りょうさかさんと

教育業界にいる陵坂さんが教育・子育て・DWEなどについて書くブログ

りょうさかさんと






【GIGAスクール構想】PCは教材ではなく、あくまでツール 


f:id:ryosaka:20200315070426j:plain

GIGAスクール構想による学校へのPC1人1台導入が示されました。

一人一台導入については費用の面、学習効果の面など様々言われています。

今回は、学習効果についてみていきましょう。

わたしの考えは「PCはあくまでツール」ということです。

PCを教材ではなく「ツール」として扱う

結論から書くと児童生徒に一人一台PCの導入は、ただそれだけでは学力向上に効果がないという海外の研究があります。

一方で「習熟度にあった指導」が行われると学力が向上すると言われています。

つまりPCを使って「苦手な子向けの指導」「得意な子向けの指導」が求められているわけです。

詳しく中室牧子先生のこちらの記事をごらんください。

(参考)世界の研究が示した “一人一台PC導入”は「学力向上に効果はない」 実現すべきは「習熟度に合った指導」 - FNN.jpプライムオンライン

当然、このことは文科省もわかっています。

例えば下記の資料やGIGAスクール構想の資料などでは「公正に個別最適化された学び」という表現をしています。

f:id:ryosaka:20200313070010p:plain

(引用)文部科学広報NO.233 平成30年6月

つまり「公正に個別最適化された学び」を実現するためのツールの一つがPCだということです。

PCがツールであるということをどう捉えるかというと「鉛筆」「消しゴム」「コンパス」に加えて教具に「PC」が加わるという考えです。 

この「教具の一つ」という前提が共有されれば

「PCを活用しても学力が上がらないなら、PCは入れるべきではない!」

という批判は前提が全く違うことがおわかりいただけると思います。

どうしてPCが学校にいるのか?

「PCが道具の一つなのはわかった。それでもやはり学力向上に繋がらない道具をわざわざ入れる必要があるのか?」

「それは、義務教育が指導すべきことなのか?」という疑問があると思います。

これには2つの要因があると考えます。

1つ目は、「社会に出てから必要なスキル」だと考えられるからです。

2つ目は、「全家庭にPCはない」からです。

社会に出てから必要なスキル

義務教育は「社会に出てから必要なスキル」を育成する場所です。

つまりPCを導入するのは「PC操作自体が現代社会人に必須なこと」になっているからです。

もちろん今のPCのスペックや存在が子ども達が社会人になる20年後にそのまま応用できるとは考えにくいでしょう。

それでも現代の便利の道具を積極的に使って慣れていく経験を広く公教育ですることに意義があるといえるでしょう。

全家庭にPCはない

義務教育で「PC」を経験させるもう一つの理由として、実は日本のPC所持率は、他国に比べても少ないという現状があります。 

以前の記事でも書きましたが「13~29歳対象にデジタル機器端末の所持率」は… 

日本はスマホは92.7%、ノートパソコンは55.5%
他国を見れば、スマホの所持率は日本と同様に90%前後。

しかし、ノートパソコンの所持率は大きく違い、韓国は65.5%、アメリカは69.3%、それ以外の国は73%以上所持しています。

(引用)【PISA2018】読解力ピンチよりもPCを使っていないのが問題 - りょうさかさんと

そして、学習にPCを使っている量も他国より少ないです。

 「授業の後にインターネットを閲覧する」という設問について「まったくか、ほとんどない」という解答をしたのは日本は66.3%、OECD平均は19.8%。

「コンピュータを使って宿題をする」という設問について「まったくか、ほとんどない」という解答をしたのは日本は78.8%、OECD平均は22.1%。

このようにOECDの各国の子ども達は、学校で学んだことに興味を持ってインターネットで調べてみたり、PCで宿題に取り組んだりしています。

この差を埋めるために義務教育で取り組んでいくというわけです。

 

「PCは教材ではなく、あくまでツール 」のまとめ

  • PCはあくまで道具であり、それだけで学力は上がらない
  • 習熟度にあった使い方が重要
  • 子ども達のPC所持率は他国ほど多くない
  • 子ども達は、現状他国ほどPCを学習に使えていない

学校の授業でPCが導入されることで不安な親御さんもいると思います。

PCはあくまでツールの一つです。

電卓があってもペンと紙で計算をしていたように、学習の基本は変わりません。

ぜひ、将来のために色んな経験をさせてくださいね。

それでは、また。