どうも、りょうさかさんです。
今回は、9月入学について色々な人達のポジションを整理しておきたいと思います。
9月入学自体のメリット・デメリットはこちらをどうぞ⇒
最初にわたしなりの結論を書いておきます。 大きな変革を伴う政策・施策の場合、全ての人が幸せになることはありません。 比較的、得をするはずの層であっても、損をする要素は必ず出てきます。 だから「9月入学だけ」で解決すべきではなく、多様な入試方法、多様な入学機会、高等教育の無償化、学校内外のICT環境の充実、教員数などの予算増、子育て世代への補助金や塾代バウチャーといった様々な政策を並行して検討すべきだと考えます。 全てを一気に実施できる時間も予算もないので、施策の中にも優先順位をつけてロードマップを作って示すべきだと考えます。 さて、前置きが長くなってしまいましたが、仮に2020年9月から「9月入学」が決まるとしたら、どういった立場の人にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。 あまり語られませんが、まず「浪人生」です。 浪人生が9月入学によって得るメリットは「大学入学後の留学」などです。 留学のしやすさ、また留学から戻ってきやすさがメリットになります。 逆に浪人生にとってのデメリットは「入試」。 9月入学による変化に大学入試の時期変更が考えられます。 大学入試時期が変更されて現役生の勉強期間が伸びれば、「浪人生」の時間的優位性が減ってしまいます。 逆に9月入学が実施されなければ、圧倒的に数の多い現役生というライバルが「3~5月の休校」というハンデを背負ってくれます。 デメリットは、入試までの予備校費用などの負担増という「金銭面」が考えられます。 現役受験生(中3・高校3)は最も大きなメリットのある層でしょう。 「入試」に関しては「失われた3ヵ月(3月~5月)」を取り戻す猶予が与えれます。 特に「試験範囲減」がなくなるメリットは現役受験生にとって大きいと考えます。 というのも現高校3年生が残念ながら「浪人」してしまった場合のことを考えてみましょう。 彼らは「試験範囲減」によって「範囲外」のまともな授業を受けないまま卒業してしまう可能性があります。 しかし、次の大学入試は、試験範囲が戻っているでしょうから、浪人中にもういちど「範囲外」だった部分を勉強しないといけません。 また「失われた3ヵ月」を取り戻す猶予がなければ、「学校生活」において大きな影響が出るでしょう。 長期休暇の短縮、行事の簡略化や中止という事態が考えられます。 一方でデメリットとしては延長する部分について「金銭的な負担」が生じてしまいます。 「9月入学」の受験生以外の子どもたちのメリットは「現役受験生のポジション」に似ています。 「失われた3ヵ月」を取り戻すことで「学習の機会」と「行事の機会」が与えられます。 また今後、新型コロナの第2波、第3波や新たなウィルスが来た際に「今の受験生」のように「学習と行事」で不利になるということがなくなることもメリットです。 理由はわかっていないそうですが、風邪・インフルエンザなどの疫病が流行るのは寒い季節が中心ですよね。 極端なことを言えば、4月入学制度を保ち続ける限り「パンデミックで入試自体がなくなる」という不安を抱え続けることになります。 但し、これがどの程度の不安要素なのか明確にはわかりません。 デメリットは「金銭的な負担」が考えらます。 未就学児童、その保護者のメリットは、すぐにはありません。 入試時期にそもそも入試が開催されるのかといった不安、風邪やインフルエンザなどの体調管理で悩まされなくて済むこと、留学時期のメリットなどのメリットを受けるのは何年も先の話です。 留学に至っては20年後なので、状況が不確定すぎると言えます。 一方でデメリットは9月入学の「学年の区切り」によって左右されます。 詳しくは以前の記事をどうぞ⇒ 考えられるデメリットとしては、 などが考えられます。 個人的には諸外国との1年ズレはあまり気にしなくて良いと思います。 そもそも諸外国は、4歳5歳からスタートの国もあれば、7歳スタートの国もあります。 また諸外国と1年のズレを気にするのなら留学しやすくなる「9月入学への変更」はむしろ好都合だと言えるでしょう。 また同級生増加は、国も地方自治体も人・モノ・金を用意できないので、区切りを調整して生じないようにするしかありません。 そういう意味では、未就学児のポジションは… 未就学児のカリキュラムは、幼稚園と保育園で所管も法令も違うので調整をどうするのかが課題です。(幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省) 空白期間も「ゼロ年生」案がありますが、スペースと教員・教材などの課題があります。 また「待機児童問題」が深刻化するというデメリットもあります。 ポジションによるメリット・デメリットを整理を最後にまとめておきましょう。 さて、冒頭に書いたように「全ての人が幸せになる案」など存在しません。 また今は、正しそうな選択が将来間違っていたということも良くあることです。 例えば、昭和初期には人口爆発が社会問題となりました。 日本の人口が将来2億人を超えて大変なことになる! と問題になったんですね。 第二次世界大戦後も、人口が増えすぎないためにどうすべきかという議論が行われ、ベビーブーム以降の出生率は低下しました。 これが結果的に、今の少子高齢化社会という大問題へ変化しました。 「4月入学」のままにするのか、「9月入学」を実施するのか。 実施するのなら今年すぐなのか、それとも数年後なのか。 どのような選択肢を選ぶにせよ20年後、30年後にならないと正解かどうかはわからないでしょう。 それでは、また。 全ての人を幸せにする政策・施策はない
浪人生のポジション
現役受験生のポジション
受験生以外の小学生・中学生
未就学児童のポジション
ポジションによるメリット・デメリットを整理するのまとめ