どうも、りょうさかさんです。
キンコン西野さんについて言及した記事がありました。
【プペル】キンコン西野さん「日本人は商品の付加価値が目に見えるものになっていないと『宗教だ~!』って騒ぐ」 : はちま起稿
それによると、こんな発言があったようなんですね。
エンタメを通じてサービスを提供している立場から言わせていただくと、やっぱり日本は「ブランドづくりが下手」というのと、それ以前の問題として、「日本人が日本人のブランド作りを許さない」というのが大きいと思っています。
日本人って、商品の付加価値が目に見えるものになっていないと、「こんなに高いのはおかしい!宗教だ~!」と騒いじゃう感じあるじゃないですか?
またこれに対して宗教だとか、信者向けだとか色々批判されているようです。
この件について考えたことをまとめておきます。
西野さんは別に変なことを言ってない
わたしは、以下のようなツイートをしました。
のがブランド力だと思う。
— りょうさかさん (@ryosakahigh) January 21, 2021
問題はこういう文脈を西野さんが広く獲得しているかどうかじゃないか?
まず大前提として価格と品質ってイコールじゃないんですよね。
ツイートでは腕時計やカバンを例に出しましたが、1000万円以上する腕時計や鞄が1万円の鞄の1000倍以上の品質かいうととそこまでじゃない。
そして、そういった腕時計やカバンを購入する人に対して「宗教だ」「騙されている」って批判する人はあんまり見かけないんですよね。
あなたの周りにいますか?
ロレックスつけている同僚に「あなた、騙されてますよ?」って言う人。
いませんよね。
「いや、もしかしたらいるかもしれないけれど圧倒的に少数派でしょ」というイメージを多くの人が共有している状態を「ブランド」って言うと思うんです。
このイメージを共有するため一つが西野さんの指摘する「ストーリー」なのかもしれません。
腕時計で言えば、創業何百年のメーカーが良いとか、月に行った、エベレストを踏破したみたいなエピソードを売りにするし、「結納返しには機械式腕時計」みたいな「買わせるストーリー」も存在しているわけです。
またブランド価値には「価格自体」も含まれているんですよね。
腕時計を知らない人って「その腕時計高いんですか?」って聞くでしょ。
つまり「価格が高い=ブランド価値が高い」という共通認識があるんです。
逆に、ロレックスが1万円の腕時計を出したらメーカーのブランド力が低下するんですよね。(腕時計に興味のない人は喜ぶかもしれないけれど)
と、ここまではわたしはほとんど西野さんと同じ考えなんです。
ここが違うよ、西野さん
西野さんのブランド論と考え自体は同じなんですが、引用元の記事に多くの人がひっかかているのは、たぶん以下の3点。
- 日本人が日本人のブランド作りを許さない
- 目に見えない付加価値を認めない風潮
- 西野さんの自己弁護なのではないか
「日本人が日本人のブランド作りを許さない」「付加価値を認めない」ってそんなことはないんですよね。
でも、西野さんが指摘する側面は確かに存在するように感じてしまうのはなぜか。
幾つか要素はあると思います。
- 戦後の復興後、海外をロールモデルにする期間が長かったので、その感覚が常識になってしまっている。
- 自分で価値判断せずに、既存のランキングで価値判断することが当たり前になっている。
などなど。
だから、結果的に海外の情報には憧れをもって接するし、ランキングによる人気に左右されるため相対的に「付加価値」へ重きを置かなくなると考えれます。
わたしが特に感じるのは、日本人の「ものづくり」に対するプライドです。
下町ロケットに代表するような「職人技」に敬意を持つ感覚が強いのではないでしょうか。
機械に勝る手作業みたいなの好きじゃないですか。
これが付加価値よりもスペックを重視する感覚にすり替わっているような部分があるように思います。
西野さんのビジネスについて
西野さんのビジネスについて、宗教だの、信者向けといったコメントがあります。
わたしは、こういう意見は違うと思うんです。
ただ単に西野さんが獲得しているブランドイメージが狭い範囲で収まっているからだと思います。
西野さんの言葉で言えば「認知はされているが、広い層に人気がない状態」なので”ある意味”仕方がないと言えます。
(参考)キングコング 西野 公式ブログ - 『認知』と『人気』の違い。 - Powered by LINE
そして、これは構造的にどうしようもないとも思います。
まずそもそも「金儲け」自体に人間は嫌悪感を覚える生き物だから。
そして、もう一つは昔のように「認知と人気」の両方を広く獲得するのが難しい時代だからです。
テレビだけがメディアだった時代とは違い、今は様々なネットメディアがあり、趣味も多様化していますよね。
そのジャンルごとにヒーロー・ヒロインがいて、ファンがいるわけです。
そうやって細分化された結果、「認知もあるし人気もある」という人になるのが今は難しい時代だと思うんです。
今、認知も人気もある人ってインターネットやYoutube隆盛の前から活動してきた人がほとんどでしょ。
ただこの構造をぶちやぶって「認知と人気の両方を獲る」方法があります。
それが「海外の賞を獲る」ことです。
海外の賞を獲ったら、急に手のひらを返して称賛する人が増えると思いますよ。
そんなわけで西野さんがもしアンチを黙らせたかったら「海外で賞を獲る!」というのが一番だと思います。(本人がアンチを黙らせたいとは思っていないと思いますが)
わたし自身は西野さんが今後、どうなっていくのか楽しみなので陰ながら応援しています。
それでは、また。