発生時に共通する「政府の対応」「人々の反応」を調べてみてはいかがでしょうか。

その上で、現実世界のわたしたちの対応、あなた自身・あなたのまわりの人の対応と比較してみることが考えられます。

2.新型コロナで休校中のあなたの周りの行動を調べる

「休校中にあなたは何をしていました?」

こういうアンケートを学校内や駅前で統計を取るのも立派な自由研究です。

年齢別・男女別に違いがあるかもしれませんよ?

また「3密」(密閉・密接・密集)に当てはまらないのに自粛していたこと、「3密」に当てはまるのに実施していたことがあれば、その理由を考えてみるのはどうでしょうか?

もし政府や報道機関などによる同様の調査があれば、その調査と自分のアンケートを比較してみるのも一つの方法です。

3.新型コロナを他の病気などと比較する

「自由研究」に取り組む夏休み頃には「新型コロナ」が落ち着いているとして、他の病気などと比較してみるのも自由研究になります。

感染経路・潜伏期間・症状・感染者数・死亡率などを風邪やインフルエンザなどの身近な病気からそうでない病気と比較してみることも考えられます。

「死亡者数」「経済的損失」を観点に病気以外の他のものと比較するということも出来ますよね。

比較することでよくわからない怖いウイルスが「比較対象できるモノ」に変化していく過程をまとめてみるのも一つの方法です。

探究活動をするなら観点は?

自由研究から進めて「探究活動」にするためにはどのような観点が必要でしょうか?

忘れてはならないのは、自由研究と探究活動の違いは「調べて終わりではない」という点です。

言い換えれば、「自由研究」と「探究活動」とは以下のような位置付けになります。

  • 調べたことをまとめるのが「自由研究」
  • 調べてまとめたことを踏まえて、どうすべきなのか自分なりに提案するのが「探究活動」

つまり調べたことを踏まえて「日本はどうすべきだったのか?」「今後、似たように感染症が増えた場合にどうすべきか?」という提案を盛り込むことが必要になります。

分かりにくいと思うので少し例を出してみましょう!

探究活動例「新型コロナの予防接種の接種率を上げる方法」

例えば、「新型コロナ」のワクチンが開発されたとしても、予防接種率が低ければ意味がないですよね。

ちなみにインフルエンザの予防接種は「わが国におけるインフルエンザワクチン接種率の推計」によると「2010/11年シーズンの接種率は小児59.2%,一般成人28.6%,高齢者58.5%,全体で38.6%と推定された。」となっています。

もちろんこれだけ話題になったので「新型コロナ」の予防接種の接種率は、インフルエンザを越えることが期待できます。

しかし、探究活動では「ワクチンが開発されれば皆、予防接種をするはずなので大丈夫なはずです」という曖昧なことは言えません。

インフルエンザの恐ろしさは厚生労働省の「インフルエンザに関する報道発表資料 |厚生労働省」を見てもらえば、わかりますがかなりのものです。

それでも接種率は40%程度。成人に至っては30%程度です。

新型コロナの予防接種が始まったとしても、接種率が高いのは最初の1年だけのように思いませんか?

では、どうすればワクチン接種率はあがるのか?

これを考えて、過去の似た事例を調べた上で提案すれば立派な探究活動になりますよ!

仮に「アイドルがTVCMをすれば予防接種率はあがる!」そんな風に考えたとしましょう。

  • 過去にアイドルが予防接種のCMをしたことがあるのか?
  • アイドルのTVCMによって商品の売上がどう変化したのか?
  • アイドルが選挙CMや献血CMをした例はあるのか? その効果は?
  • 他国でしている例はないか? その効果は?

こういうことを調べていきましょう。

効果がなければどうして効果がないのか?

どうしたら効果が出るのか?

こうすれば効果が出たんじゃないかのか?(そう考える根拠は、過去の成功例があるから)

これはほんの1例ですが、疑問から次の疑問を見付けるように取り組んでいきましょう。

探究活動の他の観点

上では「新型コロナの予防接種率を上げるためには?」という観点例を出しましたが、他にも例えば以下のような観点が思い浮かびます。

  1. 各国の経済対策を比較した上で、日本に相応しいのはどの経済対策なのか?
  2. 各国の医療制度を比較した上で、医療環境は今後どうあるべきなのか?
  3. アフターコロナで変化したことと今後、経済・環境などの観点から日本はどうあるべきなのか?

最初は、こういう大きな観点から考え始め、徐々に興味のある分野にしぼりましょう。

1の「経済対策」に興味を持ったとしましょう。

経済対策といっても「補償」「景気復興」「雇用」などの複数の観点があります。

その中からさらに「補償」だけに絞って考えてみる。

「補償」の中でも「失業」「休止要請」など色々な補償があるので、それをさらに絞って考える。

こんな風にドンドン対象を限定して、比較検討すると考えがまとまりやすいですよ。

「新型コロナ」で読書感想文・自由研究・探究活動をする際のヒントのまとめ

今回は、「新型コロナ」で読書感想文・自由研究・探究活動をする際のヒントとして以下について述べました。

  • 読書感想文に使える書籍の紹介
  • 自由研究する際の観点
  • 探究活動をする際の観点

ちなみにこのブログの読者は、アクセス解析を見ると「先生」が多めですが安心してください。

このブログを参考に読書感想文・自由研究・探究活動をしたとしても、怒られることはありません。

なぜならこの記事では「結論」を一切書いていないからです。

だから安心して参考にして、自分で調べ、考えてみてくださいね。

それでは、また。