「アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている 英語が話せない子どものための英語習得プログラム ライミング編」(リーパー・すみ子)をご紹介です。
この本は家庭で英語教育をしたい親御さん、英語の授業を受け持つ小学校の先生が参考になる本になっています。
ライミング編の内容について
著者のリーパー・すみ子さんは、アメリカの小学校で20年間、リテラシー(識字)教育に関わってこられた方です。
そこではヒスパニック系のスペイン語しか話すことのできない生徒を相手に指導をしてきました。
使われた英語理論は「フォネミック・アウェアネス」と「ガイデッド・リーディング」の2つです。
本書の内容は、前者の「フォネミック・アウェアネス」について語られています。
「フォネミック・アウェアネス」とは
「フォネミック・アウェアネス」と言われても聞き馴染みのない方も多いと思います。
「フォニックス」と名前は似ていますが、違う理論です。
フォネミック・アウェアネス(phonemic awareness)とは、読み書きに入る前に単語はどのような音と音が組み合わされているのか耳から鍛える理論のことです。
7つのステップがあり、本書では以下のように紹介されています。
- ライミング:単語の終わりの音に注目
- アリタレーション:単語の始めの音に注目
- シラブルとオンセット・ライム:単語の音をグループに分ける
- ブレンディング:音をつなげて単語を作る
- 音の位置:始めの音、まん中の音、終わりの音に注目
- セグメンテイション:単語の音をばらばらにして音を数える
- 音の操作:単語の始めや終わりの音を置きかえる
(抜粋して引用 本書p.13-14)
これだけだと分かりにくいですよね。
ステップ1のライミングについて例えば…
"bat"
"cat"
"hat"
これらは最初の文字は違いますが、単語の終わりの音("at")が一緒ですよね。
意味は違うけれど、終わりの音が同じ音だと気付かせるのがライミングです。
そして、アメリカの英語教育では、この「フォネミック・アウェアネス」を指導してから「フォニックス」「リーディング」…という流れで指導されていくようです。
家庭教育をしたい親と小学校の先生向けの書籍
興味のある方は、詳しくは本書を読んでいただくとして、このように本書では「フォネミック・アウェアネス」の理論に基づいた指導法が紹介されています。
例えば…
- 赤ちゃんとうたうわらべ歌
- なわとびをしながらライミング
- ライミングの絵本の紹介
などなど、すぐにでも明日からしたくなる指導法が掲載されていますよ。
「フォネミック・アウェアネス」を取り入れているDWE
わたしは「フォネミック・アウェアネス」を知って、ひとつ謎が解けた思いです。
というのも、りょうさか家ではDWEに取り組んでいます。
Sing Along! 1 に収録されている "What's in Your Basket?"という曲があります。
ミニーが持っているバスケットの中身を聞くという歌詞なんですが…
"Is it a flower?"
"Is it a tower?"
"It's not a mouse."
"It's not a house."
など「花やネズミはわかるけど、タワーや家なんて入ってるわけないやん」みたいなやりとりがあるんです。
もちろん一番は、似た発音の単語を聞かせるというのが意図だと思うんです。
けれど「フォネミック・アウェアネス」という観点から見ても納得の単語選択なんだなと感じました。
DWEに興味のある方は、まず無料サンプルから試しみて下さい
「アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている ライミング編」のまとめ
- 「フォネミック・アウェアネス」をもとにした書籍
- 「フォネミック・アウェアネス」は単語の音を意識して耳を鍛える理論
- 「フォネミック・アウェアネス」をした上で「フォニックス」と続く
「英語教育はまず耳から!」というのを再確認できた本書でした。
それでは、また。
ちなみに本書には続編もあるので、興味のある方はそちらもどうぞ。