英語民間試験導入延期が国会で追及されています。
また国語・数学への記述式問題にも批判が上がっています。
当ブログでは、どちらも取り上げてきましたが、批判が目的ではなくどう対応すべきかという記事がメインでした。
このスタンス自体は変わりませんが、今回の報道や国会追及で明らかになったこと等をまとめておこうと思います。
英語民間試験の経緯
英語民間試験の経緯については朝日新聞さんがわかりやすく表にまとめてくれています。
(引用)英語民間試験、政府・与党に延期論 現場「ふざけるな」:朝日新聞デジタル
制度認定のタイミングという意味では、以下の3つの時期がポイントでしょうか。
- 2013年10月(平成25年)に新テストの提言がされる
- 2017年5月(平成29年)に民間試験利用の方針が示される
- 2018年3月(平成30年)に民間試験8種が認定
では、この時期の文部科学省は誰がまとめ役だったのか確認しておきましょう。
文部科学省の文部科学大臣と事務次官
上で取り上げた2013年、2017年、2018年の文部科学大臣と事務次官はこちらの方です。
- 2013年10月時点:下村博文 文部科学大臣・山中伸一 事務次官。
- 2017年5月時点:松野博一 文部科学大臣・戸谷一夫 事務次官。
- 2018年3月時点:林芳正 文部科学大臣・戸谷一夫 事務次官。
萩生田現文部大臣の「身の丈」発言が目立ちがちですが、制度の修正・変更という意味では、上記のターニングポイント時に役職についていた方や一つ前の柴山昌彦・前文部大臣の方が責任は重いといえるでしょう。
文部科学省自体がズブズブ?
とはいえ、政治家があらゆる業界に明るいわけではありませんし、政治家にレクチャーをする官僚にも当然責任はあります。
さて、それに関連して国会でこういう答弁がありました。
とてもわかりやすいのでツィッターを引用させていただきます。
大学入試英語民間試験業者のベネッセ関連に文科省などが天下りしていることが国会で明らかに。何だこれ。 pic.twitter.com/1eLdP1L2HC
— あらかわ (@kazu10233147) November 6, 2019
動画を見ていただくとわかるのですが、英語民間試験会社の一つであるベネッセに関連する一般財団法人進学基準研究機構(CEES)の役員・参与に元文科省の役人がいることに関しての質疑になっています。
確かに調べてみるとCEESとベネッセコーポレーションの住所が同じ「東京都新宿区西新宿二丁目1番1号」になっています。
ベネッセといえば、以前の記事でも取り上げたように文部科学省の代わりに416万円を支払ってあげちゃうような関係です。
さて、CEESの役員・参与一覧がこちら。
(引用)財団概要 | CEES
動画では佐藤禎一理事長が、元文部事務次官であること等が指摘されています。
新聞記事だとこのように報道されています。
文科省の伯井美徳高等教育局長は予算委で、旧文部省の事務次官経験者が同法人に再就職し、十月一日まで理事長を務めていたことを明らかにした。国立大学の事務局長を務めた文科省退職者も同日まで参与を務めていたと述べた。
(引用)英語試験法人に天下り 旧文部省次官ら2人:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)
このCEESの研究は2016年度からスタートしています。
またサイトの利用規約を見ても、「最終更新日:2015年3月25日」となっており、「達成度テストの提言(2013年)」と「英語民間試験利用の方針(2017年)」の間に設立されています。
これはたまたまの偶然なのか、それともなんらかの働きかけがあったのでしょうか。
しかし、あやしいのはベネッセだけじゃないんだそうです。
他民間試験団体だってどうよ?
真偽不明ですが、モーニングショーで田崎史郎さんが民間試験団体のバックに政治家がついているというコメントがありました。
英語民間試験について御用ジャーナリストと悪名高い田崎史郎氏が #モーニングショー で爆弾発言。
— 異邦人 (@Narodovlastiye) November 4, 2019
田崎史郎氏「(民間試験)団体ごとに政治家が付いてるんですよ。最初(民間試験は)2つだったんですが6つになったのは、それぞれに先生方がついてるんです」
玉川徹氏「利権なんですね」
利権ですね。
はっきりとした証拠は、現状ではありません。
政治家、官僚、民間によるズブズブな関係がこの英語民間試験導入の背景にあったのか。
現時点では、政治主導だけ原因だとも、文部科学省の官僚だけが原因だとも言えないような気がします。
今後の報道を注視していきましょう。それでは、また