今回も引き続き小学校英語教科書について見た感想をご紹介です。学校図書と三省堂の教科書がどうだったのか。それでは、どーぞ!
学校図書 『JUNIOR TOTAL ENGLISH』
学校図書は、一言でいえば気遣いのある教科書です。
表紙は犬の飛行機に3人乗りするというなかなかファンタジーです。
まず版型はA4版。この大きさは東京書籍と同じ。やはり紙面が大きい分、見やすいですね。
またレッスンの扉に「学習の進め方」の図が掲載されています。
1レッスン5時間で「今日どんな活動をするのか」という部分が児童にも先生にも明確なので教科書を使った授業がしやすいと感じました。
また教科書の問題文が特徴的です。ページ数をメモり忘れてしまったのですが、こんな問題文がありましたよ。
あなたの今の気分を言いましょう。クラスの人たちは今どんな気分の人が多いですか。ハッピーな人が多いといいですね。
最後の「ハッピーな人が多いといいですね」という言葉は他の教科書にはない言葉です。また必ずしもハッピーでなくても気にしなくて良いよ、というニュアンスも含まれています。
このような教科書の文言から優しい印象を受けました。
一方で、気になったところで言うと紙面単体の活動の不明瞭さです。
(2)(3)(4)の横に小さなアイコンがあり「聞く」「話す」「読む」「書く」をするというのはなんとなくわかるんですが、少し小さすぎないでしょうか。
また他の教科書会社は「Listen」などしっかり言葉でも明示されています。折角「学習の進め方」を丁寧に書いているのだから紙面のアイコンもわかりやすくしてほしいのになと思いました。
特徴をまとめると…
・A4版で見やすい。
・「学習の進め方」が毎レッスン紹介されている。
・問題文が特徴的。
・A4版が小学校の机に適切かどうか。
・紙面のアイコンがわかりづらい。
(引用・参考)2020年度版 教科書特設ページ 小学校英語 | 学校図書株式会社
三省堂『CROWN Jr』
三省堂は、一言でいえば英語専科が使いやすい教科書です。
三省堂の表紙は、服装もオシャレで特にツッコミどころがなくわたしとしては残念ですw
内容はというとさすがクラウンという印象を受けました。
HOP、STEP、JUMPという3段階構成で紙面が構成されています。この「JUMP」は学期に1回あり、プレゼンテーションを行う内容になっています。
つまり学期に一回の発表に向けて色々な表現を学ぶ形式となっているわけです。既習を統合して活用する場面になっているとも言い換えることができますね。
またJUMPの場面の手順がしっかり記述されているのも特徴です。
「考えよう」⇒「質問メモを用意しよう」⇒「リハーサルをしよう」⇒「インタビューをしよう」という風にしっかりガイダンスが書かれているので児童・先生のすることが明確になっています。
一方で少し残念に感じたのは「STEP」の場面です。
前出の学校図書と違い「Listen&Talk」「Story」とすることが文字とアイコンで書かれており、わかりやすくなっています。
ただ「Chant」は東京書籍と同じで見開き下段を使っており、授業のどの場面で使うのかわかりにくいように感じます。
また特徴であるJUMPも6年の最後には動画撮影をして意見を言いあう場面まで設定されています。それ自体は個人的には好きな内容です。
しかし、英語専門ではない担任の先生が指導することを考慮すると「JUMP」の部分はかなり難しいのではないか、そういう風に感じました。
全社の教科書が終わらないうちに書くのもアレなんですが、個人的に三省堂の教科書はかなり好みだったので、ツッコミ場面が少なめでしたwww
・HOP、STEP、JUMPという3段階構成。
・JUMPは既習内容を統合し活動する場面。
・JUMPの手順もしっかり書かれている。
・STEPの紙面をどういう順序で使うのかやや不安。
・専科ではない教員でも教えられるのか不安。
(引用・参考)【三省堂】小学校英語教科書「CROWN Jr.」のご案内|教えやすく、学びやすい教科書
次が「新教科書見比べ(小学校英語)」の最終回。残った3社(教育出版、光村図書、啓林館)についてです。それでは、また。
前回⇒
つづき⇒