あなたは、絵本の「読み聞かせ」をどの程度していますか?
毎日ですか?
何分くらいですか?
「3歳までに1万冊」「小学校入学までに1,000冊」という言葉もあります。
2歳まであと1年しかないけれど、全然足りていない。もう3歳を過ぎている。そんな場合、もう読み聞かせをしても遅いのでしょうか。
そのヒントが隠れていないかどうか。
そこで「12歳までの読み聞かせが子どもの「地頭」をつくる!」を読んでみました。
本書の内容
本書は著者であるランディー由紀子さん(通訳・翻訳家、ライター)の実体験から作った「超・読み聞かせ」のメソッド」を主に紹介しています。
余談ですが、著者はチルドレン大学を主催したり、オンライン絵本図書館という英語の絵本の音声付きサービス(無料)を公開したりされています。
「12歳までの読み聞かせが子どもの「地頭」をつくる!」では、「これからの子どもに必要な力」「目標とする冊数」「絵本の読み聞かせ方」を中心に書かれています。
「これからの子どもに必要な力」については、ほとんどわたしと同じ考えで、共感するものがありましたよ。(わたしの考えはこちら)
気になる絵本の読み聞かせ冊数ですが、本書では年間1,000冊と書かれています。
しかも同じ本ではなく、別々の絵本…。
いやー、無理、無理、無理。というのが正直な感想(笑)ですが、わたしが本書で大切にすべきだと感じたのは冊数よりも「読み聞かせ方」です。
読み聞かせ方
読み聞かせ方として、本書p.26では「超・読み聞かせ(パワーリーディング)」について以下の6点を掲げています。
1 「対話型」の読み聞かせをする
2 本を「ネットワーク型学習」に結び付ける
3 読み聞かせを絵本から本へ移行させる
4 読み聞かせを12歳頃まで継続する
5 読み聞かせを毎日の習慣とする
6 一日30分以上の読み聞かせをする
この6点について詳しく知りたい方は、ぜひ本書を読んでくださいね。
わたしが大切にしたいと考えたのは、「対話型の読み聞かせ」と「ネットワーク型学習」、そして、「読み聞かせを12歳頃まで継続する」の合計3点です。
「対話型の読み聞かせ」とは
「対話型の読み聞かせ」と言っても難しいことでは、ありません。絵本を見ながら子どもと会話をすれば良いのです。
その際のポイントとして「あなたはどう思うか? と聞く」「一言で答えられない質問をする」「間違いをすぐ訂正しない」などが紹介されています。
特に「一言で答えられない質問」というのは、結構盲点なのではないでしょうか。
ついつい「鳥は何羽いる?」とか聞いてしまいます。というか、わたしがそうです…www
でも、意識さえしてしまえばそんなに難しいことではないと思います。
どう思う? どうしてかな?
この2つを意識して使っていけば、自然と「対話型の読み聞かせ」になりますよね。
「ネットワーク型学習」とは
「ネットワーク型学習」と聞くと色々詰め込むような学習を想像してしまうかもしれませんが、本書で紹介される「ネットワーク型学習」はとってもシンプルです。
例えば、絵本を読んで魚に興味を持てば水族館にでかけてみる。花に興味を持てば、公園に行ってじっくり眺めてみる。図鑑を買ってあげても良いかもしれません。
つまり、絵本の世界と日常生活を繫げてあげるということです。
子どもの好きなものからドンドン広げていって、学ぶこと、知ることを好きになってもらう。そういう心構えのことを言っているのだと思います。
「読み聞かせを12歳頃まで行う」とは
12歳まで絵本? と思うかもしれませんが、絵本でも本でも構いません。
本書では物理や科学、歴史の本を8歳くらいから読んでいたそうです。自分で読めるような年齢になってもどうして読み聞かせをするのか、というと
「本は「親子のコミュニケーションのためのツール」だと捉えていたらからです。」(引用p.32)
と書かれています。
親が子どもの興味を知り、どんな疑問を持っているのかを知ることを大切にしているからなんですね。
まとめ
今回紹介した以外の「超・読み聞かせ(パワーリーディング)」のポイントについてはぜひ、本書をご確認ください。
また以前紹介したように紙の絵本とデジタル絵本では親の関わり方が変わることがわかっています。
ただ「読み聞かせ」をするのではなく、どのように子どもと関わっていくのか。
関わるツールとしての「絵本」という意識をもつことが大事なのだと改めて考えさせられました。
親が子どもの成長に関わることが出来るのは本当にわずかな時間です。一方で、子ども達の成長は、3歳で終わったりしません。
生き続ける限り成長していきます。わたしたち親だって、人として、親として成長していきます。
子どもだって、親だって何かを始めるのに遅いなんてことはないんだと思います。皆さんはどう感じましたか? それでは、また。